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鎌倉女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

鎌倉女学院中の満点は100点、合格者平均点は昨年同様に約8割で、高得点が求められる。また、満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。

基本~標準的な問題がほとんどである。問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心であるが、知識のみで解答できる問題も多い。計算問題も含まれているが、難しい計算問題はない。今年度の試験時間は45分、問題量がやや多いが、十分な時間は用意されている。慌てる必要は全くないので、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野

本年度は森林内の植物についての出題であった。近年では、人や動物のからだの働き、消化酵素について、四季の生物、食物連鎖、植物の光合成、植物のつくり、林の中の生物等について出題されている。この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、植物に関しては出題される可能性が高いので、しっかり知識を固めて欲しい。また、人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい

地学分野

本年度は月の見え方についての出題であった。宇宙探査機についての時事問題も含まれていた。ここ何年かでは、台風や大気圧など気象についての出題がやや多く、天体について、地層と岩石について、川の流れの働きについてなどの出題も見られた。この分野の学習としては、気象・地層・岩石・地震と火山そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。時事的な内容を含む出題もあり得るので、入試前に対策をして頂きたい

物理分野

本年は棒のつりあいや浮力など力のつり合いに関しての出題であった。棒のつり合いの計算問題は標準レベルのものであった。ここ数年では、ばねの伸び・浮力・物の運動など力のつり合いに関する出題が多く、電気回路、光の性質(凸レンズによる像など)、音などについての出題もみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。電気回路、電磁石、電熱線による発熱、光や音についても学習しておきたい。

化学分野

今年度は水溶液の性質と中和反応に関する出題で、中和に関する基本的な計算問題が含まれていた。ここ数年では、気体の性質、気体の発生、燃焼、ものの三態変化、溶解度、中和などについて出題されている。気体の性質や水溶液に関する出題が多い。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質、ろうそくの燃焼、指示薬の色の変化などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。

 

模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい

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2023年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は30程度で100点満点、試験時間は45分で、例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。リード文や図・グラフを読み取った上で、設問に答える形式が中心になっている。問題数がやや多いが、試験時間45分あるので、慌てることなく問題文やデータの読み取りに時間をかけて欲しい。

【大問1】地学 月の見え方

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

問1 北極上空から見ると、月の自転・公転いずれも反時計回りである。

問2 360÷27.3 より、月は1日に約13度公転する。また、地球も1日に約1度反時計回りに公転するので、地球から見ると月は1日に約12度移動して見える。

問3 月の位置と見え方に関する問題。太陽の光が当たっている部分が光って見える。

問4 右半分が光って見える月を「上弦」の月と呼ぶ。

問5 上弦の月は12時頃東から上り、18時頃南中し、午前0時頃西に沈む。

問6 皆既日食は、太陽-月-地球と並んだ時に起こる可能性がある。このとき、月は新月である。

問7 皆既月食は月が地球の本影に入った時に起こる。月は左から欠け始め、左から見え始める。

問8問9 時事問題。人類初の月面着陸はアポロ11号の宇宙飛行士。2007年に打ち上げられた日本の月周回衛星はかぐや。月には大気がなく、水もない。そのため、月面着陸時の足跡は現在も残っている可能性が高い。

 

月の満ち欠け・日食・月食など月の見え方を中心とした出題。月の満ち欠け・日食や月食については、月と地球の動きと結びつけて理屈を理解することが大切である。

【大問2】生物 森林内の植物

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

問1 種子に2枚の羽のようなものがついていることから、風によって運ばれると考えられる。

問2 問題文中の「最初にやってくるのは一年生植物」がヒント。

問3 植物の成長の条件でもある肥料が増えていったと考えられる。

問4問6 図2のグラフにおいて、(あ)は明るい場所でしか育つことができない陽樹、(い)はうす暗い中でも成長できる陰樹にあたる。森林が形成されていく過程で、最終的には陰樹の森林になる。これを極相林と呼ぶ。

問7 光がない状態では、「呼吸」のみを行う。このとき吸収する気体は「酸素」。

問8 グラフにおいて、二酸化炭素の放出量より吸収量が多い光の強さであれば成長できる

問9 グラフより、fの光の強さにおいては(あ)の陽樹の方が二酸化炭素の吸収量が多いので、多くのでんぷんを作ると考えられる。

 

森林内の植物に関する出題。最大のポイントは光の強さと二酸化炭素の吸収・放出量を表したグラフ(補償点のグラフ)の読み取り。このグラフの読み取りは中学入試において頻出であり、非常に重要である。理解を深めて欲しい。

【大問3】化学 水溶液の性質と中和反応

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

問1 酸性の水溶液についての選択問題。マグネシウムや亜鉛は強酸性である塩酸に溶けるが、すべての酸性の水溶液に溶けるわけではないことに注意。

問2 ヨーグルトは酸性、セッケン水はアルカリ性。

問3 問題文中の「pHが1小さくなると、酸性の度合いは10倍になります。」より、

     pHが2小さくなると、10×10 より、酸性の度合いは100倍になる。

問4 (1)問題文より、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が2:1であるとき完全に中和する。塩酸80㎤と水酸化ナトリウム水溶液40㎤で中和するので、水酸化ナトリウム水溶液が10㎤あまり、アルカリ性となる。

     (2)うすめた水溶液に含まれる水酸化ナトリウム水溶液は7.5㎤。これと完全に中和する塩酸は15㎤なので、塩酸が5㎤あまり、酸性となる。

     (3)1.2g×3/4より、0.9gの食塩が残る。あまった塩酸に溶けている塩化水素は気体なので、固体としては残らない。

問5 中和に関する選択問題。アルカリ性を中和させるものは空気中の水蒸気ではなく二酸化炭素。

 

水溶液の性質と中和反応に関する出題。中和に関する計算問題も含まれているが、基本的な内容で難問ではない。pHの値に関しては問題文をしっかり読み取ること。

【大問4】物理 力のつり合い

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

問1 左回りの回転力は2×50+1×100 より200。200÷4 より、9の位置に50gをつり下げればよい。

問2 支点の位置を7にすると、左回りの回転力は4×50+3×100 より500。500÷2=250 より、9の位置にさらに200gをつりさげればよい。

問3 右回りの回転力は2×100 より200。200÷8 より、9の位置のばねばかりは25gを示す。

問4 図2より、○と▲の重さの比は8:3。図3において、支点の左側と右側のおもりの重さの比は、8+3:3=11:3。従って、xとyの比を3:11にすればよい。

問5 ▲×5=□×3 より、▲と□の重さの比は3:5。連比を取ると、○と□の重さの比は8:5 となる。

問6 カップの重さよりも浮力の大きさが大きくなる。カップは上に浮かぼうとするので、下向きに力を加えればよい。

問7 カップに水を入れていくに従って重さと浮力が近づいてくるので、下向きの力は小さくしていく。重さと浮力が同じになると、その後は重さの方が浮力より大きくなるので、カップに加える力は上向きにする必要がある。

 

力のつり合いに関する出題。問5までは棒のつり合い、問6以降は浮力がテーマ。棒のつり合いは計算問題が中心だが、浮力の問題には計算問題が含まれていない。

攻略のポイント

本校理科の問題は、塾のテキストや問題集等で学習していれば正答できる基本~標準レベルの問題が中心である。出題形式としては、リード文や図・グラフ等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を確実に身につけることがあげられる。その上で、実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要がある。また、簡単な計算問題の練習も行って欲しい。

年度によっては時事的な知識を問う問題も見られる。本年度も、人類の月面探査についての出題が見られた。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められ、直前期での時事問題対策も必須となる。

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