慶應義塾普通部 入試対策
2018年度「慶應義塾普通部の理科」
攻略のための学習方法
家庭環境と教養
教科書の理科の知識だけではなく、志望者の教養も合わせて問おうとする設問がある。このような設問は、慶応系列校では頻出となっている。出題の背景として考えられるのは、学校側の生徒選抜の方針として、志望者の家庭環境を試そうとしている点だろう。
例えば、【大問3】は、小学生の身近にある生物を題材にしている。日頃から科学への興味を養い、積極的にまわりの環境を観察しているかが問われている。
また、【大問5】の(問5)から(問7)にかけては、中学受験の典型的な設問ではなく、理科の広範囲の教養を求めている。正答するためには、教科書だけではなく、図鑑・資料・実体験によって、知識を獲得していくことが理想となる。
中学受験で忙しくはあるが、家事手伝いや野外活動などにも積極的に参加して、実物を通して学習する機会を、確保しておきたい。
さらに、経験豊富な家庭教師に依頼すれば、小手先の受験技術ではなく、広く科学への興味を拓く授業も、オーダーメイドで作成できる。
記述の訓練
慶応普通部では、記述形式の設問が出題され、独自の対策が必要となる。
記述形式の設問は、中学受験の理科では、主流ではない。本番の入試問題に限らず、教科書・問題集・模試などにおいても、記述形式の設問の比率は、そもそも高くない。
以上のようなカリキュラムを考えると、志望者の記述力は、放っておいても、伸びないので、独自の対策が求められる。
例えば、【大問4】の(問1)は、要点を短くまとめて記述できる能力が求められている。このような能力は、一問一答形式の設問だけを演習していても、身につかない。
そこで、本校の志望者は、記述形式の設問があれば、積極的に解く経験を積んでおきたい。採点については、自己採点では甘さが残るかもしれないし、集団授業の先生では対応に限界があるかもしれないので、もし不安があれば、家庭教師に依頼しよう。細かな添削指導が期待できる。
苦手分野の克服
苦手分野を残さないように、演習の量を確保しておきたい。さらに、演習には、さまざまな教材を用いたい。ひとつの教材だけで学習し続けるのは、おすすめできない。
慶応普通部の過去問に、一度でも挑戦すれば、あらゆる設問形式が用意されていることに、志望者は気づくはずだ。問われている内容は、いずれも標準的な難易度で、小学生の理科の範囲を、逸脱しているわけではない。しかし、志望者の得点は、伸び悩む。その原因として、1つの知識が、さまざまな角度から問われている点に注目しよう。
問われ方が変わっても、対応できるだけの演習量が、求められている。特に、テストごとに、理科の得点が乱高下し、不安定になってしまっている志望者は、気をつけたい。
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2018年度「慶應義塾普通部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は30分で、得点は100点満点だ。大問数は全5問で、短答式の大問が2つ、記述型の体問が3つ、に分かれている。
設問数は45問で、そのうちには短い記述形式の設問も含まれている。一問一問を素早く解いていく、手作業の早い受験者が有利になる試験構成だ。
【大問1】 分野総合
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
分野を問わず、理科実験の正しい理解が、問われている。
本校の出題傾向としては、教科書の知識よりも、生徒の実体験を重視している。
いずれの実験器具も、小学生が手軽に使用できるものなので、学校授業や理科教室などで、触れておきたい。
【大問2】分野総合
- 難度:難
- 時間配分:5分
分野を問わず、理科実験の正しい理解が、問われている。
大問1と似ているが、こちらは実験を時系列の順番で並べられるかが、問われている。ただ知識を暗記しているのではなく、生徒ひとりで実際に作業ができるかどうか、確認しておきたい。
なお、難易度はかなり高めに設定してあるので、正答率は低かったはずだ。
【大問3】生物(生物の観察)
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問2 小学生の早い段階から、図鑑を利用して、理科の知識を増やしておきたい。
問4 絵を描かせる設問だ。
問6 データの設問だ。目に見える世界が、どのようにデータへ反映されるのか、理解する能力が求められている。データを用いた設問は、今後も増加が予想されるので、しっかりと演習問題を選んでおこう。
【大問4】物理(大気と圧力)
- 難度:易
- 時間配分:7分
問5 記述の設問だ。慶応普通部は、計算問題を難しくすることでは、生徒を選別していない。むしろ、科学法則を自らの言葉で述べられるかどうか、言語能力を重視している。したがって、演習問題として、むやみに難しい計算問題に挑戦する必要はない。
【大問5】生物(生命と環境)
- 難度:標準
- 時間配分:6分
問1から3 慶応普通部では頻出の、細かな知識を確認する設問だ。ひとつひとつの動物をきちんと覚えておかないと、得点できないようになっており、消去法でいい加減に学習してきた受験者は、失点するように設問されている。
問4 絵を描かせる設問だ。
問7 日本にまつわる問題だ。グローバル化が進むなかで、日本独自の価値を再発見する設問は、今後も増えていくと思われる。
攻略のポイント
全体として、丁寧に作業できる受験者が有利な試験構成だ。他人が解けない難問を解いて差をつけるのではなく、むしろ、どれだけ失点しないかを意識したい。言いかえれば、受験本番では、解法がわからない設問があってはいけない。知識に抜けがないか、確認しておきたい。
そこから先は、短い30分という時間で、答案を仕上げていく能力で合否が決まるだろう。したがって、過去問の演習量は、他校よりも多めに設定しておきたい。一問一問を解くというよりは、答案全体の完成度を上げるという心構えで取り組もう。
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