攻玉社中学校 入試対策
2018年度「攻玉社中学校の社会」
攻略のための学習方法
形式・分野
2015年度から問題の形式が大幅に変更された。
2014年度までの攻玉社の問題は大問2~3つ、総解答数は35前後で構成され、記号選択と用語記入がほとんどで、100字ほどの記述問題が必ず1問出されていた。また、リード文が長いという特徴があった。
2015年度から、総解答数は25問前後で、単純に記号選択・適語記入と表現できないユニークな問題構成になっている。以前あった長いリード文は無くなった。
特に設問の型が大きく変わっている。3~4つの知識をまとめて問い、合わせて1問の正解になるという形が多い。またクロスワードパズルのように最終的にできあがる4文字の人名・用語を答えさせるものもあった。
ここ数年、長文の記述問題がなかったが、2018年度ではまた100字の記述問題が復活している。
問われる内容は例年と同じで基本的事項が多いが、難易度としては2018年度の合格者平均点は6割6分と、例年よりやや難しくなった印象である。
分野別では地理と歴史の比重が大きく、政治分野や時事問題ではまとまった出題はここのところ見られない点も、例年通りである。
地理分野
総合問題形式で出題されることが多い。各地の地名・地勢・気候や産業の特色などの基本事項が多く訊かれている。
日本全体について広く問われる場合もあればひとつの地域について少し詳しく答える問題もある。
多少の細かい知識を問われることもあるので、白地図などで地域ごとに関連事項を整理しておくとよい。
地図帳もそばに置いて地名や場所を確認しながら進めること。
歴史分野
3分野の中では、歴史分野の出題が多い傾向があるので、特に念入りに学習しておきたい。
内容も、幅広い年代から出題され偏りは無いが、この分野では細かい知識を問われることは少なく、「広い範囲からの浅い」出題が多くなっている。それでも他の分野より難易度が高めである点に注意しておきたい。
人物・年代・政治・文化などについての基本的事項を訊かれる問題と、それを時代の流れに沿って整理させるような設問がよく見られるので、やはり年表の活用が有効となる。
政治・時事問題
憲法や時事関連の設問が「申し訳程度」に1~2問出されるだけの年もあり、地理・歴史と比べてかなり冷遇されている。
しかし、過去に環境をテーマにした設問(平成23年度)も見られ、全く出されないとも言い切れないので、憲法・三権の仕組みなどテキストに載っていることや直近の時事問題などは一通り頭に入れておきたい。
記述問題
出題傾向が変わって以降、長い記述問題が出題されなくなっていたが、2018年度から復活している。
以前の長文記述問題は、字数は100字前後で、書く際に「3~4つの指定された語句を必ず使い、使ったら下線を引く」「字数制限の下限に達しないものは採点しない」などのきまりで出題されていたが、最新年度では100字以内で「2つの指定語句を必ず使い、使ったら下線を引く」という条件だけになっている。
記述対策ということではなくても、やはり普段から新聞やニュースで社会的な問題に触れ、その背景を考えたり、自分なりの意見を持ったりと考えを深めておけば一段階上の実力がつけられるので、ぜひ心がけておいて欲しい。
さいごに
設問の型が大きく変わって戸惑いを覚える受験生も多いと思うが、問題自体は、特別な難しい知識を問われることはないので、テキスト・白地図・資料集で幅広く丁寧な勉強をしてあれば恐れることはない。また、長大なリード文が無くなったので、長文を読むのが苦手な人には楽になったかもしれない。
ただ、「4つの質問がまとまって1つの正解になる」形の場合、時間もその分かかるし、4つのうち1つミスがあると正解にたどり着けないという厳しさは出てくる。幅広い正確な知識が求められている。
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2018年度「攻玉社中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
設問形式が変更されてから、総問題数も25問前後と少なくなった。今年度も25問とシンプルな構成である。
ただし、いくつかの質問を合わせて1つの正解となる形式が多く、その分1問に時間はかかる。
