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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法

攻玉社中学は、東京都城南地区において、堅実な大学合格実績を出している伝統ある進学校だ。また、その入試問題も伝統の名に恥じない、立派な風格をもつ。
このところ3年間は往年の難易度に迫る問題となっており、やはり攻玉社は算数だ、と思わせる仕上がりになっていた。しかし本年度はその反動からか問題が大幅に易化してその分だけ合格点が高くなっている。
やさしいからつまらない問題というわけではないが、男子進学校の算数にしてはかなり物足りないレベルであったことは否めない。ただし、良問であるという点は変わってはいない。

さて、その良問ぞろいと称される攻玉社中学の算数。
具体的に克服するのはどうすればよいか。
テキストや問題集などに挙げられている基本問題の解き方は6年の秋までにマスターした、ということを前提にして話を進めたい。
全体として言えることは、条件の複雑な問題に丹念に取り組む時間を作ることが大切だ
ある一定の長さの問題ばかり解いていると、短い文章の問題を解くことが出来るようになっても、長文問題を解くためのねばりや条件を整理する力が養われないままになってしまう。この学校でそれは避けたい。設問数が3~5ある、問題集で言えば「中・上級クラス」の問題を、1問につき10分前後かかってもいいので、集中して解いてみよう
ただ、時間を要する割に問題数はこなせず、勉強の進捗度という意味ではイライラすることになるとは思うが、過去問対策も含めて何とか時間を確保したい。

次に分野別に見てみる。まず、平面・立体図形の強化に特に力を入れたい
平面図形は相似形、立体図形には体積・表面積が問題の中心となるが、どちらにも共通するポイントは「作図力」と言うことになる。
相似形をつくり出す「補助線」、展開図から書き表わす「見取り図」など、ていねいな手作業が出来るかどうかと言うことだ(実際、図形がうまく書けない生徒は多い)。

文章題の場合は、式を書いて答えを出す、でもよいが、図形問題の場合は、模範解答を見て解くための図が書かれていても、自分で書けるという保証はなく、結局解き方を理解できてもそのための作業が出来ないことになってしまう。つまり、出来た気になったまま次に進んでしまうと言う危険をはらむことになる。
また、細かいことになるが、与えられた図に数値を書きこむときも、どこに書きこめば次の作業において邪魔にならないかを考えてみよう。

あとは、速さの総合的な問題(グラフをからめた問題)と規則性の克服だ
速さの問題では「速さの3公式」の内容を念頭に置きつつ、それを臨機応変に使いこなせるようになることが大切で、一行問題ならどの関係を使うかは一目瞭然だ が、問題文が長くなったり条件が複数出てきたりすると分らなくなるでは困るので、平成29年度・平成30年度・2019年度と連なる【大問3】レベルの、「速さの基本・旅人算・速さの比」などを含んだ総合問題を十分にこなしておきたい。類似傾向にある城北中学・巣鴨中学などの問題が役に立つ。

規則性に関しては、何でもかんでも「差を考える(=)等差数列のみ」というような固定された考え方だけではなく、「平方数」・「三角数」・「フィボナッチ数列」…などもう一つランクが上の規則性まで言及して問題の決まりを見つける力をつけたい

次に、50分で十分に考えを張り巡らし、答えが出せるという時間面での余裕を持てるように、スピード練習をすることも大事だ。自分のペースだけを守っているのでは解く速さは学年相応の伸びしか得られない。必ず自覚的に早く解く練習をすること
これは短い問題をたくさん解くという形でもよい。早く解くという練習をすると、自分自身がどういうところで時間をロスし、結果的に解くのに時間がかかっているかが分る。
たとえば、計算の工夫・作図のスピード・字の巧拙・集中力等々。普段の勉強も、長くダラダラやらない で、多くの分量を短い時間でこなせるよう努力すること。
しかし正答率とていねいさを犠牲にしてはいけない。速く、正しく解けるよう仕上げていくこと

最後に、応用力がついてくればさらに算数は面白くなるものだ。昆虫の脱皮のように、学力の伸びというのは長期間なだらかに伸びるのではなく、グンといきなり アップして、それまで解けなかったような問題も解けるようになり、自分の立つステージが変わるものである。ぜひそういう体験を味わって欲しいと思う。
そのために攻玉社の問題は格好の材料となる。十分に力をつけ、来年度には合格して笑えるようにがんばっていこう。

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2020年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が4、小問がちょうど20。50分という時間の中で解くには手頃な分量となっていて、合格点をとるためのハードルはやや低くなった。
出題傾向に挙げた分野から大問が1つずつ(平面図形と立体図形で合わせて大問一つの場合も)、設問がそれぞれ3~5問準備され、本当に基本的なものからかなり応用レベルの考えをさせるものまで、大問を掘り下げる形で出題される
本校算数における受験者平均・合格者平均は例年安定しているので傾向をつかんだ上で対策を立てればしっかりと得点できるはずだ

