中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

吉祥女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

前半問題の対策

本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。

後半問題の対策

後半は、大型問題が2題という形式になっている。

独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。

出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。

前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。

塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。

普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。

算数が苦手な受験生向け

本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。

まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。

後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある

算数が得意な受験生向け

後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。

高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。

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2018年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

前半は典型的な問題が中心、後半は典型的でない問題も含む大問というスタイルが、例年の特徴である。

しかし、今年度は前半の典型的な問題が少なかった。大がかりな問題が多そうに見えるが、終盤の大問が例年より易しいので、全体を通して見ると比較的取り組みやすく感じられる。順調に解き進めれば、試験時間が不足することはないだろう。

【大問1】計算問題・一行問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

(1)(2)通常の計算問題

(3)約数に関する基本的な問題

(4)平均算。比を利用するとよい。

(5)消去算の問題。

(6)速さと比の問題。

(7)立体図形。回転体の表面積を求める問題。体積と読み間違えないように注意。

【大問2】条件整理と論理

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

ゲームの得点やカードに書かれた数字を考えていく問題。(1)(2)は単純だが、(3)は注意深く取り組まないと、ミスをしやすい。

(1)は、考えられる最高得点を求める問題

(2)8枚表にする場合の最高得点を考える問題

(3)は、30点になるための条件を考える問題。素直に調べるしかない。

【大問3】食塩水

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

(1)は、食塩水の基本問題。すぐに答えが求められる。

(2)は、3つの食塩水を移しかえる問題

①は操作後の濃さを求める問題。操作後の濃さは3つとも同じなので、初めの3つの食塩水をすべて混ぜたと考えればよい。典型的な手法の問題である。

②は、Cの食塩水に含まれる食塩の量の変化を求める問題。操作1においては、AとCに含まれる食塩の量の和が一定であることに注目したい。

【大問4】立体図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

与えられた図を見ると難しそうに思えるが、見た目ほど難しくはない。

(1)は、ひし形の対角線の長さを求める基本問題

(2)は、答えがほぼ明らかな問題で、直ちに答えが分かる。

(3)(4)(5)は、長方形AEGCに注目して比を利用すればよい。実質的には平面図形の問題といえる。

(6)も(5)が解けていれば、容易にわかるだろう。

【大問5】数の性質と規則性

  • 難度:標準
  • 時間配分:14分

それほど難しくないように思える問題だが、注意深く取り組まないと、思わぬ勘違いをしかねない。丁寧に解くことが大切である。

(1)(2)易しい

(3)は、21が書かれた三角形についての問題。

①は21の約数に注目すればよい問題で易しい。

②は、21が書かれた三角形の枚数を答える問題。各行に何枚あるかを考えればよい。

(4)(5)は、10および36が書かれた三角形の枚数を答える問題。三角形の枚数を答える問題が続くことからも、注意深く解くべき問題であることを感じ取りたいところ。

攻略のポイント

【大問1は基本的な問題なので、全問正解したいところ。

【大問2以降の大問は、大問ごとの難易度差が例年より小さいことに注意したい。【大問4】【大問5の難易度が高くなるのが例年のパターンだが、今年度は【大問3】(2)の方が難しく感じた受験生も少なくなかったと思われる。

【大問4は、図を見て敬遠したくなるかもしれないが、意外と取り組みやすい。【大問5】も例年よりはかなり易しい問題である。ただし、慌てると失敗しやすい問題でもあるので、じっくりと時間を残しておくことがポイントといえる。

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