鎌倉学園中学校 入試対策
2018年度「鎌倉学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題の構成
小説の読解1題と論説文(論説的随筆文)の読解1題と漢字の読み書きという、大きくは大問3つの構成が続いている。
素材文は計8500~9000字ほど、総解答数は40~45問程度である。
設問は選択肢と書き抜きが多く、50~60字の記述問題が1題含まれている。記述問題は年度により、小説の読解で出される場合と論説文の読解で出される場合とがある。また、試験の最後にクイズ形式の言葉の知識の問題が出されているのも特徴と言える。
素材文の内容については、小学校が舞台だったり、学生向けに平易な言葉遣いをしてあったりと、受験生の年齢を考慮した難しさになっているので読みやすい。
小説の読解
例年、5000字強ほどの字数の文章が用いられている。読解と合わせて慣用句などのことばの知識の問題も出されている。2018年度ではこちらで記述問題が出されている。
素材文の内容も設問の内容も無理に難しく設定されてはいないので、適切な読解力があれば十分な得点が期待できる。
文学的文章の読解の技術を高めよう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
論説文の読解
3000~3500字ほどの文量の文章が使われている。ジャンルとしてはここ数年は人文科学からの文章が多いようである。絵画を描くことの勧め(2017年度)や和歌から短歌への変遷(2018年度)といったテーマの文章が用いられている。自然科学・特に物理学などの難解な用語が使われる文章ではないので、理科系が苦手な人にも読みやすい文章が多い印象である。2017年度ではこちらの分野で記述問題が出題された。
論理的な文章の読解のコツをつかんでおこう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
選択肢問題
選択肢1つが3~4行にも及ぶものがある。文が長ければ見落としもしやすくなるので、しっかり読み切る注意力が必要となる。文中に述べられていることかどうか、細かい文言の違いに惑わされずに見分ける力を類似問題をこなして身に付けておこう。
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2018年度「鎌倉学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は44問。最初と最後の漢字・熟語の問題をまずは片づけて、読解問題に取り掛かる。8500字ほどの本文と字数の多い選択肢で、読む分量は多くなるのでスピードが必要である。
記述問題は1問だけなので、記述問題が含まれている方の読解問題を後回しにするとよいかもしれない。
【大問1】・【大問2】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
「台頭」は意外に思い浮かばなかった人もいたかもしれない。全体としては難問ではないので、9~10問は正解したい。
【大問3】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
脚の怪我をきっかけにクラスで孤立してしまった主人公は、同じようにクラスで仲間外れにされている由香と二人で、縄とびの回し手を押し付けられてしまう。
問一 縄の回し手の二人は「息が合う」ことが大事である。
問二 C.クラスの中心人物である万理が何か言うと、ご機嫌取りの仲間が「間髪を入れず=すかさず」合いの手を入れるのである。
問四 脚に不自由がある主人公と運動が苦手な由香という二人の外れ者に回し手を押し付けることが、クラス中の暗黙の了解になってしまっていたのである。
問五 まず、恵美が縄跳びを跳べないことは万理をはじめクラス中がとっくにわかっている。それを恵美本人にわざと確認しているのだから、意地悪以外の何物でもない。「友だちにたずね」たのではないから、イは間違い。
問六 少しあとでグリップを握ることが「歯を食いしばる代わりになる」と書いてある。辛いことに耐えている様子である。
問七 由香の「申し訳なさそうな」態度と違って、主人公は万理の意地悪に対して「黙ってそっぽを向いた」と反抗的に対応している。
問八 堀田の空欄C直後の発言は万理のご機嫌を取ってはいるが、主人公や由香を直接攻撃しているわけではない。そんな堀田であるから、主人公と由香をあからさまに仲間外れにしようという万理の発言には、同調できなかったものと思われる。
問十 「なんで気をつかって慰めてるんだろう」と自分で「苦笑」している点から考える。発言は本心で撤回するつもりもないが、別にそのことで由香を傷つける意図は無いのである。
問十一 「思わずそっぽを向いて」いるのは、「おめでとう」と言われたことで何かしらの感情が顔に出て由香に見られることを避けたのだと思われる。その後、覚悟を決めるような動作をしてから一緒に練習しようと申し出ているのは、先の「感情」の結果であろう。
【大問4】論説的随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
和歌から短歌へと変化した経緯を説明している。
問二 目くじらを立てる――目を吊り上げて人の粗探しをする。
問五 「反論したくなるのをグッと押さえ」ているので、不満はあるようだが、形式的・表面的には差が無いので仕方ないと思っている。
問六 学問のような堅苦しいものから、身の回りのささやかなものを自由に表現してよいものへと変わっていった。そのことを衣服に例えて述べている1文がある。
問八 直後に「自分の心情をさらけ出せなかった」とある。様式・形式ばかりに気を取られ、気持ちが十分に表現できていないのである。
問十一 直後に「リズミカル」や「良い言葉のリズム」などの言葉がある。短歌の定型が、会話のようなありふれた言葉にもリズムをもたらす例を示したのである。
問十二 少し後で、定型には「適度の緊張感」があり、「ルーズ(だらしない)になりすぎない」と述べている。ここは選択肢イの「ほどよい制約」にあたるだろう。
問十三 「驚クマイカ」は三句目で字余りになっているが、ある狙いをもって「あえて」字余りにしていると説明している部分があるので、そこを使う。
【大問5】熟語
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
漢字を入れ替えても成立する2字熟語。わかりやすい方でまず考えればよい。
1 質素――素質
2 実現――現実
3 規定――定規(じょうぎ)
4 利便(性)――便利
5 室温――温室
攻略のポイント
8500~9000字の文章量と選択肢の文量と、読む量は多くなるのでスピードをつけておこう。
選択肢問題がポイントになりそうなので、本文との一致や相違を正確に読めるように、類似問題を多くこなしてコツをつかんでおきたい。
漢字や熟語の問題も、合わせると配点の2割を占めるのでおろそかにできない。過去問でも全問正解できるくらいの力を持って、試験本番でも得点を稼ぎたい。
記述問題は文中の重要点をまとめて答えにできるパターンなので、50~60字で心情や要旨をまとめる練習を繰り返して慣れておこう。
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