吉祥女子中学校 入試対策
2016年度「吉祥女子中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
文学的文章・説明的文章の2題の長文読解と漢字の読み書きから成る。素材文はこの2年ほどは10000~12000字ほどにもなり、文量が多くなっている。
漢字は5~6問で読みが1問含まれ、試験の最後に配置されている。総解答数は30~35問ほど。
設問は、記号選択・書き抜き・記述問題とバランスよく出題されている。選択肢問題は四択だが文字数が多く、本文の長さと相まって読む文量の多い試験であることが大きな特徴になっている。
記述問題は40~50字・80~100字ほどで2~3問出題される。
長文読解
文学的文章と説明的文章は文量も配点もほぼ均等で、同じ力配分になっている。ここ2年ほどは10000字超と特に文量が多くなっている点、要注意である。選択肢の問題も文字数が多いものがあり、設問も含めてかなりの文量を読まなければならないので、速く読める練習を十分に積んでおきたい。
文量の多さと比べて、難易度は多少抑え目である。難問もいくつか見られるが、全体としては極端に難しい問題にはなっていない。
記述問題は「具体的に答えなさい」など、文中の重要点を抽出して答えられるものが多く、選択肢問題もそれぞれの選択肢の内容がわかりやすく、あまり迷わずに選べるようになっている。ただし、80~100にもなる記述問題をうまくまとめるには相当の訓練が必要であるし、文字数の多い選択肢を的確に読み取るには注意力・集中力が求められる。本校の「量の多さ」に対する備えをしっかりしておくことが肝要である。
まずは長文読解の基本的な力を養う。
物語文であれば、場面分け。時間・場所・登場人物などに注目し、どんな場面かを簡単にまとめ、分けておく。人物の言動などからそれぞれの性格を把握し、情景も手がかりに心情を考える。気持ちに変化があった場面は特に注意する。
説明的文章であれば、段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、意味段落の内容を小見出しにしてつけてしまうとわかりやすい。各段落の要点と細部を区別し、目立つようにしておく。要点をまとめ、要旨を把握する。
本校の文量の多さを考えると、一定のスピードで、キーワード・要点などの重要点を傍線・矢印などで目だつようにしたり、関連をわかりやすくしたりしておく手際の良さは大事であろう。
記述問題は、100字であれば3~4つの内容が書けると計算し、字数でまとめてうまく組み合わせる練習を繰り返す。幸い、本校の過去の試験問題を見ると傾向がほぼ一定なので、第二回・第三回の問題も含めれば練習問題には事欠かない。選択肢問題も充分練習できるであろう。
漢字・その他
ここ数年は試験の最後に5~6問、読みの問題が1問だけ含まれて出題されている。
標準レベルの問題がほとんどなので、基本~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておけば心配ないだろう。ことばの知識は長文問題に混じって数問出されるくらいである。
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2016年度「吉祥女子中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
漢字は例年5~6問と少なめで、試験の最後に置いてあるが、当然最初に漢字を終える。
やはり、本文の長さと設問の文量の多さ、年度により100字にもなる記述問題が時間を取られるところである。
どの問題というよりも全体として速さが必要になる試験なので、あまりに時間がかかりそうな問題は断念する勇気もいるかも知れない。とにかく全体に一度は目を通せるようなペースをつかむこと。
物語も説明的文章もほぼ同じ量なので、得意な方から手をつければ良い。
【大問1】物語文の読解
- 時間配分:21分
優等生であることを第一に考える主人公は、自分とは異なる京造の行動に考えさせられる。
問一 急いでいるので走っているからソロバンが揺れる・・・ということが、吾一の気持ちを暗示している。
問三 40~45字という字数を考えると、一点だけ書いたのでは足りないようである。
仲間と一緒に行くことにはしたが、それと反する気持ちもあるので、そこも書いて字数を埋める。
問五 皆と離れて焚き火にも当たらずに、時間を告げる鐘を気にしたりしている。
ちなみに、本文の一行が何文字なのかを最初に数えておくと、このような字数指定の書き抜き問題で答えのだいたいの当たりを付けるのが楽になる。
問六 選択肢4は部分的におかしいところがある。焦っていると見落としてしまうかもしれない。
問八 自分だけ別行動をとって皆から誹り(そしり)を受けている。自分の方が正しいと思ってはいるが、仲間を見捨てたような後ろめたい気持ちもあるので、お詫びのような「笑顔」を浮かべるのである。
問十四 選択肢3は、本文からは確定できない情報も含まれているので、適当ではない。
【大問2】論説文の読解
- 時間配分:27分
手仕事の意義を解説しながら、手仕事がぜいたく品になってしまった現代社会の皮肉な現状にも言及している。
問二 義朗のことば(胸中)から、考えを読み取る。書き抜きではないので、適切な部分を組み合わせて答えにする。
問四 傍線③について、直後に「つまりこういうことだった」、少し後に「またこういうことでもあった」と二点の説明をしている。この二点を三十一字でまとめた部分があるはずである。
問七 傍線⑥は布について述べている。紙漉きもそうだが、布作りはさらに自然次第であることを強調している段落である。
問九 機械で製品を作るのは、速く安く大量にできるからである。空欄Aに入るのはその逆のもので、効率第一の現代では贅沢なものなのである。
問十 純粋に美を追求したものが美しいのであって、実用という条件(不自由)に縛られてできたものは美ではないという考えがあったのである。
問十二 「・・・にいること」に続く部分ということで、かなり答えを絞れる。
問十三 もともと手仕事は金のかからない仕組みで飾り気のない品(実用品)を作るものだったが、現代では工業製品と比べて手間がかかり値段も高いというぜいたく品になってしまったと述べている。
80~90字もあるので、20字くらいで4つの部分(事柄)を抜き出し、まとめると良い。条件である「変化の理由」も忘れずに含める。
【大問3】漢字の読み書き
- 時間配分:2分
近年は試験の最後に配置されている。当たり前だが、漢字から手を付ける。
攻略のポイント
どの問題というわけでもなく、全体として速さを求められる試験である。一年度三回分の過去問を活用して、読むスピード・設問を処理するスピード・書くスピードに慣れておいていただきたい。
本校の偏差値からすると問題の難易度自体は抑え目であるので、ともかく最後まで目を通し、答えられそうな問題には全て答えるようにしたい。100点を目指す必要はないので、時間がかかり過ぎると感じた問題は諦めるのも手である。
文章量の多い同じ傾向の学校の過去問も利用したい。
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