吉祥女子中学校 入試対策
2017年度「吉祥女子中学校の社会」
攻略のための学習方法
[出題構成]
例年、大問3つにそれぞれ歴史・地理・政治が割り当てられ、総解答数もほぼ40前後と形式は一定となっている。
そのうち、2問ほどが1行記述、7~8問程度が用語記入、残りが4つの選択肢の選択式問題で構成されるのが通例である。
試験時間は35分だが、各大問のリード文が長めなこともあり、設問と合わせて読まねばならない文章量はかなり多く、スピードが要求される試験となっている。
正確な知識でテンポ良く選択肢を選べる力をつけておきたい。
[歴史分野]
毎回、あるテーマに沿って、原始時代から近・現代まで各時代について幅広い分野で出題されている。
時代順の並べ替えがよく出され、説明記述の問題も1問含まれることが多い。
選択問題にも紛らわしい選択肢が見られ、地理・政治分野と比べて少し難しい印象である。
しかし、あまりに偏った難しい問題は見られないので、まずは基本事項を広く網羅した後、時代ごとの流れをとらえ、用語を漢字で書けるようにしておくなど、テキストレベルの内容を確実に定着させておくことで対応できるだろう。
また、この歴史分野では資料を用いた問題は、ここ数年は出題されておらず、文章のみによる問題であることも特徴となっている。
[地理分野]
一つのテーマや地域に関連して、地形や気候、産業や交通など、幅広い内容が問われる。
歴史分野と異なり、地図や統計グラフ、地形図などの資料が多く用いられている。
資料集からの写真や図版もよく使われ、世界地理の問題も織り交ぜられている。説明記述も1問含まれることが多い。
内容としては、中学入試によく見られる典型的な問題・資料が多いので、基本的な事柄をしっかり覚えて問題を多くこなせば、さほど難しく感じる問題ではないだろう。
地形図の読み取りがよく出されているので、類似問題で細かい地図記号などにも慣れておきたい。
[政治分野]
日本国憲法や政治のしくみ、国際連合などの範囲からよく出題されている。
近い時期の選挙についてなど、時事問題も見られる。この分野も、基礎的な知識がしっかりあれば答えられる問題が多いので、政治分野があまり好きではないという人も面倒がらずに取り組んで、得点源として欲しい。
問題数は、歴史・地理分野と比べると少なめである。
[その他の注意事項]
全体として、中学入試の標準的な難易度の問題で構成された試験で、特別な勉強は必要ではないだろう。基本をまんべんなく、確実に学習し、白地図・資料集で整理してまとめておく。時代順を問う問題もあるので年表を活用し、用語は漢字で、2通りの言い方のある用語は両方書けるようにするなど、丁寧な学習を心がければよい。
注意点としては、
・文章量の多さ ・選択式問題の対処法 ・高得点勝負が予想される
といったことが挙げられる。
各大問に長めのリード文がつき、選択肢の文も長めであるので、読むスピードはつけておいていただきたい。
選択肢は4つから選ぶ形が多いので、消去法で数を減らし、微妙な部分や語句に惑わされずに正解を選びたい。そのためにも、幅広い正確な知識は必要である。
問題の難易度が標準的である分、合格者平均点も7割ほどと高めになってしまう傾向なので、不得意な分野にもしっかり力を注いで取りこぼしのないよう留意し、また、不用意なミスを犯さないように落ち着いて試験に臨める精神力も養っておきたい。
なお近年、問題の難易度については上昇傾向にあるので、最新の過去問各年度の第二回・第三回までしっかりこなして、慣れておくことが肝要である。
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2017年度「吉祥女子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数39問で大問3つに歴史・地理・政治経済がそれぞれ当てられており、例年と同じ構成である。リード文の総計が3700文字ほどあり、全体として読む分量が多くなっている点も同様である。
1行ほどの短文記述が2問出されており、他は選択肢問題が多めではあるがテンポよく解き進めていくスピードはつけておきたい。
【大問1】歴史分野
- 難度: やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
壁画や絵画など、絵を話題に各時代のことを訊かれている。
問2 正誤を選ぶ問題。時代が当てはまらない・内容に誤りがあるなど、いろいろなパターンが考えられるので、注意を怠らないようにしたい。
問3 それぞれ阿倍仲麻呂・聖徳太子・最古の貨幣のことだとわかれば、時代順はわかりやすいだろう。
問5 正解を選ぶにも、上皇方か天皇方か・義朝か義家かといった細かい部分で正確な知識が必要になる。紛らわしい部分こそ丁寧に覚えておきたい。
問6 選択肢エは鎌倉時代と室町時代を区別する目安としてよく出題される部分なので、うろ覚えだった人はこの機に覚えてしまおう。
問9 一行の記述問題。「初め肉筆で描かれ」と良いヒントが示されているので、そこから木版画が思い出せればよい。
問13 歴史分野の問題では珍しく、資料が使われた問題となっているが、難易度としては低めである。
【大問2】地理分野
- 難度: やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
産業観光を題材に、各地のことを問われている。歴史分野と異なり、さまざまな資料を用いた問題となっている。
問1 鯖江市のメガネ生産はやや細かい知識かもしれないが、他の選択肢の誤りがわかりやすいので、選べるだろう。
問3 「県の南西部」・「駿河湾」といった一部分の間違いなので、焦って見落とさないように気をつける。
問4 統計資料を読み解く問題。時間があって落ち着いて見比べれば間違うような問題ではないだろう。
問6 AとCはもともと有名であるし、Bは近年の世界遺産登録で話題になった場所なので、正解率は高かったと思われる。
問7 都市で多く廃棄される電子機器から取れる希少金属という意味での「都市鉱山」という用語や、希少金属が中国などから大量に輸入されている事実を合わせて考える。
問9 諏訪と野辺山の雨温図が似ているので紛らわしいが、1月・2月の気温が零度以下になる諏訪の雨温図は中央高地の気候の代表例としてよく見るグラフであろう。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
憲法や政治を中心に、時事問題なども出題されている。
問2 一票の格差の問題については、しばしば違憲とする判決が出ている。といって、選挙のやり直しまでは求められないのが現状である。
問8 リコールの手続きなどは正確に覚えておかないと、選択問題でも迷ってしまうことになるので注意しよう。
攻略のポイント
中学入試の標準的レベルの問題が多いので、合格点も高止まりの傾向にあり、不用意なミスをしないことが重要となる。
文章量も多いので、慌ててしまって読み違いや読み落としをしないためにも、速く正確に読む練習が必要である。
基本的事項をまんべんなく正確に頭に入れ、補助教材も活用し周辺事項まで含めて補っておく。
テキストや資料集を大きな穴ができないように丁寧に取り込んでゆくという基本姿勢で学習に取り組んでいただきたい。
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