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吉祥女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「吉祥女子中学校の理科」
攻略のための学習方法

女子進学校として着実に実績を伸ばし、東大合格者数においても全国レベルの学校となった吉祥女子中。今、好調の波に乗っている学校といえよう。
そんな吉祥女子中の理科は、二面性を持ったユニークな出題傾向を持っている。
分量はやや多め、大問4つは公平に4分野から出題されるなど、とりたてて変わったところはなく、表面的には典型的な入試問題に見えるところだが、設問間の難易度に大きな差があるところが特徴になっている。
もちろんどこの入試問題においても、前半はやさしく、後半は難しいというのが普通なので、当たり前と言われれば当たり前と言える。

しかし、この学校の場合、前半は本当に「基礎的な知識」を問う問題(小4生が解いても基本問題)で、後半は女子校の中でもかなり上位にランキングするレベルなのだ。
本年度(平成28年度)の問題を例にとれば、大問3の(1)~(4)と(5)~(7)まで、大問4の(1)~(5)とそれ以降の設問では、前半は本当に基礎的な知識を問う設問、後半は考察力や計算力を必要とする設問になっている。そして、その間を埋める設問が存在しないという設定になっている。普通は、その中間レベルで入試の勝負が決まるのだ。

受験生としては、まず初めに「基礎的な知識」をしっかりと身につけたい。分野にかかわらず、暗記用として与えられた教材をくりかえすことでこの段階を突破しよう。
ここから先は受験生によりけりということになる。
理科が得意な生徒は、前半をきっちり解いたうえで、後半の難問にも手が出せるよう過去問を利用して応用力の充実を図ろう。ただし、難問と言えるレベルなので、自信をもって取り組めるようでなければならない。無理して挑戦する必要はないというわけだ。なぜなら、前半の設問を正解しておけば、それだけで合格点に迫れるからだ。
したがって、理科を多少苦手としている生徒は、後半の難問は追わないほうが良いと思う。理科を不得意としている場合は、たいてい基礎的な知識すら不十分な場合が多い。まずそちらの充実を急ぎ、あとは算数・国語・社会などで得点を取る・貯金することを考えたほうが良い。
理科ほどのやりにくさは他の科目には見られない。
もちろん余裕があれば後半の設問に挑戦することは歓迎する。その部分にこそ吉祥女子理科の醍醐味があるわけだし、解けた時の喜びが大きいからだ。

他に言えることは、問題数に比べて問題文の分量が多いので、過去問をしっかり解いて、時間配分や問題文の量にも慣れておこう。傾向を知ったうえで十分な対策を施しておかないと、模試などの偏差値で合格ラインに届いていても、思わぬ墓穴を掘ることがあるのが入試の難しさでもあるからだ。

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2016年度「吉祥女子中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

35分で大問は4、小問は30くらいと、設問は基本的なものが多いものの分量は多めだ。したがって、設問をテキパキとこなしていく必要があり、解くスピードが欲しい。また、特色として選択問題では、選択肢が5択以上のことがあり、正答を導くのに手間がかかる場合がある。全体に問題文が長く、持っている知識を頭から出してくることで解ける設問は素早く正答し、後半に位置する設問に時間を要したい。中には計算問題も含まれているし、容易ではない。

【大問1】地学(風や川の流れのはたらき)

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

本年度は、ここでできるだけ正解しておきたい。後半の、グラフを見て答える設問は注意を要する。

(1)~(5)は、本当に基礎的な知識を問うているが、(2)など選択肢が多いので、よく読んでから慎重にこたえたい。
(6)~(8)では、与えられたグラフと問題文を読んでしっかりと正答を選択したい。手間のかかる内容だが、5分程度あれば読み解けるだろう。

【大問2】物理(いろいろな回路)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

電球と電池を使った回路から回路図を選んだり、また回路図から回路の絵を選んだりと、最も基本的な回路から、徐々に複雑な回路に変わっていくという、本年度もっとも面白い問題と言える。はたして、どこまで複雑なものに対応できるかどうかが試される。

