｢北陸新幹線開業｣という｢時事ネタ｣を切り口にした｢北陸地方の地理や食事についての会話文｣からの出題。
｢地理｣｢時事｣､そして本校ならではの｢一般常識｣の問題。なかなかの曲者がそろっている。特に、｢和食｣や｢フランス料理｣に関する｢マナー｣などの問題はさすがに難しい。できなくても気にする必要はない。
以下、いくつか確認する。

[問１]　｢下線部についての選択肢設問｣(３択)。｢時事｣｡
下線部①｢東京―金沢間のこれまでのルート｣で、｢最も速かったもの｣を答える。
｢時事問題｣で｢新たなこと｣ではなく｢これまでのこと｣を問うという､本校ならではの｢ひねった問題｣だ。
各選択肢は、(１)｢東海道新幹線｣､(２)｢上越新幹線｣､(３)｢長野新幹線｣を使うルート。
｢各ルート｣の所要時間など、よほどの｢鉄ちゃん｣でもなければ知るはずもない。だったら、単純に考えればいい。｢金沢｣､つまりは｢北陸地方｣に最も｢直線的(最短)に｣向かっているのはどれかだ。
無論、｢新潟駅｣に向かう｢上越新幹線｣なので、｢答え｣は｢(２)｣｡
｢分かる｣とは｢分ける｣こと、｢単純｣にすることが近道だ。

＜時間配分目安：30秒＞

[問３]　｢下線部に関しての説明記述設問｣(｢15字以内｣指定)。｢地理｣｡
下線部③｢畑作や果樹栽培は盛んではない｣と④｢伝統工業や地場産業が盛んに行われている｣に､｢共通して関係するこの地域特有の自然｣を説明する。
｢設問｣が若干ややこしい。整理する必要がある。要は、｢水田単作｣と｢伝統工業｣に関係する｢自然｣とは何かということだ。であれば、｢豪雪地帯｣だと分かるはずだ。
従って、たとえば、｢冬は農作業ができない豪雪地帯。｣といった｢答え｣になる。
｢設問の趣旨｣を的確に把握することが求められる。

＜時間配分目安：１分＞

[問７]　｢図版の選択肢設問｣(３択)。｢一般常識｣｡
｢和食の配膳｣で｢正しいもの｣を答える。
出ったあ！　｢大人の一般常識｣｡が、これは｢大人｣でも知らないかも。まして、｢小学生｣が知るはずもないだろう。
｢和食の配膳｣なので｢自分の家の食事｣では無理かも知れないが、｢旅館での食事｣などを思い出すとか、｢食べやすさ｣から特定するとか､何とか工夫して答えたい。
｢和食｣では、｢ご飯｣は｢左手前｣､｢汁もの｣は｢右手前｣､そして、｢主菜｣(ここでは｢焼き魚｣)が｢右奥｣で｢副菜｣(ここでは｢煮物｣)が｢左奥｣となっている。よって、｢答え｣は｢(１)｣だ。
無論、｢捨て問｣でも構わないが、チャレンジはしたい。

＜時間配分目安：30秒＞

｢水産業｣に関する３つの｢統計資料｣についての出題。｢地理｣｡
｢水産業｣に特化した大問とは珍しい。しかも、一瞬｢えっ？｣という問題。やはり本校は一筋縄ではいかない。
以下、検討してみよう。

[問１]　｢統計資料に関しての条件付き理由説明記述設問｣(｢40字以内｣指定)。
示されている｢全国主要漁港の水揚高(数量と金額)｣を表した｢表｣について、｢数量で１位の銚子港が金額ではなぜ順位を落としているのか｣を説明する。
｢条件｣は｢順位の変わらない焼津と比較する｣こと。
｢数量｣は多いのに｢金額｣が少ない⇒｢価格｣が｢安いもの｣の水揚が多い。そのように類推できるのだが、｢表｣からは確かめようがない。
どうする？　実は、｢設問｣には明記されていないが、隠された｢統計資料｣がある。なぜか何ら触れられていない｢円グラフ｣が掲載されている。｢銚子｣と｢焼津｣の｢水揚された魚の種類別割合｣だ。
確認する。｢銚子｣では｢いわし｣｢さば｣など価格の安い｢大衆魚｣の割合が大きいが、｢焼津｣では｢かつお｣｢まぐろ｣といった｢高級魚｣が多い。やはり、｢類推｣は正しかったということだ。あとは｢字数｣に合わせてまとめればいい。
たとえば、｢かつおなど高級魚の水揚が多い焼津に対し､銚子はいわしなど価格の安い魚が多いから。｣といった｢答え｣になる。
肝心の｢資料｣について説明されていないのは意地悪だが、受験生自らが｢問題用紙全てが手がかり｣といった意識を持つことが必要だ。

＜時間配分目安：２分半＞

[問２]　｢統計資料についての選択肢設問｣(全４問/４択)。
示されている｢水産物の道県別収穫量のグラフ｣(１)～(４)で、㋐｢のり類｣･㋑｢ぶり類｣･㋒｢ほたてがい｣･㋓｢まだい｣のものをそれぞれ答える。
㋐｢のり類｣＝｢佐賀｣｢福岡｣｢兵庫｣と並ぶ(２)､㋒｢ほたてがい｣＝｢北海道｣｢青森｣の(１)が｢答え｣なのは瞬時に判別できなくてはいけない。で、｢ぶり類｣と｢まだい｣だ。｢知っていること｣を総動員したい。㋑｢ぶり類｣＝｢養殖｣⇒｢リアス海岸｣などの｢湾内｣なので､｢鹿児島｣｢愛媛｣｢大分｣の(４)が｢答え｣で、結果、㋓｢まだい｣は｢愛媛｣｢熊本｣｢高知｣の(３)が｢答え｣だと判別したい。
｢自らの知識｣を結びつけ、｢消去法｣も活用すること。

