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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「攻玉社中学校の理科」
攻略のための学習方法

攻玉社中の理科の満点は50点(算数・国語は100点)、合格者平均は例年7割~8割程度、本年度の合格者平均は34.8点であった。知識だけで解ける問題も意外と多く、ここを確実に正答して高得点を狙いたい。知識不足は大きなマイナス材料となる。特定の分野のみを学習するのではなく、どの分野から出題されても大丈夫なように、すべての分野の基本をしっかり固めて欲しい。夏休みが終わる頃までには各単元の基本知識を固め、秋からは物理・化学分野を中心とした計算問題演習・観察や実験をテーマにした総合的な問題の演習・過去問演習に時間をかけて欲しい。秋以降もテストや模試でできなかった問題については、基本に立ち返ってしっかり復習して欲しい。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年度は人のからだの働きに関する出題で、知識問題が中心だが、計算問題も含まれていた。近年では、植物の蒸散作用、動物のからだの働き、昆虫、動物の誕生と成長、人のからだの働きに関する出題が見られる。幅広く各単元から出題されている。この分野の学習法としては、基本知識をしっかり身につける、ということが第一である。「ヒトのからだの働き」「動物の分類」「昆虫」「光合成、呼吸、蒸散といった植物のはたらき」は出題される可能性が高い。決して難問は出題されないが、細かい知識を問う問題もあるので、とにかく知識を固めることに重点をおいて欲しい。また、実験や観察を通して考える問題の練習も行っておこう。

地学分野 本年度は地震についての出題であった。ここでも、知識問題の他に計算問題も含まれていた。近年では、天体に関する出題が多く、気象、地層、岩石、地震等に関する出題も見られる。この分野の学習法についても、基本知識をしっかり固めることが第一である。天体、岩石、地震、地層、気象、どの単元からも出題される可能性があるので、山をかけて学習するよりは、すべての単元の基本を固めるということに重点をおいて欲しい。台風、フェーン現象、火山噴火、地震、日食や月食など細かい知識もしっかり学習しよう。

物理分野 本年は力のつり合いについての出題で、レベルの高い計算問題も含まれていた。近年の出題傾向を見ると、てこ・浮力・滑車・輪軸など力のつり合いについての出題頻度が高い。この分野の学習方法としては、てこ・滑車・輪軸・ばねののび・浮力に関しての計算問題演習に時間をかけて欲しい。ややレベルの高い問題にもチャレンジすること。それ以外では、電気、光、音などの単元についても出題される可能性があるので手を抜くことなく学習して欲しい。

化学分野 本年度はものの溶け方について、計算問題中心の出題であった。ここ数年では、水溶液と気体の発生、ろうそくの燃焼、ものの溶け方、中和の計算、水の三態変化について出題されているが、際立った難問はほとんどなく、テキスト等で学習していれば十分に正答できるレベルの問題が中心である。この分野の学習方法としては、まずは気体の性質・水溶液の性質・指示薬の色の変化等の知識を覚えること、そして、中和・金属と水溶液の反応・溶解度・燃焼等に関する計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる

また、実験器具の使い方についても確認を行って欲しい。

攻玉社中の入試で合格点を取れる力を身につけるためには、基本知識を確実に固め、計算問題の練習にも時間をかけること。直前期には過去問など時間配分を意識した演習をしっかり行うことも大切である。

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2024年度「攻玉社中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は34で50点満点。試験時間は40分で例年通りであった。記号選択問題・計算問題が中心で、記述問題はなかった。試験時間は40分あるが、問題数がやや多く、問題文の読み取りや計算問題の処理に時間がかかるので、40分はかなり短く感じられるであろう。出来る問題から解答欄を確実に埋めていくことが大切で、知識問題は確実に正答したい。過去問等時間の使い方を意識した演習をしっかり行って欲しい。

【大問1】生物 人のからだの働き

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)尿を作る臓器は腎臓。

(2)卵の中で育つことを「卵生」という。

(3)ヒトは哺乳類に分類される。

(4)有害なアンモニアを肝臓で無毒の尿素に変えている。

(5)タンパク質は「アミノ酸」がつながってできている。

(6)消化される過程でできるものすべてを答えることに注意すること。でんぷんは麦芽糖とブドウ糖、脂肪は脂肪酸とモノグリセリド。

(7)①尿素の血しょう中の濃度は0.03%、尿中の濃度は2.1%なので、2.1÷0.03より70倍。

原尿とは何かなど問題文の読み取りと理解が必要となる。70倍に濃縮された尿の量が1日に1.5Lなので、濃縮前の原尿の状態では、1.5×70より105L。

人のからだの働きに関する出題。排出と消化に関する基本的な知識問題が中心で、計算問題も含まれている。(6)までの知識問題は確実に正答したい。

【大問2】地学 地震

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

(1)震源からの距離が近い地点の揺れが最も大きいと考えられる。

(2)震度についての選択問題。震度は観測地点に設置された震度計で測定され、0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7の10階級に分かれる。

(3)P波はB地点とC地点の間の24kmを4秒間で伝わっているので、24÷4より秒速6km。

(4)震源から42km離れたB地点までP波が伝わる時間を(3)で求めた秒速を用いて計算すると、42÷6=7秒。したがって、12時35分52秒-7秒より12時35分45秒に地震が発生したと考えられる。

(5)P波が伝わってからS波が伝わるまでが初期微動継続時間なので、12時36分21秒-12時36分3秒より、18秒。

(6)表で示されたA~D地点について計算すると、震源からの距離と初期微動継続時間は比例することがわかる。震源からの距離が108kmのA地点で初微動継続時間が18秒なので、108÷18×45より、震源からの距離は270kmとわかる。