(1)は「正しくないもの」を選ぶ。「ウ」だけ、電球が「直列つなぎ」になっている。これは序の口だ。
(2)も「正しくないもの」を選ぶ。ここは「ウ」だけ3つの電球が「並列つなぎ」になっており、あとの3つは「直並列つなぎ」になっている。電流の苦手な生徒はここからもう間違え始める可能性があるが問題はまだ始まったばかり、しっかりと復習しておこう。
(3)は回路図から「正しくない」回路の絵を選ぶ。3つの電球が直列つなぎの回路図だ。「エ」だけ、電流の流れが異なるのでこちらを選ぶ。
(4)は塾の授業や問題集でもよくやつったことがあるだろう、もっとも明るく光る電球を選ぶ。ア~コまで明るさを数値化していくとなると大変な手間と学力が必要だ。ア~クまでは基本的な回路なのでぜひ数値化できるようにしてほしい。ケ・コは回路の抵抗を計算して求められるだろうか。ここが正解できれば実力者だ。
(5)までくるともううんざり(笑)。しかし問題は続いていく。「正しくないもの」を選ぶ。それぞれの電池に対して電球が「2こ直列」と「3こ直列」が組み合わさっているが「カ」だけは「3こ直列」・「3こ直列」になっている。このレベルの回路図になってくると、解いたこともないかもしれずこの先はより複雑を増すので、自分の力に合わせてまだ追及していくかとりあえずスルーするかを決めてしまおう。
(6)もすごいことに…それぞれの明るさを数値化することは普段の勉強を超えているので、わかるところから手を付けていこう。捨て問としてもよい。
まず、「A」が最も明るいことが分かるので、ここで選択肢「エ」「オ」「カ」を排除。次に「B」「G」の比較から「G」のほうが明るいので「G」を選ぶと、選択肢は「イ」だけが残り、この時点で正解までたどり着ける。
(7)もまた(6)同様、捨て問の類と言える。しかし、スイッチをよ~く見ていくとおのずと正解が見つかっていく。「ア」「エ」を入れても全体に電流は流れない。したがって「イ」か「ウ」のいずれかに正解が絞られる。「イ」を入れると上と下の回路図にある10個の電球がつく。「ウ」を入れると中と下の回路図にある15個の電球がつくので答えは「ウ」となる。
電流嫌いの生徒には泣けてくるような問題だった。(1)から(4)か(5)までできていれば良しとしたい。

【大問3】生物(植物)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

前半の知識問題はサラッと解いてしまおう。(1)から(4)までは全問正解しかありえない。
(5)から使われるグラフは見たことがあるものだろう。同じ植物に強さの異なる光をあてていき、デンプン合成量の変化を見るもの。気温を変えることによってできるデンプンの量にも変化がある。

(5)は与えられたグラフを別の角度から見て別のグラフを作成するもの。「5キロルクス」のところだけを見ていくと気温が10度から先はデンプン合成量は変わらなくなる。選択肢は「ア」を選ぶ。「15キロルクス」のほうは気温の低いほうから「4→8→12→14」と増えていくが気温が40度になると「12」と減っているので「エ」を選ぶ。(6)は問題なく選べるだろう。
(7)は少し難しい計算問題だ。
0℃のほうについては、図2と表の数値を使う。
「1時間あたりの光合成によるデンプン合成量」は4gなので、4×12=48(g)
24時間で消費されるデンプンは1.5×24=36(g)
体内に増えたデンプン量は、48-36=12(g)となる。
20℃のほうについては、図4と表を用いると、12×12-5×24=24(g)になるので、
24÷12=2倍
後半は、多少の失点もやむをえまい。

【大問4】化学(水溶液)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

この大問もまた、前半の知識問題と後半の応用問題(計算含む)という構成になっている。

(1)から(3)は簡単な知識の確認である。指示薬についてもしっかり覚えておこう。
(4)・(5)は、食塩とミョウバンの水の溶け方の問題。食塩の溶け方は知っているので区別は簡単。ここもぜひ押さえておきたい。
(6)から(8)はいずれも厳しい計算問題になっている。自分の力に合わせて挑戦するかスルーするかという態度を決めよう。
(6)は与えられた条件から、硝酸カリウムが20℃の水100gに溶ける最大量は32gということから、6.6gの硝酸カリウム水溶液に溶けている硝酸カリウムの重さは、6.6×(32÷132)となる。(32÷100)をかけるわけではないので注意する。
(7)では、(6)の結果から①のFには8.4(10-1.6)gの水があるので、20℃の水8.4gに溶かすことのできる硝酸カリウムの重さは、32×(8.4÷100)=2.688…から、2.7gとわかる。
(8)①の「同じ濃さ」というところから、Gに溶けているミョウバンの重さも1.6gである。ここで問題を解くためには、与えられたグラフまで戻ることになる。ミョウバンが水温によってどれだけ溶けるかという重さはグラフから判断するしかないからだ。グラフでは、水の重さは100g、実験3では8.4gなので、水100gだとこの濃さの水溶液には、ミョウバンが1.6×(100÷8.4)=19.0…より、約19g溶けていることになるので、グラフを見るとだいたい30℃くらいの目安となる。選択肢で最も近いものは「イ」の31℃なのでそれを選ぶ。

攻略のポイント

テスト時間は35分で70点満点。
理科の合格点は45点くらいとなる。6割超の得点が必要だ。
吉祥女子の問題では、設問に難易の差が大きいので、理科が多少苦手な生徒は大問の前半部分に当たる知識問題をしっかりと押さえていければ6割に達すると思う。逆に理科が得意な生徒は大問後半部の難問にも果敢に挑戦し、50点以上の得点が稼げれば合格するための十分な貯金源となる。計算問題は解いていて楽しいし、解けた時の充実感にもなかなかのものがあるが、合格ということを考えると、学力に合わせて取捨選択していく必要があるだろう。
それでも合格を確実にするためには、まずは基本的な知識の定着が必要不可欠である。理科の場合、全部がイヤということはあまりなく、分野によっての出来不出来・好き嫌いが分かれやすい。ここは現実の夢を叶えるために、少し我慢することを覚えて、直前はきらいな分野の丸暗記に努めよう。テストに出て、それによって合格点が取れたとすれば、少し好きになっているに違いない。

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