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慶應義塾中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2026年度「慶應義塾中等部の国語」
攻略のための学習方法

知識

何度も述べてきたが、慶應は「知識」が合格を左右する。ましてや「中等部」ではなおさらだ。ありとあらゆる「知識」が求められ、出題される。そうなると当然、一朝一夕には身につかないので、地道な努力が必要となる。
先ず「語彙力」。日々の積み重ねあるのみ。塾での「小テスト」等を確実にこなし、もし間違ったものがあれば、必ず書き出して覚えるようにする。「漢字の読み書き」だけではなく、「同音異義語」「同訓異字」「類義語」「対義語」、また、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「故事成語」や「分かりづらい言葉の意味」等も押さえておきたい。

また、過去問や演習問題を実施する場合、問題文中の語彙で「読み・書き・意味」のいずれかがあいまいなものがあったら、書き出して自分なりの「言葉ノート」を作成しておくといい。そこには自分が分からない言葉が蓄積されていくので、折に触れ確認し定着させていく。入試当日に持っていけば、「お守り」にもなる

これらの「語彙」は様々な形式で多数出題されるし、「記述」の際にも重要だ。字数制限の中でいかに的確な「言葉」を用いるかが勝負となるからだ。最終段階では、問題集等で何度も確認しておくこと。そして、「文学史」「韻文」への対策は前述した通り。

さらに、「文法」。塾でも学習しているはずだが、定着していない受験生が多い。直接出題されるだけではなく、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に正しい文でなければ減点されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の用法を確実に定着させておくことが重要だ。

速読

大学入試にも匹敵する分量の問題文を読まなくてはならない。大問4題で5000~6000字程度。解答時間は45分しかない。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから通常の「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているのでしっかりと読み、「本論」は「段落相互関係」に注目しながら各形式段落の「最初と最後」を中心に読み進める。

「小説」「随筆」は「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。これらのコツは塾でも教えてくれるはずだし、自分から聞いてみるといった積極性も求められる。

その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。「中等部」に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速650字以上(できれば700字近く)で「速読」できるようにしておきたい

解法

「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

たとえば、塾での練習問題。答え合わせをして解説を聞いて納得した。以上終了ではダメだ。必ず「考え方」の道筋をなぞっておくことが重要。特に、間違った問題は宝の山だ。「解き方の過程」のどこで誤ってしまったのか? その分かれ道をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことが、同じ間違いを繰り返さない秘訣。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方の過程」を身につけたい。それが「解法」となる。

そうして理解、習得したものを書きとめた自分なりの「解法ノート」を作成しておく。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

記述

出題数は少ないが、準備をしておく必要はある。先ずは「文を記す」ことに慣れること。最初は時間がかかってもいい。いやがらずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」等、正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことが正確に伝わっているかどうかを確認しなくてはいけない。

では、何を「書く」のか? 読解の練習問題にある「記述設問」はもちろんだが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。50~60字程度で書いてみる。無論、内容は先生に確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一石二鳥だ。

次の段階としては「字数の感覚」を身につけること。書こうとしている内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要になる。その際、10~20字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要なポイント」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしているポイントがその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。

ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要ポイント」を文末にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく。「中等部」の場合、「最重要ポイント」+ひとつの「必要な要素」が目安だ。

意識

いつ何時も、何かを「意識」しながら学習することが大切だ。無意識に机に向っていても無意味だ。その時々、何を目的として学習しているのか、具体的に「意識」し続けていることが重要。

そうして何かを「意識」することができるようになったら、次は同時にいくつかのことを「意識」するようにしたい。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」している必要がある。

45分という時間で解き進めていかなくてはならない「中等部」では、ひとつのミスが致命的になる。入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。常に「意識」しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ

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2026年度「慶應義塾中等部の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「小説」、出典は吉野万理子「うちのクラスに天才子役」(文字数約3100字)。小問は全8問(解答数9)。「選択肢」(「空所補充」、「総合的知識問題」あり)、「抜き出し」(1問)、「内容説明記述」(1問、「25~30字以内」指定)。問題文は4分強で読み切り、設問を15分弱で解きたい。
大問は「論説文」、出典未記載(文字数約2600字)。小問は全6問(解答数16)。「選択肢」のみ(「空所補充」、「総合的知識問題」あり)。問題文は3分程度で読み切り、設問を12分ほどで解きたい。
大問は「総合的知識問題」。小問なし(解答数5)。「選択肢」のみ(四字熟語)。4分程度で解きたい。
大問も「総合的知識問題」(語句の用法)、小問なし(解答数5)。「選択肢」のみ。4分ほどで終えたい。
大問は「漢字の書きとり」(全15問)。3分弱で丁寧に記したい。

