攻玉社中学校 入試対策
2022年度「攻玉社中学校の理科」
攻略のための学習方法
攻玉社中の理科の満点は50点(算数・国語は100点)、合格者平均は例年7割~8割程度である。知識だけで解ける問題が意外と多く、ここを確実に正答して高得点を狙いたい。知識不足は大きなマイナス材料となる。ここ数年の問題レベルを見ても同様の傾向にあり、塾のテキストなどで学習する内容を理解してしっかり身につけていれば得点できるレベルの問題が多い。特定の分野のみを学習するのではなく、どの分野から出題されても大丈夫なように、すべての分野の基本をしっかり固めて欲しい。夏休みが終わる頃までには各単元の基本知識を固め、秋からの模試・総合的な演習・過去問演習に備えられればベストであろう。テストや模試でできなかった問題については、基本に立ち返ってしっかり復習して欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は動物のからだの働きを中心とした出題であった。ここ数年を見ると、植物、昆虫、動物の誕生と成長、人のからだの働きに関する出題が見られる。この分野の学習法としては、基本知識をしっかり身につける、ということが第一である。「ヒトのからだの働き」「動物の分類」「昆虫」「光合成、呼吸、蒸散といった植物のはたらき」は出題される可能性が高い。決して難問は出題されないが、細かい知識を問う問題もあるので、とにかく知識を固めることに重点をおいて欲しい。また、実験や観察を通して考える問題の練習も行って頂きたい。
地学分野 本年度は火山・地震・地層に関して、知識中心の出題であった。近年の出題傾向を見ると、天体に関する出題が多く、気象、岩石、地震等に関する出題も見られる。この分野の学習法についても、基本知識をしっかり固めることが第一である。天体、岩石や地層、気象、どの単元からも出題される可能性があるので、山をかけて学習するよりは、すべての単元の基本を固めるということに重点をおいて欲しい。台風、フェーン現象、火山噴火、地震、日食や月食など細かい知識もしっかり学習して頂きたい。
物理分野 本年は発光ダイオードと電気回路に関する出題で、ノーベル賞についての時事問題も含まれていた。過去の出題傾向を見ると、力のつりあい(てこのつりあいなど)と電気に関する出題が多く見られる。この分野の学習方法としては、てこ、滑車・輪軸、ばねののび、浮力に関する基本的な計算ができるように練習を行って欲しい。電気、光、音などの単元についても出題される可能性があるので手を抜くことなく学習して欲しい。決して対応できないような難問は出題されないので、基本をしっかり身につけるとともに、練習を積み重ねて欲しい。
化学分野 本年度はろうそくの燃焼に関する出題であった。ここ数年では気体の性質と発生、ものの溶け方、中和の計算、水の三態変化について出題されているが、難問はほとんどなく、テキスト等で学習していれば十分に正答できるレベルの問題が中心である。この分野の学習方法としては、まずは気体の性質・水溶液の性質・指示薬の色の変化等の知識を覚えること、そして、中和・金属と水溶液の反応・溶解度・燃焼等に関する計算問題の練習をしっかり行うことがあげられる。
また、実験器具の使い方についても確認を行って欲しい。
攻玉社中の入試で合格点を取れる力を身につけるためには、とにかく基本知識を確実に固めて欲しい。直前期には過去問など時間配分を意識した演習をしっかり行うことも大切である。
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2022年度「攻玉社中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
設問形式が変更されてから総問題数は少なめになり、2022年度は30問であった。
また、例年ではよく出されていた、組み合わせて一つの正解となる問題が減り、通常の選択問題が増えた。
基本的事項を問われる問題が多いのでそれほど迷うことはないだろう。
長文記述問題が2018年度から復活したが、今年度は出されていない。その他の問題は知識を答えるものが多いので40分あれば時間は足りるだろう。
【大問1】地学 火山・地震・地層
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)適語を答える問題。火成岩はマグマが地表付近で冷えて固まる「火山岩」と地下深くで冷えて固まる「深成岩」に分かれる。
火山灰は「偏西風」に流されるので、火山の「東側」に多く積もる。
(2)写真を見て火山岩と深成岩を区別する問題。火山岩は急に冷えて固まるので、鉱物の結晶が大きくならない。
(3)火山ガスに最も多く含まれる気体は「水蒸気」。
(4)震度は揺れの大きさで10段階、マグニチュードは地震のエネルギーそのものの大きさ。
(5)今後発生することが心配されている南海トラフ地震は、海溝型の地震である。
(6)「角ばった小石」より火山からの噴出物と考えられる。
(7)粘土は水がしみ込みにくく、その上に地下水がたまりやすい。
(8)貝やサンゴなど炭酸カルシウムを含むものに塩酸をかけると、二酸化炭素が発生する。