【大問1】計算

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度は四則計算3問が独立した形で【大問1】となり、今までは【大問1】の後半を占めていた一行問題はそれだけで【大問2】となった。したがって、大問数は4と昨年度までと同じものの、実際には受験生の負担は減っていることになる。
皮肉な言い方をすればこの【大問1】の計算問題が本年度の問題中では最も手が込んでいる。
もちろん【大問2】以降で使われる算数の技法の数々も受験生たちが汗を流して獲得したテクニックかも知れない。しかし本年度の問題ではそれらが十分に活かされる水準にあらず(問題の水準のほうが低いと言うこと)きっちりと準備をしてきた受験生たちはかなり肩すかしをくったという印象を受けただろう…
その点この計算問題は、攻玉社の往年のレベルを維持している唯一の大問と言える。
特に(3)は途中の計算式で、分数の中に分数がある、いわゆる繁分数を解かせることになっており、本年度の問題ではこの(3)【大問4】(3)が最も高難度と言いたいくらいだ。
とは言っても、もちろんここは全問正解しておきたい。

【大問2】通過算・単位・売買損益・いもづる算・仕事算・面積

  • 難度:標準
  • 時間配分:14分
  • ★必答問題

一行問題たちの立場から言えば独立して【大問2】になったのだから出世したとはいえるものの、テスト全体としてはずいぶんと水準を下げてしまった感がある。
どの設問も内容はよいのだがレベルが「易」に近いものばかりなのだ。もう少し難度を上げてやらないと、算数の問題を解きながら夜が過ぎていった時間がもったいない。

(1)は2つのものを通過する「通過算」だが間違える生徒はいないのではないか。

(2)が最もミスしやすいかも知れない。500mLを0.5Lとしたあと、立方メートルの単位に置き換えられるかがポイント。そうは言っても、間違えるようではやはり困る。

(3)(1)同様典型題中の典型題。注意として(消費税は考えないものとします)とあるが、せめて(消費税も考えて答えること)と変えて条件を複雑にしてもらいたかった。ミスするとすると、定価を答えてしまう生徒が出る場合か…

(4)は、小学4年生に戻った時を思い出せそうな、ノスタルジックな問題である。

(5)のみ、わずかに典型題を外れている。つるかめ算のようでありながら買った総数がわからないので整数問題として処理することになる。最後に残ったおつりは必ず100の倍数なので、1個160円のリンゴの金額が100の倍数にならないとつじつまがあわない。そこでリンゴを5個買ってもその金額が160×5=800(円)としてオレンジの個数を考えていく。それでも難しい問題とは言えないレベルだ。

(6)は仕事算、やや高めの標準問題。A,B,Cの仕事量の比を出せれば解けたも同然だ。

(7)は等積移動して面積を求める問題だがこれもずいぶん解いてきた経験があるだろう。せめて半径がわからない、とか工夫が欲しかった。

「易」と評価されてもおかしくない一行問題群であった。

【大問3】食塩水

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(5)まで存在する食塩水の大問なので、さぞかし解きがいがあるだろう、と思うとまたもや予想は裏切られる。(1)から(5)に向けて、確かに設問の内容は複雑になって傾斜しているのだが、使われる技法のレベルが水平のままなのだ。

(1)は基礎。

(2)は面積図かつるかめ算で求める。基本。

(3)も面積図。整数問題も若干からむ。まだ基本。

(4)(1)と使う頭の中身が同じ。またも基礎。

(5)(4)をお色直ししたもので、面積図すら使わなくても解けるという基本問題で終わっている。

受験生たちがたくわえてきた食塩水に関する問題解法の技術のうち、もっとも初歩に手に入れたもので解決できてしまうのは攻玉社の算数らしくない。実にもったいない…

【大問4】立体図形・点の移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分

さて最後の大問は立体図形と点の移動のコラボだ。これは難しいぞ、と思って取り組むと腰が抜けてしまうような設問が並んでいる。これもまた残念な大問だ。
まさか攻玉社の【大問4】にもなって、小5の基本問題に出会えるとは夢にも思わなかっただろう。
(1)(2)など、もうサービス問題は満腹状態だ。

(3)からは2点の移動が加わるがこの(3)が難易度のピークである。しかも、大阪天保山の標高くらい低い(※)。
「PRとQRの長さの和が最も小さくなるような」点をとるには、BHを結んだ直線が通る部分の展開図を作成すればよい。あとは簡単な相似形の問題として処理できる。
このあたりが【大問2】の一行問題だとよいのだが…
ちなみにこの解き方は大切なので誤答してしまった生徒は早くに身につけておこう。

(4)(5)は、立体図形と点の移動コラボで、もっともやさしい設問を作ってしまった、というくらい基本的な問題。時間は十分にあったはずなので、もう少し手強い設問に期待したかった。

※(天保山の標高は4.53mで、日本一低い山と言われていた)

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2020年度では受験者平均・合格者平均から見ると合格点は80点くらいなので,目標を80~90点くらいに定めて勉強を進めるといいだろう。
本年度の問題の場合、難度の高い大問が皆無であったので、最低でも80点、できれば100点を目指してもらいたいテストとなっていた
それだけ問題の難易度が急落しているので来年度の参考にはなりにくいかも知れない。例年の水準であれば目標点は65~70点程度に置けば良いだろう。そのためには一にも二にも基本的問題の解法をしっかりと身につけると言うことである。
ただし本年度も変わらない特徴もあった。1つの大問に対して5つの設問が並べられているところだ。スライド式に設問が難化していくのでどこまでトライできるかが楽しめる。ただし、本年度に関して言えば初心者用のゲレンデのようにその傾斜はゆるかった。

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