吉祥女子中学校 入試対策
2017年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法
前半問題の対策
本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。
後半問題の対策
後半は、大型問題が2題という形式になっている。
独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。
出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。
前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。
塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。
普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。
算数が苦手な受験生向け
本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。
まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。
後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある。
算数が得意な受験生向け
後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。
高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。
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2017年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前半は典型的な問題が中心であり、後半は大型問題という問題構成は例年通りである。今年度の大型問題は、問題文が長く、設問が多めである。後半の大型問題のことを考えると、前半の問題を早めに終わらせないと、時間が足りなくなる可能性がある。
【大問1】計算問題・一行問題
- 難度:標準
- 時間配分:13分
(1)(2)は通常の計算問題。
(3)は差集め算。
(4)は平均算。1組と2組の人数比を求めることがポイント。
(5)は角度の問題。定番問題なので、悩むことなく解くことができるはず。
(6)は食塩水の問題。同じ操作を繰り返すタイプの問題だが、容器Bに入っているのは水ではなく食塩水なので注意が必要である。工夫をしようとして、勘違いをしてしまった受験生がかなりいたのではないだろうか。
(7)は比を利用する問題。各色の個数が整数であることに注目して解けばよい。
【大問2】通貨算
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
電車の速さが、トンネル内とトンネルの外で異なる設定になっている。
(1)は易しい。
(2)は比を利用して解く問題。誘導形式になっているので、誘導にしたがって解いていけばよい。
【大問3】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
一見すると規則性の問題に見えるが、実質的には既約分数についての問題である。
(1)は、実際に数えてみればよい。ただし、既約分数を数えるより、約分できる分数を数えた方が楽である(既約分数を直接数えても、それほど苦ではないが)。
(2)(3)は、既約分数が連続する部分についての問題。(2)は書き出して調べてみても、それほど時間はかからない。ただし、(3)は書き出さずに、論理的に考えて答えを求めたい。
【大問4】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:13分
多数の弧の長さの和に関する問題。弧は多数あるが、直径の長さは同じなので、中心角に注目して考えていけばよい。
(1)(2)は、弧の長さの和の比を求める問題。比を答えるだけなので、中心角の和にのみ注目すれば十分である。
(3)も、弧の長さの和の比を求める問題。ただし、(1)(2)のように円が書かれていない。円を実際に書いてみれば、(1)(2)と同様に解くことができる。
(4)は、弧の長さを求める問題。図が与えられているので、悩むことなく解くことができる。
(5)は、再び弧の長さの和の比を求める問題。これまでの設問と同様に解けばよい。
【大問5】立体図形
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
立体図形の切断に関する問題である。
(1)(2)は、切断の問題の基本が分かっていれば、容易に解くことができる。
(3)は、やや手間がかかる。①~③では、辺の長さの比を求めることになる。慣れ・不慣れの差が出やすいだろう。④は2回切断の問題。正解者は少なかったと思われる。
攻略のポイント
算数が苦手な人向け
あまり欲張らずに、解けるはずの問題を確実に解いていくとよい。多少手間がかかってもよいので、確実に正解できる方法で解いた方が無難である。【大問4】【大問5】は、どちらも前半の取り組みやすい問題に手をつければ十分であろう。
算数が得意な人向け
算数で大きく差をつけるのであれば、【大問1】~【大問3】であまり時間を使うわけにはいかない。しかし、うっかり間違えやすい問題も出題されているので注意が必要である。
【大問4】は問題文が長いが、考え方自体は難しくないので、先を急ぎたくなるところ。しかし、このような問題こそミスに注意して丁寧に解くようにしたい。
【大問5】は苦手とする受験生が多いので、この問題で高得点を取れれば、大きく差をつけられるだろう。
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