スランプで思うようにピアノを弾けなくなってしまった千弦は、父の提案で祖父母の家でしばらく暮らすことになった。

問一　祖父母に対して謝っているので、アの「親戚全体」はおおげさ過ぎる。そもそも妹が世話になっているのに加えて自分まで転がり込むことになって迷惑をおかけします、といった意味であろうから、イが合う。

問二　Ａ. 趣味の、ある意味子供っぽいともとれるロボットアニメのポスターをはがされて落胆する大人、という図であるからイの表情が合う。

Ｂ. 響音は前から世話になっているのだから、この時点で改まったあいさつをするのは「気はずかしい」ことである。

問三　響音の考えが述べられている部分を探す。最後の方で、お父さんの言葉をもとに「じぶんとまわりを見つめなおしていくためのもの」と考えている箇所があり、字数も合う。

問四　「色の形もちがうピースがあわさって、ひとつの絵をつくる」という例えの意味するところを具体的に考えてみる。「色も形もちがう」は人それぞれに考え方や個性は異なるということで、さまざまに異なる人が集まって家族や友達といった関係を作っているのだという意味であろう。

問五　お父さんの話から、現状ではそれぞれが自分のことばかり考えていて、相手のことを考える余裕がなくなり家族としての繋がりが崩れかけているようである。しばらく離れて暮らすことで自分を見つめ直し、家族との関係もこれまでとは違う視点で考えてみれば、また新たに良い関係を見出せるのではないと、お父さんは考えたのであろう。

問六　子どもたちがいる時でもいない時でも親同士でも、とにかく親子ともども「部分でも全体でも」よく話し合えとおじいちゃんは言っており、しっかり話し合うことの大切さを強調している。

問七　冗談めかした言い方であるが、燈子と暮らすことで「ピースの形が変わる＝千弦と響音に何らかの変化がある」ことを期待している気持ちが垣間見える。このような軽口を叩けるのも妹への信頼があるからである。

問八　「お父さんは、響音ばっかりだと思っていた」とある。自分のことはお母さんに任せっきりでお父さんからは気にされていないのだと千弦は思っていたのである。

問九　姉妹が本音で話し合っている。これまでは遠慮があって触れてこなかった部分であろう。姉が本音で話してくれている以上、姉の「響音はお母さんにほったらかしにされてるって思ってたよね」という指摘に響音も本音で答える(そんなことない、とは言えなかった)しかないのである。

問十　おそらくは過剰だったと思われるピアノへの取り組みや母親からの期待・圧力などといったん距離を取ることで、姉がピアノを自然に弾ける気持ちを取り戻せるのではないかと妹は期待しているのであろう。

俳句文学の解説文で、鑑賞のポイントなどが説明されている。

問一　短歌は字数が多いので「喜びや悲しみを直接言葉にする」余裕があるのに対して、俳句は十七音で「風景を切り取る」「風景を描く」ものと述べられている。

問二　② 鑑賞――芸術作品などを理解し味わうこと。

　　　③ 主眼を置く――「主眼」は主要な目的・主要な点という意味で、そこから「特定のものを重要視する」という意味の慣用句になる。

問三　Ｂの読みでは、石のある場所が旅人たちの格好の休憩場になっている様子を全体としてとらえている景色になる。

問四　解説を読むと、石の存在に主眼を置いたＢの読み方のほうがおもしろいと筆者は考えていることがわかる。

問五　一つが「啄木鳥」であることは明らかだが、もう一つが「牧場」か「落ち葉」かは、やや迷う。牧場の景色の中でも「落ち葉をいそぐ」と秋の訪れの早さに視線が向けられていることから、もう一つは「落ち葉」であるととらえるのがよさそうである。

問六　啄木鳥は木をたたく「音」で、落ち葉は舞い散る様子を「目」で感じ取っている。

問七　「万緑」と「歯が生えてきた我が子」をつなぐテーマは「生命力」であるとして、「自然の生命力と、赤ん坊の生きる力」が呼応していると述べられている。

問八　「闇の深さ」に感動したのであるから、金亀子が無音で夜の闇に消えていくという景色がふさわしい。「音もなく闇に吸い込まれていった」などとすればよいだろう。

①　精製　　②　流氷　　③交易　　④　設営　　⑤　装備　　⑥　頂