中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
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慶應義塾普通部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「慶應義塾普通部の理科」
攻略のための学習方法

[家庭環境と教養]
教科書の理科の知識だけではなく、志望者の教養を問おうとする設問がある。このような設問は、志望者の家庭環境を試すものと考えられる。
例えば、【大問1】の(6)から(7)は、身近にある食物を題材にしている。正答するためには、教科書だけではなく、図鑑・資料・実体験によって、知識を獲得していくことが理想となる。
現代社会においては、子どもが自然と触れあう機会は減少している。中学受験で忙しくはあるが、家事手伝いや野外活動などで、実物を通して学習する機会を、確保しておきたい。

[記述の訓練]
慶応普通部では、記述形式の設問が出題され、独自の対策が必要となる。記述形式の設問は、理科ではあまり出題されない。受験本番の設問だけではなく、教科書や問題集や模試にも、そもそも記述形式の設問の比率は高くはない。したがって、放っておくと、志望者の記述力は、伸びないままになる恐れがある。
例えば、【大問3】の(3)と(6)は、要点を短くまとめて記述できる能力が求められている。このような能力は、一問一答形式の設問だけを演習していても、身につかない。
そこで、本校の志望者は、記述形式の設問があれば、積極的に解く経験を積んでおきたい。採点については、自己採点では甘さが残るかもしれないし、集団授業の先生では対応に限界があるかもしれないので、もし不安があれば、家庭教師に依頼しよう。細かな添削指導が期待できる。

[計算の工夫]
計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。
まずは、試験時間30分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多いので、単純に手を素早く動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。
また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。
最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。
志望者に求められる計算力としては、本校において、【大問4】の計算問題が、基準になるだろう。過去問の演習において、時間が足りなくなってしまったり、計算式が立てられても計算結果を間違えてしまった場合は、計算力を改善しておきたい。

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2016年度「慶應義塾普通部の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は30分で、得点は100点満点だ。大問数は4問で、分野ごとに整理して出題される。設問数は34問で、そのうちには短い記述形式の設問も含まれている。一問一問を素早く解いていく、手作業の早い受験者が有利になる試験構成だ。

【大問1】 生物分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

単元:植物の観察
内容:身近な植物の知識が問われており、きちんと観察をしていれば、対応できる難易度だ。断片化された知識ではなく、図鑑のように整理された知識が要求されている。
形式:典型的な一問一答形式だが、絵や図式から判断させる設問に特徴がある。
(2)から(5)花の名前だけではなく、きちんと色や形まで、覚えておく必要がある。教科書だけではなく、図鑑などの資料を積極的に活用しておこう。
(6)から(7)このような設問は、受験者の家庭環境や一般教養を問おうとしているのだろう。

【大問2】化学分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

単元:水溶液の性質
内容:小学校の理科に登場する基本的な水溶液が問われている。難易度は標準で、受験者同士には差がつかないだろう。
形式:一問一答形式だ。時間を稼ぐつもりで、素早く解答していきたい。
(1)実験の結果によって、水溶液を判断する設問だ。消去法では正答できないので、ひとつひとつの水溶液の知識をていねいに覚えておきたい。

【大問3】地学分野からの出題

  • 難度:
  • 時間配分:7分

単元:地形図、大地の性質
内容:地形図の読み取りと、大地を構成する物質についての知識が問われている。ここでも、言葉の丸暗記ではなく、図鑑による学習が有効になるだろう。
形式:一問一答形式に加えて、短い記述形式の設問がある。
(1)地形図の読み取りができるようになっておきたい。同じ教科書にある同じ地形図だけではなく、異なる描き方をされている複数の資料に触れておくとよいだろう。

【大問4】物理分野からの出題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

単元:浮力
内容:浮力を題材にした計算が連続して問われている。難易度は標準だが、計算の数値は細かい。見直しの時間を考慮すると、本番は余裕があるとは思えない。計算の速度と精度を上げておきたい。
形式:一問一答形式に加えて、細かな計算問題がある。
(6)受験本番までに獲得しておくべき計算力の基準となる設問だ。正答できなかった受験者は、計算力を改善しておきたい。

攻略のポイント

全体として、丁寧に作業できる受験者が有利な試験構成だ。他人が解けない難問を解いて差をつけるのではなく、むしろ、どれだけ失点しないかを意識したい。言いかえれば、受験本番では、解法がわからない設問があってはいけない。知識に抜けがないか、確認しておきたい。
そこから先は、短い30分という時間で、答案を仕上げていく能力で合否が決まるだろう。したがって、過去問の演習量は、他校よりも多めに設定しておきたい。一問一問を解くというよりは、答案全体の完成度を上げるという心構えで取り組もう。

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