【大問1】小説

  • 時間配分:19分

ある学校の、あるクラスに通う子どもたちを主人公にした、短編集の1篇。6年A組の転校生は、ドラマに映画に大活躍の、超人気俳優――「あーあ、そんな有名人がきたら、おれの時代もここまでだな」「どうせ学校行事になんて興味ないんでしょ」などなど、顔にも口にも出せないけれど、心のなかにはいろんな思いがあるようで……。本文では、「おれ」は「人気子役」である「小路(しょうじ)」ねたんでいたが、運動会の「リレー」で転び、本気で悔し泣きをする「小路」の姿を見て、「彼」は何事にも「いっしょうけんめいな人間」なのだと、認識を改める姿が描かれている。平易な文章なので、内容はすぐに理解できるはずだ。「総合的知識問題」も含めて、本校としては標準レベルの設問が並んでいる。着実に得点を重ねたい大問だ、以下、いくつかを検討する。

[問二] 「象徴換言選択肢」(5択)。
傍線部の「青いハチマキ」が「象徴するもの」を答える。「内容読解」に関する「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「設問」だけで「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。ここは「換言」なので、「青いハチマキ」が「象徴」となる「換言」と直接的に結びつかない「象徴」を「消去」する。各選択肢の「文末」を確認する(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)。ただし、本問では「選択肢」がとても短いので、全体を照合する。(1)「からだのどこにつけてもいいもの」、(2)「熱くて一生懸命なやつ」、(3)「やる気はないですよ、というアピール」、(4)「みんなといっしょのクラス」、(5)「盛り上がっているサイン」。さあ、どうだろうか? 「青い」⇒「青春」⇒「若い」⇒「熱くて元気」……、とつながっていくと結びつくはずだ。よって、「熱くて一生懸命なやつ」以外は「消去」できるに決まっている。念のために「同一場面」をチェックする(「小説・随筆」は「同一場面の直前直後」に根拠あり」が大原則)。他の部分の説明も特に誤ってはいないので、「答え」は(2)になる。実に見事な「一発消去」ではないか。畏るべし! 「原意消去」。無論、「同一場面」を読み解いていっても「正解」にたどり着くのだが、「原意消去」は圧倒的な「ショートカット」だ。完全マスターして活用すべし。
                                   <時間配分目安:2分>

[問四] 「空所補充の色組み合わせ選択肢」(5択)。
本文中の空所に「あてはまるハチマキの色の組み合わせ」を答える。空所前後は「リレーが始まって「三色のハチマキ」をした3人が走っている場面だ。「同一場面」で「状況」を読み取っていきたい。「白と赤の差がかなり開いて」おり、一度は「青が、赤にぐっと近づいた」ものの、また差が開き、「青が圧倒的ビリになってしまい」そうな「状況」が読み取れるはずだ。つまり、白→赤→青の順になっている。よって、その順になっている(5)が「答え」だと特定できなくてはいけない。「同一場面」をいかに正確に読み取れるかがポイントになると心得よ。
                                   <時間配分目安:3分>

[問五] 「心情説明選択肢」(5択)。
傍線部「手拍子だけ合わせる」について、このときの「『おれ』の心理」を答える。先ずは「原意消去」から。ここは「心情説明」なので、「手拍子だけ合わせる」の「原意」と直接的に結びつかない心情を「消去」したい。チェックする。(1)身を削ってまで必死になることには躊躇(ちゅうちょ)している」、(2)「形だけでも合わせてその場を取り繕っている」(3)「(最後に)勝ちたいと欲が出始めている」、(4)「嫌気がさしている」、(5)「自分の組の勝利を願っている」。「手拍子」「だけ」を「合わせる」のだから、「必死になることには躊躇」以外は「消去」になる。念のために「同一場面」をチェックして、他の部分の説明も特に誤ってはいない。よって、「答え」は(1)になる。いま再びの「一発消去」! やはり、「原意消去」を活用すべきだ。無論、「同一場面」を読み解いて「答え」を出すこともできるのだが、とても手間ひまがかかり、しかも紛らわしい。 本校ではやはり、「正確な語彙力」が求められているということだ。尚、「小説」では必ず「心情」が問われる。その際、「セリフ」⇔「ト書き」⇔「動作」⇔「情景」といった具合に多角的に読み取ることが必須だと心得よ。