(9)地層ができるまでに起こった出来事を順番に並べるという、中学入試頻出の問題。地層Aは曲がっていないことがポイント。
(10)XYの上側が上にずれているので逆断層。左右から急に大きな押す力が加わった。
火山・地震・地層に関する出題で、知識問題が中心。ここでの間違いが多い場合は明らかに知識不足なので、テキストに戻って知識の再整理をしっかり行うこと。
【大問2】生物 動物のからだの働き
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1)毛穴が縮まると毛が立つことにより、熱が逃げにくくなる。
(2)骨と筋肉をつなぐ部分の名称は「けん」
(3)翼を伸ばしたり曲げたりするための筋肉の動きを考える問題。
(4)人の頭骨はいくつかの骨がつながってできている。
(5)骨の中の骨髄には、血液の成分を作る働きがある。
(6)壁の厚い血管が動脈、うすい血管が静脈。鳥類は2心房2心室。
(7)左心室と右心室では、全身に血液を送る左心室の方が厚い筋肉でできている。
(8)「小腸内の細かい毛」より、柔毛(柔突起)。
(9)でんぷんが消化されるとブドウ糖に、タンパク質が消化されるとアミノ酸になる。
(10)鳥のレバーを食べても消化されて体の各部に運ばれる。
動物のからだの働きに関する出題。鳥の解剖写真と会話文を見ながら解き進める形式になっているが、多くが持っている知識で解答できる設問であり、大問1同様に知識量で明暗が分かれる出題と言える。
【大問3】化学 ろうそくの燃焼
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
(1) 実験結果の考察問題であり、ろうそくの燃焼に関する知識問題でもある。ろうそくの芯には、溶けた液体のろうを吸い上げる働きがある。
(2)芯に近い中央付近が外側よりも窪んだ形になる。
(3)炎心には気体のろうがあり、ガラス管から出てきた気体のろうに火をつけると燃焼する。
(4)最もよく燃えている外炎の部分(左右2か所)が焦げる。
(5)(6)暖まった空気は上昇するので、線香の煙は筒の中を上昇する。熱気球が浮かぶのも同じ理由。
(7)上昇する空気の流れができるものは燃焼を続ける。
(8)絵を描く問題。無重力では上昇気流が起きないので、炎の形は丸くなる。
(9)回転台の上では外向きに遠心力が働く。ろうそくの炎は反対向き、つまり回転軸の方向へ伸びる。
(10)西洋ろうそくと和ろうそくの違いについての考察問題。和ろうそくは中に空洞があるので、下から上へ向けての空気の流れが西洋ろうそくより多くなる。このため、炎のゆらぎは大きくなり、炎の形は縦長になる。
ろうそくの燃焼に関する出題。前半は基本的な知識があれば解答可能な設問が並んでいるが、後半には考察力が必要な問題も含まれる。
【大問4】物理 発光ダイオードと電気回路
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)光電池についての問い。光電池に光が当たる角度が90度に近いほど大きな電流が流れる。
(2)2014年に日本人3名がノーベル賞を受賞したのは、「青色発光ダイオード」の発明による。
(3)2021年、真鍋氏は二酸化炭素の地球温暖化への影響についての研究でノーベル賞を受賞した。
(4)豆電球は電気の流れる向きに関係なく点灯する。
(5)記述問題。発光ダイオードが点灯しているとき、電流の向きを逆にすると、点灯しなくなる。
(6)乾電池の+極から-極に電流が流れるので、図4-5では(あ)(う)は点灯し、(い)は点灯しない。図4-6では、発光ダイオード(う)を電流が流れないので、どの発光ダイオードも点灯しない。
(7)電池の左側を+極にした時に発光ダイオード(あ)(う)(お)を通り、電池の右側を+極にした時は発光ダイオード(え)(う)(い)を通るようにすればよい。
(8)aがcとつながりbとdがつながっている状態と、aがdとつながりbがcとつながっている状態を選択できるスイッチにすればよい。
発光ダイオードと電気回路に関する出題。光電池に関する設問やノーベル賞に関する時事問題も含まれる。(8)は思考力を必要とするが、多くは、発光ダイオードは片方向にしか電気が流れないという性質が理解できていれば正答できる問題が中心。ここで間違いが多かった時は、発光ダイオードの性質についての学習・問題演習をもう一度やり直そう。
攻略のポイント
ここ何年かの出題分野を見ると、生物・地学・物理・化学の4分野からまんべんなく出題されている。特定の単元に的を絞るのではなく、苦手単元を作ることのないように、すべての単元をしっかり学習して欲しい。多くが基本を身につけていれば十分対応できる問題で、知識のみで解答できる問題も多く含まれている。まずは、各単元の基本知識をしっかり固めることを目標にして頂きたい。今回は計算を必要とする問題は一切含まれていなかったが、今後は出題される可能性が十分あるので、化学分野および物理分野の計算問題についても練習量をしっかり確保して欲しい。また、時事問題が出題される可能性があるので、直前期には時事問題用のテキストなどを用いて対策をしたい。
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