吉祥女子中学校 入試対策
2015年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法
[前半問題の対策]
本校は、数多くの範囲を出題していて、出題範囲に傾向があまりない。したがって、分野を限定した学習は好ましくない。
本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。
算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。
得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。
[後半問題の対策]
後半は、大型問題が2題(数年前までは3題出題)という形式になっている。
独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。
出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。
誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。
また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。
塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。
本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。
普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。
それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。
[算数が苦手な受験生へ]
本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。
まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。
入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。
後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。
問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある。
[算数が得意な受験生へ]
後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。
標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。
高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。
後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。
後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。
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2015年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本校の問題構成は、毎年ほぼ同じである。
前半は典型的な問題が中心であり、後半は、長い文章題で構成された大型問題となる。前半・後半の配点は、どちらも50点程度であることが多い。前半では、スピードと正確性が必要であり、後半は、問題の誘導にしたがいながら、時間をかけて考えることになる。
【大問Ⅰ】計算問題・一行問題
- 時間配分:9分
(1)(2)は通常の計算問題。
(3)~(7)は、一行問題。
(3)は植木算、
(4)(5)は文章題、
(6)は速さと比の基本問題、
(7)は数の性質に関する問題である。
典型的な問題がほとんどなので、素早く正確に解く必要がある。
【大問Ⅱ】場合の数
- 時間配分:6分
とにかく手を動かして作業すればよい。
(1)(2)は、調べればすぐに求められる。
(3)(4)は、和を表すのに3を使うものだけを調べればよい。3を使わないものについては、既に(1)(2)で求めている。
慌てずに作業すれば、難なく解ける問題である。このような問題での失点はなんとしても避けたい。
【大問Ⅲ】立体図形
- 時間配分:6分
(1)は単純に表面積を求めるだけの問題。
(2)は上から見た図を考えることで、穴の各部分の長さを求めればよい。考え方は難しくないが、つまらないミスには注意したい。
【大問Ⅳ】平面図形
- 時間配分:12~16分
長方形の紙を折る問題。同じような考え方をする設問がつづく。
(1)は、三角形APQと三角形QCPの関係がポイントになる。
(2)(3)では、三角形APCと相似な図形に注目すればよい。
(1)が解ければ、(2)(3)は流れに乗って解き進めることができるだろう。しかし、(1)で苦戦してしまった受験生も少なくなかったと思われる。流れに乗れたかどうかで、差がつく1題といえる。
【大問Ⅴ】つるかめ算の応用
- 時間配分:12分
条件不足のつるかめ算(不定方程式)や3種のつるかめ算に関する問題である。慣れ・不慣れの差が出やすい問題であった。
(1)は単純なつるかめ算なので、絶対に正解しなければならない。
(2)~(5)は不定方程式である。小数第1位に注目するとよい。
(6)は3種のつるかめ算。最終問題だが、決して難問ではない。
攻略のポイント
【大問1】~【大問3】までは、解きやすい問題がほとんどである。したがって素早く正確に解くことが大切である。目安としては、不正解を2~3問以内でクリアしておきたいところ。ただし、考えにくい問題があれば、とりあえず後回しにすることを忘れてはならない。
【大問4】で行き詰った場合は、早めに【大問5】に取り組むとよいだろう。【大問5】の方が、定石通りに解ける問題である。ただし、【大問5】は問題文の読み間違いをしやすいので、注意が必要である。
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