(7)緊急地震速報に関する選択問題。4つの選択肢の中で、「S波」と「強い揺れ」が関連づけられているものを選択すること。

(8)緊急地震速報に関する選択問題。正確性より即時性が要求されるため、緊急地震速報が伝わっても大きな揺れがこないというようなケースがありうる。

(9)震源から12km離れた地点までP波が伝わるのに2秒、その4秒後に緊急地震速報が発表された。D地点で大きな揺れが始まったのは、地震が発生した48秒後なので、48-6より、大きな揺れが始まる42秒前に緊急地震速報が発表されたことになる。

(10)震源の深さを求める問題。F地点・G地点のいずれか一方を使えばよいが、「3辺の比が3:4:5の三角形は直角三角形になる」という法則を知らないと解けない。大問2の中にそのことは記述されていない。ただし、大問4の中で、30㎝・40㎝・50㎝の直角三角形が出てくる。これが出題者の狙いかどうかは定かではない。

地震についての基本知識および地震波(P波・S波)に関する計算問題による出題。P波・S波に関連する計算問題はテキストや問題集でも掲載されているので、ここでしっかり解けなかった場合には、問題演習に取り組んでほしい。

【大問3】化学 ものの溶け方

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)  表の数値から作成するグラフを選択する問題。

(2)物質Aは温度を上げても水100gに溶ける重さが37g程度で変化しない。このような性質を持つ物質は食塩。

(3)水の重さと物質が溶ける重さは比例する。150gの水に50gの物質を加えたので、水100g約33g溶ければよい。表には40℃における結果と60℃における結果しかないが、いずれの数値で考えても、AとBは溶けるがCは溶けない。

(4)Bは40℃の水100gに64g溶けるので、64÷164×100より四捨五入して39%となる。なお、問題では飽和水溶液100gとなっているが、水100gで計算しても、飽和水溶液に対するBの割合は同じである。

(5)(4)で求めた濃さを使って計算すると、水溶液100gの中にBは39g溶けていたことになる。そのうち23gが固体として出てきたので、まだ溶けている重さは16g。20℃において、Bは水100gに32g溶けるので、残っている水の量は50g、蒸発した水は100-39-50より11g。

(6)実験器具名「メスシリンダー」を答える問題。

(7)メスシリンダーの真横から、水面の平らな部分を読み取る。

(8)20℃の水150gにBは48g溶けるので、48+32より初めに溶かしたBの重さは80g。したがって、Aは40gなので、40÷120×100より四捨五入して33%。

(9)水の温度を変えた時の水100gに溶ける重さの表を見ると、Cの方が先に固体が出てくると考えられる。

(10)Cが水150gに溶ける重さは、80℃で106.5g、60℃で37.5g。従って、結晶が出てくるのは60℃と80℃の間。

ものの溶け方に関する出題。濃さや出てくる結晶の重さなどの計算問題が中心で、典型的な設問が中心。1つ1つの設問に対して落ち着いて計算して欲しい。

【大問4】物理 力のつり合い

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分

(1)支点からの距離と重さが逆比の関係になる。300g:Bの重さ=1:4より、1200g。

(2)同様に考えると、支点からおもりまでの距離の比が2:3になるので、40㎝。

(3)① 重心の位置は140㎝を4:3に分ける点なので、棒の左端から80㎝の位置。支点より右側になるので、時計回りに回転する。

 100gと300gのおもりをまとめて考え、400gのおもりが棒の左端から45㎝、支点Pからだと25㎝左にあると考える。Pから50㎝右に200gのおもりがあるので、つりあって水平を保つ。

 30gと20gのおもりをまとめて考え、50gのおもりが棒の右端から30㎝の位置にあると考える。さらに50gのおもりをまとめて考えると、100gのおもりが支点から右へ45㎝の位置にあると考えられる。支点から10㎝左の位置に500gのおもりがあるので、棒は反時計回りに回転する。

(4)BとCの重心はBとCの中心にあたるので、40×1/2より20㎝となる。

(5)AとBの重心がCの真下にくる。30×2/3より20㎝。

(6)①BもCも200gなので、重心はBとCの中心になる。

Aが100g、Bが200gなので、AB間を2:1に分ける点になる。

(7)①2つのおもりの重さが同じなので、中心の45が下にくる。

0と180の位置にある100gのおもりは考えなくてよい。2つの200gのおもりの中心の75が下にくる。

300gのおもりを100gと200gに分けて考えると、同様に100gのおもりは考えなくてもよいことになる。90と180の位置の200gを考えると、135が下にきて止まる。

力のつり合いに関する出題。前半の棒のつり合いは日頃の学習の延長線上で考えればよい。三角形の板のつり合い、円盤のつり合いについては、問題の誘導に従って考えればよいが、円盤のつり合いの問題はレベルが高い。

攻略のポイント

ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。特定の単元に的を絞るのではなく、苦手単元を作ることのないように、すべての単元をしっかり学習して欲しい。基本知識を身につけていれば解答可能な問題も多いが、思考力・計算力が必要な問題も出題される。今年は大問4題すべてに計算問題が含まれていた。

本校受験者は、まずは各単元の基本をしっかり固めることを目標にしよう。さらに、物理分野・化学分野を中心に計算を必要とする問題の演習に十分時間を確保して欲しい。また、時事問題が出題される可能性があるので、直前期には時事問題用のテキストなどを用いて対策をしたい

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