鎌倉学園中学校 入試対策
2019年度「鎌倉学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題の構成
小説の読解1題と論説文(論説的随筆文)の読解1題と漢字の読み書きという、大きくは大問3つの構成が続いている。
素材文は計8500~9000字ほど、総解答数は40~45問程度である。
設問は選択肢と書き抜きが多く、50~60字の記述問題が1題含まれている。記述問題は年度により、小説の読解で出される場合と論説文の読解で出される場合とがある。また、試験の最後にクイズ形式の言葉の知識の問題が出されているのも特徴と言える。
素材文の内容については、小学校が舞台だったり、学生向けに平易な言葉遣いをしてあったりと、受験生の年齢を考慮した難しさになっているので読みやすい。
小説の読解
例年、5000字強ほどの字数の文章が用いられている。読解と合わせて慣用句などのことばの知識の問題も出されている。2018年度ではこちらで記述問題が出されている。
素材文の内容も設問の内容も無理に難しく設定されてはいないので、適切な読解力があれば十分な得点が期待できる。
文学的文章の読解の技術を高めよう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
論説文の読解
3000~3500字ほどの文量の文章が使われている。ジャンルとしてはここ数年、は人文科学からの文章が多いようである。和歌から短歌への変遷(2018年度)やことわざによる思考の体系化といったテーマの文章が用いられている。自然科学・特に物理学などの難解な用語が使われる文章ではないので、理科系が苦手な人にも読みやすい文章が多い印象である。2019年度ではこちらの分野で記述問題が出題された。
論理的な文章の読解のコツをつかんでおこう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
選択肢問題
選択肢1つが3~4行にも及ぶものがある。文が長ければ見落としもしやすくなるので、しっかり読み切る注意力が必要となる。文中に述べられていることかどうか、細かい文言の違いに惑わされずに見分ける力を、類似問題をこなして身に付けておこう。
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2019年度「鎌倉学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は49問。最初と最後の漢字・熟語の問題をまずは片づけて、読解問題に取り掛かる。8000字ほどの本文と字数の多い選択肢で、読む分量は多くなるのでスピードが必要である。
記述問題は1問だけなので、記述問題が含まれている方の読解問題を後回しにするとよいかもしれない。
【大問一】【大問二】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
【大問一】漢字の読み
1. ようさん 2. ちょめい 3. おくがい 4. こころ(みる) 5. え(る)
【大問二】漢字の書き取り
1. 策略 2. 故障 3. 遺失物 4. (学問などを)究める 5. 束ねる
【大問三】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
母親の仕事の都合で祖父と二人で暮らすことになった主人公は、母親と離れて暮らす寂しさを感じていたが、祖父の暖かい態度にありがたみを感じ安心感を覚える。
問一 1. 宵の口――夜になり始めたころ。
2. きびすを返す――進行方向を逆に変える。
3. おもむろに――ゆっくりと。「急に・突然」と思い違いしている人が多い。
問二 十二年でひとまわり、と説明されているので十二支・干支(えと)のことである。
問三 「仕事」は音訓読み。アとエは音音読み、イは訓訓読みである。
問四 半日休みを取って二人でゆっくり過ごした去年までの誕生日とは違い、離れて暮らし仕事も忙しそうで合う時間も少ないという「温かみ」の「無さ」が、仕事帰りに買ってきたのであろう人気店のしゃれたケーキに象徴されていると考えられるので、選択肢イを選ぶ。去年との違いが含まれている選択肢エを選んだ人もいたと思われるが「もの足りなかった」は当たらない。
問五 問四で考察したように去年との違いを不満に思ってはいるが、それでも母親が帰ってしまうのはさびしいと思っている様子であるから、選択肢アが良い。
問六 それまでのおじいさんの「あ、ああ」というそっけない返事の仕方に注目。文中に特におばあさんと「母さん」の間でなにかわだかまりがあったことを予想させる部分がある。また、主人公がおじいさんとほぼ初対面だったことなどからも、おじいさんと「母さん」もあまりうまくいっていなかったことが読み取れる。それが思いがけず優しい言葉をかけられたので、「母さん」は少し驚いているのである。
問七 母親には正直に言えなかったスイカのことをおじいさんが言い出したり、二人でスイカを同じように食べたりしたことで、おじいさんと男として気持ちが通じ合った気がして「いっぱしの大人になった気分」にもなった。そうしたことで、おじいさんと二人の生活に気持ちが前向きになっているのだと思われる。
問九 おじいさんの言葉は、一人で暮らしていたときの家のさびしい雰囲気が、「ぼく」が来たことによって明るくなったということを言いたいようである。
問十 「カレンダーに誕生日のしるしがしてあった」でちょうど字数になる。
問十二 ケーキを食べている場面で「空はようやく夜の色になった」とあるので、しばらく時間が経ったことがわかる。
問十三 ア. 「行き場のない境遇」ではない。
ウ. 味覚で心情が描かれてはいない。
エ. あつれきがあったらしいことはほのめかされているが「中心」ではない。
オ. 「不思議な共同生活」ではない。
【大問四】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:21分
ことわざは具体的経験を抽象化・定型化し、思考を整理して体系化するのに役立つと述べている。
問一 B. 「おもしろくない」どころか・むしろ「うとましい」。
問二 C. 「距離が遠くてはっきり見えない」状況だとすべての女性がきれいにみえてしまうという意味の、「夜目、遠目、傘の内」。
E. 満を持して――十分に準備をしたうえで。
問三 外国「語」について訊かれた問題なので、「海外旅行」に言及しているイではなく、ウを選ぶ。
問四 立派な人であっても近づきになってよく知ると立派でない点も多くあるという意味であろうから、エがよい。
問七 「つぎつぎ勤めを変えている」理由として他人のものはよく見えるという「習性」を表す「隣の花は赤い」が選べる。しかし、これだけではその「害」に「思い至るのは無理だろう」から(問八へ続く)。
問八 「ころがる石はコケをつけない(収入が上がらない)」という「害」を表したパターンをかぶせるとわかるようになるのである。
問九 ことわざは「具体的経験」を「整理して、公式化」するという過程を経て出来上がる。これを「高度の定理化」と表現している。
問十 「自分だけのことわざの世界」が「思考の体系」をつくることにつながることが述べられている。
問十一 ことわざが「具体例を抽象化し定型化した」もので、それが個人の「思考の体系」を形作ると述べているので、アが合う。
問十二 少し考えて、具体例を思いついたことわざを選べばよい。
【大問五】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:3分
A横―他力本願 B横―枝葉末節 C縦―本末転倒 DE縦― 一期一会
G横―心機一転 FH縦―疑心暗鬼 I横―半信半疑 J縦―音信不通
攻略のポイント
8500~9000字の文章量と選択肢の文量と、読む量は多くなるのでスピードをつけておこう。
選択肢問題がポイントになりそうなので、本文との一致や相違を正確に読めるように、類似問題を多くこなしてコツをつかんでおきたい。
漢字や熟語の問題も、合わせると配点の2割を占めるのでおろそかにできない。過去問でも全問正解できるくらいの力を持って、試験本番でも得点を稼ぎたい。
記述問題は文中の重要点をまとめて答えにできるパターンなので、50~60字で心情や要旨をまとめる練習を繰り返して慣れておこう。
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