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鎌倉女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

鎌倉女学院中の満点は100点、合格者平均点は昨年同様に約8割で、高得点が求められる。また、満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。

難易度は基本~標準的な問題がほとんどである。問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心であるが、知識のみで解答できる問題も多い。計算問題も含まれているが、難しい計算問題はない。今年度の試験時間は45分、問題量がやや多いが、十分な時間は用意されている。慌てる必要は全くないので、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野

本年度は消化酵素の働きに関する知識問題であった。近年では、人や動物のからだの働き、四季の生物、食物連鎖、植物の光合成、植物のつくり、林の中の生物等について出題されている。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、植物に関しては出題される可能性が高いので、しっかり知識を固めて欲しい。また、人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。

地学分野

本年度は地層を中心とした出題であった。ここ何年かでは、台風や大気圧など気象についての出題がやや多く、天体について、地層と岩石について、川の流れの働きについてなどの出題も見られた。この分野の学習としては、気象・地層・岩石・地震と火山そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。時事的な内容を含む出題もあり得るので、入試前に対策をして頂きたい。

物理分野

本年は、ばねの伸びに関する出題であった。基本的な計算問題中心で、得点しやすい問題が並んでいた。ここ数年では、浮力・物の運動など力のつり合いに関する出題が多く、電気回路、光の性質(凸レンズによる像など)、音などについての出題もみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。電気回路、電磁石、電熱線による発熱、光や音についても学習しておきたい。

化学分野

今年度は気体の性質・気体の発生に関する出題であった。ここ何年かでは、気体(水素・二酸化炭素)の発生、燃焼、ものの三態変化、溶解度、中和などについて出題されている。気体の性質や水溶液に関する出題が多い。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質、ろうそくの燃焼、指示薬の色の変化などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習もしっかり行って欲しい。

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい

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2022年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4題、小問数は30題程度で100点満点、試験時間は45分であった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。リード文やデータ・図を読み取った上で設問に答える形式が中心となっている。問題数がやや多いが、試験時間は45分あるので、慌てることなく問題文をしっかり読み、説明やデータの読み取りに時間をかけて欲しい。

【大問1】 生物分野 消化酵素の働き

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

問1 植物が養分を作る働きは「光合成」

問2 光合成は「葉緑体」で行われる。
 
問3 デンプンについての選択問題。デンプンは熱やエネルギーのもとになる。

問4 デンプンはだ液に含まれる消化酵素(だ液アミラーゼ)で消化され、麦芽糖になる。
 
問5 胃液に含まれる消化酵素のペプシンは、酸性でよく働く。

問6 ヨウ素液はデンプンと反応して青紫色に変化する。

問7 色の変化はシアスターゼによりデンプンが分解して、別の物質になったことを意味する。氷水では働かないシアスターゼも、40℃に戻すことによって働くようになる。
 
問8 シアスターゼと水の対照実験を行うことにより、デンプンの分解にはシアスターゼが必要であることを確かめている。
  
消化酵素の働きに関する出題。中学入試で頻繁に取り上げられるだ液の働きについての出題と同様の内容である。実験結果についての考察問題も含まれているが、基本~標準レベルの問題が中心。

【大問2】 地学分野 地層

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

問1 凝灰岩は火山灰が固まってできた堆積岩。砂岩や泥岩などの堆積岩とは異なり、粒は角ばっている。

問2 アンモナイトなどの示準化石は、広範囲に短期間生息していた生物の化石である。

問3 地層に力が加わってできたずれを「断層」という。問題の図より、両側から急激に押す力が働いてできた逆断層である。

問4 図に示された地層ができるまでの経過を考える問題。FEDの順に堆積⇒断層ができた⇒陸にあがり風化により地表が削られた⇒海底に沈んだ、の順になる。

問5 地点Xと地点Yを比較すると、図の右から左へ5m行くと40m地層が下がっていることがわかる。ZXは100m離れているので、40×(100÷5)より、800下がることがわかる。

問6 砂岩⇒れき岩の順に積もっている。れき岩は砂岩より河口に近い場所にできるので、この地域は隆起して河口に近づいたと考えられる。

地層に関する出題。図から地層ができるまでの経過を考える問題や、海水の深さの変化を考える問題等、中学入試における頻出問題が盛り込まれている。日頃の問題演習の成果により明暗が分かれるであろう出題。

【大問3】 物理分野 ばねの伸び

  • 難度:
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 ばねの伸びはおもりの重さに比例する。

問2 ばねが縮む長さも同様におもりの重さに比例する。

問3 35-20 より、15gの力を加えて押した。

問4 2×1.5より、ばねは3cm縮む。従って、ばねの長さは10-3より7cm。

問5 20-15 より、5gの力で上へ持ち上げた。

問6 5gで1cm伸びるので、11cm。

問7 台ばかりにおもりの重さがかかっていないので、20gがばねばかりに加わっている。

問8 20gで4cm伸びるので、14cm。
  
ばねの伸びに関する出題で、いずれも基本的な問題。確実に正答して欲しい。

【大問4】 化学分野 気体の性質・気体の発生

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 空気に含まれる割合に関する選択問題。窒素は約78%、酸素は約21%。

問2   (1)窒素は水に溶けにくいので、水上置換法で集める。
   (2)窒素が食品保存に適している理由についての選択問題。
 
問3 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの反応でアンモニアが発生する。アンモニア水はアルカリ性であり、フェノールフタレイン液を赤く変化させる。

問4 気体の発生についての選択問題。石灰石と塩酸の反応で二酸化炭素が発生する。

問5 二酸化炭素が溶けた炭酸水は酸性。BTB液は酸性で黄色に変化する。
 
問6 環境問題についての問い。フロンガスはオゾン層破壊の原因となる。

問7   (1)グラフを読み取ると、アルミニウムが0.1gのとき、水素が140㎤発生している。発生した水素が210㎤なので、0.1×(210÷140)より、0.15g。
   (2)濃さを2倍にしたことにより、アルミニウムは0.3gまで溶ける。
アルミニウム0.2gが溶けると、140×2 より、280㎤の水素が発生する。
 
気体の性質と気体の発生に関する出題。代表的な気体の性質や発生方法および指示薬の色の変化についての知識は必須。また、問7の計算問題もテキストや問題集で見られる典型的な内容である。間違えた場合は同様の問題の演習をしっかり行うこと。

攻略のポイント

本校理科の問題は、塾のテキストや問題集等で学習していれば正答できる基本~標準レベルの問題が中心である。出題形式としては、リード文や絵・図等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を確実に身につけることがあげられる。その上で、実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要がある。また、簡単な計算問題の練習も着実に行って欲しい。年度によっては時事的な知識を問う問題も見られる。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められている。

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