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鎌倉女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

鎌倉女学院中の満点は100点、合格者平均点は例年7割程度である。満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。

標準的な問題が多く、問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。計算問題も含まれているが、際立った難しい計算はない。記述問題はなかった。試験時間は45分、問題量がやや多いが、十分な時間は用意されていると思われる。慌てる必要は全くないので、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。

 

<分野毎の学習法>

 

生物分野

本年度は食物連鎖に関する知識問題であった。近年では、植物の光合成、植物のつくり、林の中の生物、人のからだのはたらき、魚のからだのつくりなどが出題されている。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、植物に関しては出題される可能性が高いので、しっかり知識を固めて欲しい。また、人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。

 

地学分野

本年度は気象に関する出題であった。湿度に関する計算問題も含まれていた。ここ何年かでは、天体について、地層と岩石について、川の流れの働きについて、大気圧について、台風についてなどの出題が見られた。この分野の学習としては、地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。時事的な内容を含む出題もあり得るので、入試前に対策をして頂きたい。

 

物理分野

本年は光の性質に関する出題であった。とつレンズによる像の作図に関する問いも含まれていた。ここ数年では、浮力・物の運動など力のつり合いに関する出題が多く、光の性質、音などについての出題もみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。光については、今回出題されたとつレンズによる像の作図を含めて学習しておきたい。

 

化学分野

今年度は水素と二酸化炭素の発生方法と性質に関する出題であった。ここ何年かでは、ものの三態変化、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、塩酸と石灰石の反応などについて出題されている。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質、ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。

 

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。

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2020年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4題、小問数は35題程度で100点満点。試験時間は45分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。リード文やデータ・図を読み取った上で、設問に答える形式が中心になっている。問題数がやや多いが、試験時間が45分あるので、慌てることなく問題文をしっかり読み、説明やデータの読み取りに時間をかけて欲しい。

 

【大問1】化学 気体の発生と性質

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 亜鉛とうすい塩酸の反応で発生する気体は水素である。

問2 気体発生の実験装置に関する問い。ろうとから塩酸を流すガラス管は長く、発生した水素を送り出すガラス管は短くする。

問3・問4 水素は水に溶けにくい気体なので、水上置換法で集める。

問5 アルミニウムを水酸化ナトリウム水溶液に加えた時も、水素が発生する。

    炭酸水と石灰水、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の反応はどちらも中和反応である。

問6 水を電気分解すると水素と酸素が発生し、水素は-極に集まる。

問7 水素は燃料電池として利用される。

問8 石灰石と薄い塩酸の反応で発生する気体は二酸化炭素である

問9 二酸化炭素は空気より重く、水に少し溶けるので、上方置換で集めることはできない。

問10 二酸化炭素を石灰水に通すと、できた炭酸カルシウムにより、白く濁る。

問11 二酸化炭素は消化するための気体として使われることがある。

問12 水素・二酸化炭素ともに、無色の気体である。

 

  水素と二酸化炭素の発生方法と性質に関する知識問題。いずれも基本的なもので、確実に正答したい。

  ここでの間違いが多い時は、主な気体の性質・発生方法をしっかり復習すること。

【大問2】生物 食物連鎖

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

問1・問2 植物は光合成と呼吸、動物は呼吸のみを行うことから、2つの矢印が示す気体を判別できる。

問3 草食動物は敵から逃げるために、目が横についていて視野が広い。肉食動物は獲物を捕らえるために、目が顔の正面についていて、視野はあまり広くない。

問4 菌類や細菌類は、生物の死骸や排出物を分解することから、「分解者」と呼ばれる。

問5 生物を植物・草食動物・肉食動物・菌類や細菌類の4つに分類する問題。

問6 食蜜連鎖の中で、食べられる生物の方が数が多いことにより、つりあいが保たれている。

問7 一時的草食動物が増える→植物が減り、肉食動物が増える→草食動物が減る→植物が増え、肉食動物が減るので、元の状態に戻る

問8 アライグマは日本に古くから生息する動物ではなく、外来種である。

 

  食物連鎖に関する知識問題。確実に正答したい問題が並んでいる。

 

【大問3】地学 気象

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 冬の季節風は日本海から蒸発した水蒸気によって湿った空気となり、日本海側の各地に雪を降らせる。

問2 低気圧は日本上空を吹く偏西風に乗って西から東に移動することが多い。

問3 北半球では低気圧の中心に向かって反時計まわりに風が吹きこむ。反対に南半球では、時計まわりに風が吹きこむ。

問4 計算問題。飽和水蒸気量×湿度 が実際に含まれる水蒸気量である。

    10℃における飽和水蒸気量は9.4g/㎥ なので、9.4×0.72 の計算結果を四捨五入して6.8g

問5 気体が液体に変化することを凝結という。

問6 問4で求めた水蒸気量は6.8g。表より、5℃における飽和水蒸気量が6.8gなので、水蒸気が水滴になる温度(露点)は5℃。

問7 空気が上昇すると膨張し、気温が下がることにより、湿度が上昇する。

問8 空気が100m上昇するごとに0.6℃下がるので、5÷0.6×100 より833.333・・・m上昇すると5℃下がり露点に達する。

    選択肢の中から最も近いものを選ぶと、800mになる。

 

  気象に関する出題。低気圧・風の吹き方などの基本知識が問われる。後半の飽和水蒸気量を用いた湿度の計算問題では、日頃の練習の成果を発揮したい。

  ここで得点が伸びなかった時は、低気圧・高気圧・台風など気象に関する基本知識をしっかり固めるとともに、湿度の計算練習を十分に行って頂きたい。

【大問4】物理 光の性質

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

問1・問2 とつレンズに平行光線を当てると、レンズで屈折して焦点に光が集まる。

問3 光の屈折で起こる現象に関する問い。鏡に自分の姿が映る現象は、光の反射によるもの。

問4・問5 実験結果の表から、各レンズの焦点距離とレンズの直径の大小を求める問題。

問6 とつレンズによる像の作図の仕方を理解しているかどうかが問われる問い。作図に必要な線は、光源から出た後光軸と平行に進み、レンズで屈折して反対側の焦点を通る線、焦点を通ったあとレンズまで進み、屈折して光軸と平行に進む線、レンズの中心を通って直進する線

    上記に従って作図すると、実物より大きな倒立した像ができることがわかる。

問7 レンズの一部を紙でかくすと、光の量が減るので、暗い像ができる。

問8 虫めがねBの焦点距離が18cm、虫めがねCの焦点距離が16cmなので、BとCの間を34cmにすると、Bで屈折して焦点を通った光がCで屈折した後、光軸と平行に進む。

 

光の性質に関する問い。とつレンズによる像の作図の仕方を理解し、練習を行っているかどうかで明暗が分かれる。

攻略のポイント

塾のテキストや問題集等で学習していれば正答できる標準レベルの問題が多い。出題形式としては、リード文や図・表・実験のデータ等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。

本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要があろう。また、計算問題も出題されるので、各分野の計算問題の練習も行って欲しい。

年度によっては時事的な知識を問う問題も見られる。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められている。

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