                                   <時間配分目安:2分>

[問六] 「空所補充の語句選択肢」(全2問。8択。複数完全解答)。「総合的知識問題」。
「語句の知識」だ。本文中の空所に「あてはまる語句」を答える。各選択肢の「語句」は、(1)「人望」・(2)「感性」・(3)「堅実」・(4)「努力」・(5)「迫力」・(6)「才能」・(7)「優雅」・(8)「忍耐」だ。空所前後の「文脈」を正しく読み解いて「語句」を判別していきたい。で、「答え」は、え=(6)の「才能」、お=(4)の「努力」だと特定できなくてはいけない。尚、他の選択肢の「語句」の「意味・用法」も完璧にしておきたい。とにもかくにも、「慶応義塾」では「高度な語彙力」が求められているわけだ。
                                 <時間配分目安:全問で5分>

[問八] 「条件付き内容説明記述」(「25~30字以内」指定)。
傍線部「おれは、ようやく歩き出した」について、ここからは「『おれ』についてどのようなことが読み取れるか」を「二十五字以上三十字以内」で説明する。「条件」は「『~こと。』に続くように説明する」こと。先ずは、「同一場面」の「直前直後」で「状況」をチェックする。小路を誤解していたことに気づき、その場に「立ちつくしていた」「おれ」は、何事にも全力を注ぐ彼の実像にふれ、「ようやく歩き出して」いる。ここからは、未熟な自分を反省し、「新たな自分」に変わろうとする「おれ」の心情がうかがえ、「自分の進むべき道」に気づかせてもらえたことに対する、「おれ」の「小路への深い感謝」を表していると読み解ける。こうした内容を「過不足なく」まとめていきたい。たとえば、「小路のように何事にも全力で取り組もうとやっと決意できたという(こと。)」(30字)といった「答え」だ。尚、「説明記述」では、「最重要要素」を必ず「文末」にしてまとめることが肝要だ。
                                   <時間配分目安:4分>

【大問2】説論文

  • 時間配分:15分

本文では、異なる知見を持ち、さまざまな経験のある人たちが混在する環境に身を置き、刺激を受けることで、既存の概念を打ち破る画期的な発想が生まれ、AIが人間に勝てないクリエイティブな領域に挑むためにも、広い視野と柔軟な心で、異質な他者と出会う機会を持つのがよい、と指摘している。(注)もすれば内容は難なく理解できるはずだ。
「本文内容合致」、「総合的知識問題」等、いかにも本校らしい多種多様な設問が並んでいる。以下、いくつかの設問を確認してみたい。

[問一] 「空所補充の語句選択肢」(全6問。10択)。「総合的知識問題」および「一般常識」。
「語句の知識」だ。本文中の空所に「あてはまる語句」を答える。各空所の「文脈」に応じて「答え」を判別していきたい。確認する。には(3)の「対照」、には(2)の「安定」、には(9)の「同質性」、には(8)の「異質性」、には(4)の「コロナ禍」、には(5)の「忍耐力」だと、それぞれを判別して特定したい。「意味・用法」が紛らわしい語句があるので、十分に注意することが肝要だ。
                                <時間配分目安:全問で4分>

[問二] 「用例判別の不適切選択肢」(5択)。「一般常識」。
傍線部(A)の「言わなくてもわかる文化」の「用例」として、「ふさわしくないもの」を答える。傍線部前後は「以心伝心という言葉の通り、「(A)言わなくてもわかる文化』が根付いている。」となっている。各選択肢の「用例」は、(1)「茶室の亭主と客」・(2)「落語の枕」・(3)「水墨画の余白」・(4)「手紙の文香(ふみこう)」・(5)「雅楽の音色」。さあ、判別できるだろうか? ここでは、「言わなくてはわからない用例」を判別するので、「答え」は(2)の「落語の枕」だと特定できなくてならない。「落語の枕」とは、本編に入る前におこなうもので、落語を聞きやすくするための重要な手法だ。高座全体の入口として観客との距離を縮め、本編への橋渡しを行う役割を担っているので、当然「言わなくてはわからない用例」になる。
                                   <時間配分目安:2分>