＜時間配分目安：２分＞

｢年代整序の正誤判別｣｢史料と人物との結びつき｣｢人物名記述｣｢建造物と説明文の結びつき｣の問題が並んでいる。
｢歴史｣の｢基礎のキ｣｢いろはのイ｣ばかりで、無論、本校志望者は一気呵成に全問正解したい。
念のために、１問だけ考えたい。

[問１]　｢年代整序の正誤判別不適切選択肢設問｣(５択)。
各選択肢に示されている(１)｢法令｣､(２)｢人物｣､(３)｢乱｣､(４)｢書物｣､(５)｢文化｣、それぞれ並べられた４つの｢事項｣で、｢古い順に並んでいないもの｣を答える。
注意すべきは｢同時代の事項｣だけだ。
(１)の｢三世一身法｣→｢墾田永年私財法｣(ともに｢奈良時代｣)､(３)｢平将門の乱｣→｢平治の乱｣(ともに｢平安時代｣)､(４)｢古事記｣→｢日本書紀｣(ともに｢奈良時代｣)､｢流れ｣から判断すれば全て｢適切｣だ。
結局、｢答え｣は｢平家物語｣→｢源氏物語｣と並んでいる｢(４)｣だ。無論、前者は｢鎌倉時代｣で後者は｢平安時代｣なので逆。
この問題はともかく、｢年代整序｣では｢年代｣の｢数字｣にこだわるのではなく、｢流れ｣や｢背景｣を理解した上で特定することが肝要だ。

＜時間配分目安：１分以内＞

｢日本の大小さまざまな島｣についての｢統計資料｣｢伝統工芸品｣｢歴史的事実｣に関する出題。｢歴史｣｢地理｣。
難問だ。特に、｢地理｣の｢統計資料｣については苦戦するはずだ。｢歴史｣に関しても｢島｣というなじみのない視点なので悩ましいが、｢消去法｣で何とかクリアしてほしい。
｢地理｣の｢設問｣を検証する。

[問１]　｢統計資料に関する説明文の空所補充組み合わせ選択肢設問｣(４択)。
示されている｢日本の島の数についての説明文｣の中の空所(㋐)～(㋒)に入る｢正しい数の組み合わせ｣を答える。
(㋐)は｢日本にある島の数｣､(㋑)は｢離島の中で無人島が占める割合｣､(㋒)は｢本州とそれ以外の島の人口割合｣だ。
まず、｢日本にある島の数｣＝｢約7000｣は基礎的知識として押さえているはずなので、(㋐)がともに｢6852｣となっている選択肢(１)と(２)に絞り込み可能(他はともに｢3852｣)｡
さて、ここからが難しい。｢手がかり｣となるはずの｢本州と離島の人口割合｣は同じなのだ(ともに｢80(%)｣)｡で、｢離島の中で無人島が占める割合｣が(１)は｢95%｣で(２)が｢75%｣｡
さあ、どっちだ？　これはもう｢地理的感覚｣の勝負だ。
｢北海道｣｢本州｣｢四国｣｢九州｣｢沖縄本島｣以外が｢離島｣ということは｢7000｣近い数だ。であれば、ほとんどが｢無人島｣に違いないと判断したい。
そう、｢答え｣は｢(１)｣だ。それほど｢無人島｣が多いということをこの機会に覚えておこう。

＜時間配分目安：２分以内＞

[問２]　｢伝統工芸品の産地についての選択肢設問｣(４択)。
示されている｢伝統工芸品｣の中で｢主な産地が東京都の離島であるもの｣を答える。
選択肢(１)の｢黄八丈｣⇒｢八丈島｣＝｢東京都｣とつながれば、もう｢答え｣に到達だ。が、｢黄八丈｣は知らなくても当然。
その場合は、(２)｢久米島つむぎ｣＝｢久米島｣､(３)｢宮古上布｣＝｢宮古島｣､(４)｢琉球びんがた｣＝｢沖縄本島｣と推測できるはずなので(いずれも｢沖縄県｣)､｢消去法｣で特定していく。

＜時間配分目安：30秒＞

｢空所補充事項記述｣(全７問/全｢漢字｣指定)｡
示されている｢日本国憲法の７条文｣(１･９･11･14･22･25･98条)の空所(㋐)～(㋖)に｢あてはまる言葉｣を｢漢字｣で答える。
｢公民｣の基礎だ。誰もが覚えていなくてはいけない｢条文｣ばかりだ。
たとえ｢第何条｣という｢数字｣は押さえていなくても、前後の｢文脈｣から答えられなくてはいけない｢言葉｣もある。
たとえば、｢第22条｣＝｢何人も､(㋔)の福祉に反しない限り｣＝｢答え｣は｢公共(の福祉)｣､｢第98条｣＝｢この憲法は､国の(㋔)法規であって｣＝｢答え｣は｢最高(法規)｣などだ。
いずれにしても全問正解が当然の大問だ。

＜時間配分目安：２分半＞