慶應義塾中等部 入試対策
2022年度「慶應義塾中等部の理科」
攻略のための学習方法
まずは、受験テキストを使って、「物理、化学、生物、地学」の4分野について、重要語句の意味や関連情報、科学現象の原理を丁寧に理解しておきたい。
言葉を答えさせる問題はわずかしか出題されないものの、言葉を知らないと考えづらかったり、言葉を知っていた方が有利になったりする問題は出題されるから、ある程度の語句を覚える必要はある。
言葉を覚えるときは穴埋めの問題や一行問題を解いたり、お家の人にクイズ形式で出題してもらったりすると効率が良い。
言葉をある程度覚えたら、科学現象の原理を知る学習をして欲しい。
受験テキストで述べられている現象がなぜ成り立つのか、学習する都度その理由を考えるのが理想だ。その際、自分で納得するまで図鑑や本やインターネットで調べたり、人に聞いてみたり、自分で図を描いて考えたりすると良い。
この段階では受験テキストの8割程度の知識を身に着ければ良いだろう。
8割程度、言葉や原理について覚えられたら、引き続き受験テキストを使って、掲載されている演習問題を自力で解けるようになるまで繰り返し解きたい。
数値を使った計算問題には主軸が置かれていないため、計算問題さえ解ければ良いという考え方は本校入試には不向きだが、標準程度の計算問題であれば解けるようにしておきたい。
言葉や原理について、実験や観察結果を通じて問うような問題は数多く練習しておきたい。
本校では文を記述させる問題は出題されないが、現象の原理を問う問題への対応力を身に着けるために、記述タイプの問題に目を通すことが有効だ。
その際に答えを記述してもよいが、答えを口に出して模範解答と照らし合わせるという方法で学習すると良い。初めにテキスト学習をする段階では記憶する知識は8割程度でよいが、上述の問題演習を通じて受験テキストに記載されている知識記憶の精度を10割に近づけていきたい。
本校の入試は時間との戦いでもある。
一通り受験テキストの学習を終えたのであれば、本校の過去問または類する傾向・難度の過去問を解き、最低でも5回は時間内に合格点をとる経験を積むのが良いだろう。
過去問演習終了後には必ず模範解答・解説を良く読み、不足している知識を受験テキストなどで確認して欲しい。必要に応じて知識をまとめた表を作成したり、図解してみたりするとなお良い。
また、そのときに、要求される知識がどの程度の細かさであるのかを併せて確認し、以後の学習時の参考にすると良い。
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2022年度「慶應義塾中等部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は去年と同じ5題だった。その内訳は、生物1題、物理2題、化学1題、地学1題であり、全体では計24問だった。また、記号選択が20問、適語回答が3問、記述が1問だった。時間は25分であるから1問にかけられる時間は約1分である。
【大問1】水生生物、希少生物/生物
- 難度:標準
- 時間配分:5分
ある2種類の生物どうしが会話しているという設定。有名な生物を題材にしたものであるから、是非高得点を取りたい。日ごろから、身のまわりの生物について観察したり調べたりする習慣がある人の方が有利だろう。
(1)~(5) 定番の生物についての問い。あまり時間をかけ過ぎずに取り組みたい。
(6) ややマニアックな問い。件の生物について聞いた経験や調べた経験が無いと厳しいかもしれない。
【大問2】てこの原理/物理
- 難度:標準
- 時間配分:4分
はさみと爪切りについて、それぞれの道具のどの箇所が力点、支点、作用点であるかを考えさせる問題。一度は学習した経験があると思われるが、正確に答えたい。
【大問3】気体/化学
- 難度:標準
- 時間配分:4分
二酸化炭素についての問い。その性質についての知識が無いと厳しいだろう。
(2) 固体が気体に変化したときの体積の変化について考えると良い。
(3) 混ぜたときに気体が発生するものを選べると良い。
【大問4】回路/物理
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
難易度は高くないが、調べるのに手間がかかる問題。A~I各々の配線について4通りずつ回路が考えられることに注意したい。必要に応じて表を作成するなどして正確に情報を集めたい。ただし、時間をかけすぎるのは禁物。
(1)(イ) 「必ず」という言葉に気を付けたい。
(1)(ウ) 3つの電池が直列つなぎされる状態をつくれるものを選べば良い、ということに気づけると良い。
(2) なかなか調べるのに時間がかかる問題。該当のモーターの数を問うている。
【大問5】日食月食/地学
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
- ★必答問題
月の動き方について深い理解が必要。文章も注意深く目を通す必要がある。
(1) 定番の問題。確実に正解したい。
(2) 南中時刻を問うているわけではないことに注意したい。
(3) 5月下旬ごろの地軸の傾き、満月と地球の位置関係について考えられると良い。
(4) 月食時に月の欠け方が変化する理由を説明できるようにしておきたい。
(5) 是非正解したい。日食時の太陽、月、地球の位置関係を考えると良い。
攻略のポイント
ものの名称・性質や現象の原理に関する知識を問う問題が大半を占めるため、学んだ知識を正確に引き出すことが重要だ。そのためにも、問題文をよく読み、問われていることを正しく把握することを意識して取り組んで欲しい。また、知識が無かったり曖昧だったりしても、与えられた文章や図を手掛かりにすることで問題の答えにたどり着ける場合があるため、その点から考えても、落ち着いて問題文を読むことが重要だ。一問にかけられる時間が短いため、スピーディに処理していくこと、解きやすいものから解いていくことも心掛けたい。
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