[問三] 「人物判別の選択肢」(6択)。「一般常識」。
傍線部(B)の「聖徳太子」、(C)の「夏目漱石」は、かつて「日本の紙幣に使用された人物」だが、この他に「紙幣に使用刺された人物の組み合わせ」を答える。それぞれの「人物」は、(1)「紫式部と大隈重信」・(2)「与謝野晶子と渋沢栄一」・(3)「野口英世と福沢諭吉」・(4)「北里柴三郎と額田王」・(5)「津田梅子と徳川家康」・(6)「緒方洪庵と樋口一葉」だ。「組み合わせ」だということに注意したい(片方だけが「紙幣の人物」ではだめなのだ)。そのことに注意して、「答え」を出すと、(3)の「野口英世=1000円札と福沢諭吉の=10000円札」になる。まあ、これまた「常識」のレベルだ。
                                   <時間配分目安:2分>

[問四] 「換言表現の抜き出し記述」(「10字以内」指定)。
傍線部(D)の「考え方の異なる人同士が混在した環境」を「別の言葉で言いかえた表現」を本文中から「十字以内」を抜き出して答える。「抜き出し設問」では先ず「抜き出し内容」を特定し、「抜き出し範囲」を絞りこんでいくのが鉄則。「内容」は設問のとおりで、「考え方の異なる人同士が混在した環境」の「換言表現」だと分かる。「範囲」は、「同一意味段落」だ(「論説文」では「同一意味段落」に「根拠・手かがかり」がある)。ここでは、本文冒頭から傍線部(D)の形式段落までだと判断できる。少し長いが、丁寧に探していくと、本文冒頭から9行目に「まさに『人種のサラダボール』にどっふり浸かり……」という部分がある。「サラダボール」=「(比喩的に)多くの民族や文化が入り交じった場所。文化が溶け合った状態」だということは周知のはずで、内容も字数もOKだ。念のために、残りの「抜き出し範囲」を確認しても他に「候補」はない。したがって、「答え」は「人種のサラダボール」(9字)になる。「抜き出し設問」では、「抜き出し内容」に即して「抜き出し範囲」を的確に絞り込むことが肝要だ。尚、「候補」はひとつとは限らないので、「範囲」の全てを確認すること。 
                                   <時間配分目安:3分>

[問六] 「本文内容合致正誤判別選択肢」(全6問・各2択)。
示されている(ア)~(カ)の説明について、「本文の内容に合っていれば[1]を、合っていなければ[2]」を記入する。「論説文」や「説明文」の「本文内容合致」は「論旨合致」として、「序論部分」および「結論部分」との照合で判別可能だが、本問のような「小説」では、「本文全て」と照合させる必要があり、とても手間ひまがかかる。よって、「戦術」としては「あとまわし」にする方がいい。無論、「捨て問」でも構わない。念のために、「答え」だけを確認しておく。(ア)=[2]・(イ)=[2]・(ウ)=[1]・(エ)=[2]・(オ)=[2]・(カ)=[1]だ。
                                   <時間配分目安:2分>

【大問3】総合的知識問題

  • 時間配分:4分

「総合的知識問題」。「四字熟語」と「慣用表現」の「空所補充の意味・用法判別選択肢」(全5問)。
示されている(ア)~(カ)の各組において、それぞれ4つの「慣用表現」の空所にあてはまる「漢字一字」を並べ替えると「四字熟語」ができるが、それらの「四字熟語」があてはまる空所を含む例文として、「もっともふさわしいもの」を後の(1)~(7)の中から答える。何やらとてもややこしいが、設問内容を正確に理解することが鍵となる。(ア)~(カ)各組の「慣用表現」を埋めながら、「答え」を特定していく。(ア)①「からすの行 A =「水」、 B く手あまた」=「引」、「青 C 買い」=「田」、 D 思う、故に D あり」=「我」⇒結果として「我田引水」という「四字熟語」ができる⇒「答え」は(6)の「彼の説明は明らかに我田引水で、都合がよい人と言われても仕方がない」。(イ)①「先 A の思いを受け継ぐ」=「代」、「風 B の灯(ともしび)」=「前」、「一を C いて十を知る」=「聞」、 D 練を断ち切る」=「未」⇒結果として「前代未聞」という「四字熟語」ができる⇒「答え」は(4)の「前代未聞の出来事に世間が驚く」。(ウ)①「メンバーを A 新する」=「一」、 B 期の会合を開く」=「同」、「腹 C の部下」=「心」、「名は D を表す」=「体」⇒結果として「一心同体」という「四字熟語」ができる⇒「答え」は(3)の「チームが一心同体になって戦う」。(エ)① A 直な人柄」=「実」、「一度は訪れたい B 勝」=「名」、 C 二の親友」=「無」、 D 史以前の生物」=「有」⇒結果として「有名無実」という「四字熟語」ができる⇒「答え」は(5)の「世間ではよく知られているようだが、所詮有名無実の人のようだ」。(オ)①「日本代表の練習が A 開される」=「公」、「彼を B 目に見てやってほしい」=「大」、 C 気を取り戻す」=「正」、「意見の表 D 」=「明」⇒結果として「公明正大」という「四字熟語」ができる⇒「答え」は(1)の「彼はまっすぐな性格で、公明正大な人だ」。本校では「四字熟語」が必出だ。完璧に定着させておくこと。尚、「故事成語」「ことわざ」等にも精通しておく必要があると心得よ。

