慶應義塾普通部 入試対策
2014年度「慶應義塾普通部の理科」
攻略のための学習方法
[答案作成]
慶應普通部の理科の学習としては、まずは基本的な理科のカリキュラムを終えよう。そのうえで、他校にない特徴的な設問に対応できる能力を磨いていこう。気をつけたいのは、以下の3点になる。
1点目は、「答案作成の速度と精度」を磨いておきたい。
カリキュラムがまだ終わっていない段階では、志望者は設問が「解けるか/解けないか」に注目し、一喜一憂しがちだ。慶応普通部の志望者は、解答の速度と精度について、早い段階から意識したい。「作業の早さ」と「ミスの少なさ」は、時間制限の緊張のなかで答案を作成する経験からしか身につかない。過去問の演習の時は、しっかりと時間を計りたい。
また合わせて、判断力も磨いておこう。「解答の速度と精度」は、あくまで「解ける問題」についての能力だ。過去問を解きはじめると、それまでの模試とはまったく異なる得点になる生徒がいる。その原因のひとつは、「解けない問題」に動揺してしまうことにある。
判断力を磨くことで、「解ける問題」と「解けるが時間がかかりそうな問題」と「解けない問題」を、まずは分類できるようになりたい。そのうえで、「解けない問題」と出会った場合でも、「合格点が取れる答案に仕あげる」ように訓練していこう。
[知識]
2点目は、「知識」。言葉と絵を合わせて覚えたい。
絵にまつわる設問は、生物分野が定番だが、今年は地学分野からも出題された。
中学入試のカリキュラムは、短い期間に膨大な知識を暗記しなければいけないため、どうしても暗記が機械的になる誘惑がある。「言葉を知っていて」も、「絵がわからない」生徒がいる。これを避けるためには、志望者は早い段階から計画的に学習を進めていきたい。
副教材の、資料集や図版は、必ず目を通し、言葉と絵を合わせて覚える習慣をつけておけば、のちのち楽になるはずだ。
[記述問題]
3つ目は、「記述問題」に慣れたい。
例えば、【大問2】の(設問1)。
身近にある自然現象がなぜ起こるのか、すでに学習した理科のさまざまな法則を当てはめて、説明することが求められている。
具体的には、地学分野から「丘では水流が穏やかになる」ことを、生物分野から「稲は成長に多くの水を必要とする」ことを、思い当たるだろうか。ふたつの知識を合わせて、言葉で記述できれば正答となる。
志望者は日頃から、身のまわりの自然現象を、理科の言葉で説明してみよう。
記述問題は、意識して対応していかなければ、なかなか解けるようにならない。
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2014年度「慶應義塾普通部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は、今年は4問。例年、4問から5問で構成される。短時間で多くの設問に取り組ませる構成だ。
受験者は例年、試験時間30分で、30個以上の空欄を埋めなければならない。わかりやすく言えば、「1つの空欄に、1分以上はかけられない」ことが、慶應普通部の理科の最大の特徴となっている。見直しのための時間の余裕はなく、わかる設問から、駆け抜けるように解答していくことになる。わからない設問で立ち止まることのないように、答案作成の方針を徹底して身につけておきたい。
解答は、数字や記号をそのまま答えさせる「短答」、理由を述べる「記述」、そして絵を描かせる「素描」がある。
【大問1】 化学分野
- 時間配分:6分
化学分野から「水溶液の性質」「中和と熱」単元が出題された。目安時間は6分以内だ。
(設問3)記述問題で、「比例」という言葉がまずは思い浮かぶようになっておきたい。
(設問4)思考問題で、あまり典型的ではない問われ方をしている。すぐに解答が思い浮かばなかった場合は、後回しにできる判断力が必要だ。ここで立ち止まって数分を浪費してしまうと、のちのち苦しくなる。
【問2】生物分野
生物分野から「植物の成長」単元が出題された。目安時間は6分以内だ。
(設問1)記述問題で、身の周りの自然現象を、理科の知識を用いて説明させる。
(設問3)基本的な植物の絵を、描けるようになっておこう。
(設問5)身のまわりの物事から、受験者の一般教養を問うている。
<時間配分目安: 6分>
【問3】物理分野
物理分野から「光の性質」単元が出題された。目安時間は8分以内だ。
設問文を丁寧に読みこまなけばいけないので、時間のかけすぎに注意したい。受験者はきちんと図式を書けるようになっておきたい。
「鏡の反射と、見える位置」は、中学入試の典型的な設問だが、ここではそこにひとひねりを加えた形で出題されている。
<時間配分目安: 8分>
【問4】地学分野
地学分野から「川の流れと大地の変化」単元が出題された。目安時間は8分以内だ。
さまざまな図表を読みとる能力が求められていることに注目したい。受験者は、同じ単元でも、複数の参考書に目を通しておくとよいだろう。図表の描き方が変わっても、すぐに対応できる能力を養っておきたい。
(設問8)地学分野からも、絵を描く設問が登場している。
<時間配分目安: 8分>
攻略のポイント
慶應普通部の理科で、合否を決めるのは「答案を作る速度と精度」になる。
設問は、難問がほぼなく、標準的な難易度で構成されている。一問一問に限ってみれば、受験生の間に得点の差は生まれないはずだ。
したがって「難しい設問が解ける」ことは決定的ではなく、「解答の速度と精度」が決定的な能力になる。
多くの設問を、時間内に素早く解くことと、ミスのないように正確に解けることが、大事になる。
全体としての答案をいかに仕上げるか、時間配分と判断力を養っておきたい。
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