基本的事項を問われる問題が多いのでそれほど迷うことはないだろう。
長文記述問題が今年度は復活しているが、知識を答える問題が多いので40分で足りるだろう。
【大問1】歴史・政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
- ★必答問題
問一
(1)
イ.千葉県は下総国・上総国などと呼ばれていた。
ウ.『魏志』倭人伝に3世紀に邪馬台国の女王・卑弥呼が魏に使いを送ったことなどが記されている。
(2)
ア.ジュネーブにはかつての国際連盟の本部があった。
イ.特別国会は衆議院の解散総選挙後に、総理大臣を選ぶために開かれる。
(3)
イ.メルケルはドイツの首相である。
ウ.イタリアのシチリア島はオリーブとワインが有名である。かつてマフィアの抗争があったことでも知られる。
問二 A―③・B―④・C―①・D―②と入る。
問三
(1)クラーク博士の像がさっぽろ羊ヶ丘展望台にあり、人気の観光地になっている。
(3)2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が満18歳以上に変更された。
(4)尾崎行雄は第一回帝国議会から連続25回当選し国会議員を務めた人物。のちに東京市長も務めている。
(6)指名・任命の権限者をしっかり覚えておこう。
(7)「新しい権利」には他にも「環境権」・「自己決定権」などがある。
問四 2016年時点では、現役世代2.2人で1人の高齢者を支えている計算になる。今後はさらに高齢者の割合が増えるので、アが選べる。エはAの数値がおかしい。
問五
(1)企業(法人)の利益に課されるのが法人税、個人の収入に課されるのが所得税である。
(2)土地・家屋などの不動産にかけられる税を固定資産税という。
(3)消費税は間接税、住民税・事業税は地方税である。
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
問一 岸信介が総理大臣になったのは1957年、大阪万博は1970年である。
問二 ア~オで順番に静岡県・愛知県・岐阜県・滋賀県・京都府となる。
問三 アの熱海は静岡県東部、イの浜名湖は静岡県西部、ウの牧ノ原台地は静岡県中南部、エは京都市の東寺の五重塔である。
問四 東京都に隣接する埼玉県・千葉県・神奈川県が候補に挙がる。このうち最も人口の多い神奈川県がA,大宮などを通る新幹線の利便性などもあり埼玉県がB、Cが千葉県となる。
問五 通勤時間の集中する朝夕の通勤ラッシュ、東日本大震災という過去の例もある災害時の交通の混乱による帰宅困難についてまとめよう。
問六 先の問題からの流れで「新幹線の通る県」と勘違いしないように。あくまで「沿線に位置する県」である。
わかりやすいところから、Cは輸送用機械の割合の高さから名古屋のある愛知県。
Aは印刷に注目して、情報の集中する東京に出版・印刷や情報産業が多いことを思い浮かべる。
Bの窯業は瀬戸・多治見が有名だが、名古屋はCで使ったので、多治見のある岐阜県が考えられる。
問七 木曽三川は東から木曽川・長良川・揖斐川の順で覚えよう。写真は太平洋側を見ているので左が東である。
問八 東京23区内で初めての世界遺産として記憶しておこう。
問九 遠距離の移動に何を使うかを考えてみればよい。
一番距離の長いエが航空、次に長いアが船舶、次のイが鉄道、ウが自動車となる。
攻略のポイント
問題の難易度をみると、本校は中学入試の基本的レベルで安定した実力を有する生徒を望んでいると思われる。
マニアックな知識ではなく、幅広い正確な知識を問われている。
まずはテキストレベルでの確かな学力をつけるべきである。難問・奇問の心配をする必要は無い。
その上で
・歴史・地理に重点が置かれていること
・特に歴史分野で漢字を書かせる問題が多く、他分野より難しめであること。
・設問の形式により、小さなミスが失点につながりやすいこと
といった本校の特徴を念頭に置いて学習を進めることである。
出題の形式は変わっても、テキストレベルの十分な実力があれば対処できる試験なので、傾向の変化に気をもむ必要は無い。パズルのような試験問題を楽しみながら解くくらいの心構えで臨んでほしい。
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