【大問4】総合的知識問題

  • 時間配分:4分

「総合的知識問題」。「語句の用法」(全5問。各3択)。
示されている5つの「単語」について、「――している」に「つながるものは」を「――だ」に「つながるものは」を「どちらもつながらないものは」を記入する。それぞれを確認して「答え」を出していく。(ア)「あつあつ(非常にあついさま)」⇒「あつあつだ」=「」。(イ)「さむざむ(いかにも寒そうなさま)」⇒「さむざむしている」=「」。(ウ)「すくすく(元気よく成長させるさま)」⇒「すくすくしている」・「すくすくだ」=「」。(エ)「こなごな(こまかくくだけるさま)」⇒「こなごなだ」=「」。(オ)「いらいら(精神が高ぶるさま)」⇒「いらいらしている」=「」。「オノマトペ」も本校では頻出だ。注意したい。

【大問5】漢字の書きとり

  • 時間配分:3分

「漢字の書きとり」(全15問)。
近年は従前より難易度が高くなってきている。本年度も厄介なものがある。確(しか)と構えて臨みたい。特に注意を要するものをチェックしたい。(イ)「カンヨウ植物を育てる」=「観葉(植物)」⇒「観葉植物」=主に葉の色や美しい形状を鑑賞するために室内やオフィスで育てられる植物の総称だ。(エ)「コウガクのために教えてください」=「後学」=「将来自分のためになる知識や学問」のことで「中学入試」での定番だ。(キ)「タンサ目的で潜水する」=「探査」。(ク)「フクサヨウの少ない薬」=「副作用」⇒ちなみに、「副反応」は「ワクチン接種後に免疫ができる過程で生じる一時的な体調変化」のこと。(ソ)「ニッコウキスゲのグンセイ」=「群生」=「同じ種類の植物が群がってはえること」。(ス)「モンチュウの表札」=「門柱」⇒「文脈」を捉えること。(セ)「自分のサイカクを生かせる職場」=「才覚」=「すばやく頭を働かせて物事に対応する能力や機転」という意味も押さえておくこと。

攻略のポイント

「教養人」を求めている慶應義塾の附属校の中でも、本校は特に総合的な「一般常識」「社会的通念」というものまで問うてくる(本年度は高度な「一般常識」)。故に、普段の生活そのものの中で、常に「大人の常識」にアンテナを張っておく必要がある。
また、「韻文」は頻出なので(本年度は「形式判別」)、数多くの「詩」「俳句」「短歌」などに親しみ、自ら創作する練習もしておきたい(「句作」の出題もある)。さらに、「文学史」(海外作品も含めて)も必須だ(本年度は未出)。しっかりと押さえておくこと。

「読解問題」はほとんどが「選択肢」で、「抜き出し」「説明記述」は毎年各1問程度(本年度、昨年度に引き続き「抜き出し」の出題あり)。内容的にも平易なものが多いので、確実に得点することが重要。合格ラインは8割前後と考えられる(具体的数字は一切非公表)。難易度を瞬時に判断して、解き進むことが重要

●制限時間は45分。問題文のボリュームは全体で5000~6000字程度とそれほど多くはないが(本年度は約5500字)、速く読み取れるに越したことはない。分速750字以上を目標に、「読む練習」を常にすることが必要だ。

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