国府台女子学院中学部 入試対策
2023年度「国府台女子学院中学部の算数」
攻略のための学習方法
国府台女子学院、算数の満点は100点、合格者平均点は例年7割~8割であるが、今回は64.2点と難化している。なお、満点は算数、国語が100点、理科、社会が60点で、算数と国語の比重が高くなっている。
標準的な問題多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。計算問題と独立小問の比重が高くなっている。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
整数、小数、分数の計算が3題程度出題された。□を求める問題も含まれる。例年、大問1は計算問題が何題か出題される。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。□を求める問題も出題されているので、練習を十分に行って欲しい。
文章題
ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ(旅人算・流水算・通過算など)、仕事算・ニュートン算、過不足算、売買損益算、食塩水の濃さ、などが頻繁に出題されている。また、速さに関する問題はグラフの読み取りと関連して出題されることも多い。今年度も昨年に続いてダイヤグラムについて大問で出題された。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集の例題・類題・基本問題・練習問題の問題演習をしっかり行って欲しい。
数に関する問題
今年度は数の性質、暦に関して独立小問で出題された。ここ何年かでは、割り算のあまりに関する問題、場合の数、規則性(分数数列)などの出題が見られる。この領域においても極端な難問は見られない。幅広くいろいろな問題を練習して頂きたい。
平面図形
面積や角度を求める問題は毎年出題さている。今年度は求積問題・求角問題の2題が小問で出題された。ここ何年かを見ると、図形上の点の移動についても頻繁に出題されている。ここでも際立った難問は見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は小問で回転体の体積を求める問題が見られた。過去の出題を見ると、水槽に水を入れた時の深さの変化に関する出題が頻繁に見られる。グラフの読み取り問題としての出題が多いので、「水の深さの変化を表すグラフ」に関する出題が今後予想される。しっかり対策しておきたい。
今回出題された回転体の求積問題についても練習しておくこと。
グラフの読み取り
ダイヤグラム、点の移動、水の深さの変化に関する出題では、グラフの読み取り問題が頻繁に出題されている。今後もこの傾向は続くと思われるので、しっかり練習を行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい
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2023年度「国府台女子学院中学部の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が3題、独立小問が11題、大問が1題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。今年度の合格者平均点は64.2点で、ここ数年の中では最も難度が高かった。すべての小問数は18で多くはない。あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。
計算問題と小問が占める割合が高く、ここでの得点が合否を分ける大きなポイントになる。計算ミスなどによる失点は禁物である。
【大問1】計算問題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
(1)整数の四則計算
(2)整数、分数、小数の四則混合計算
(3)□を求める問題
いずれも標準レベルの計算問題であり、落ち着いて正答したい。
【大問2】小問集合(文章題・他)
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
(1)過不足算。全体の差÷1人あたりの差=人数となる。
(2)通過算。2つの電車の先頭に注目すると、350m離れたことになるので、350÷(20+15) より、10秒。
(3)相当算。もとにする量の変化に注意すること。本全体のページ数を1とすると、1日目に0.4、2日目に0.36、3日目に0.108 合計0.868読んだことになる。33÷(1-0.868)より、250ページ。
(4)数の性質。Aが青に変わる時間は9の倍数+3、Bが黄に変わる時間は18の倍数+12、Cが赤に変わるのは21の倍数。すべてが最初に成立するのは84秒後。
(5)ニュートン算。1分で1つの入口から入る人数を①として2本の線分図を描くと、①=5人であることがわかる。5×30-30より、120人。
(6)食塩水の濃さ。5%の食塩水50gと8%の食塩水200gを混ぜると、7.4%の食塩水ができる。7.4%の食塩水50gと容器Aに残っていた5%の食塩水を混ぜると5.4%になったので、面積図またはてんびん図を使って解くと、容器Aに残っていた食塩水は250g。従って、Aに入っていた食塩水は300g。
特殊算を中心とした小問の集合。典型題が中心だが、ややレベルの高い問題も含まれる。間違えた問題については、テキストの例題等に戻って問題演習に時間をかけたい。
【大問3】小問集合(暦・流水算)
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)暦の計算。□を埋めながら解き進めていく形式になっている。平年では1年後の同じ日付では曜日が1つだけ進むが、間に2月29日が入ると、曜日が2つ進む。うるう年は4出割切れる年なので、2020年、2024年、2028年・・・がうるう年になる。
(2)流水算。計算や考え方の記述指定問題。下りは6000÷12 より分速500m、上りは、6000÷20 より分速300m。6000÷(500+300)より、7.5分後に出会う。
暦の計算および流水算。いずれもテキスト等で見られる典型題である。
【大問4】小問集合(平面図形・立体図形)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)平面図形の求角問題。円の中心に点を打ち8等分された円周上の点と結ぶと、隣り合う2つの点と結んだ線の間が45度になることを利用。
(2)台形の面積から半径3cm中心角90度のおうぎ形と半径5cm中心角270度のおうぎ形の面積を引けばよい。
(3)立体図形 回転体の求積問題。まずは、回転してできる立体の見取り図を描くこと。底面の半径が6cm高さ9cmの円すいから底面の半径が2cm高さ3cmの円すいを引いた立体と、底面の半径が3cm高さ9cmの円すいから底面の半径が2cm高さ6cmの円すいを引いた立体の2つを合わせた体積になる。
平面図形から2題、立体図形から1題の小問集合。回転体の求積問題では、どのような立体が出来上がるのかを図で描けるかどうかがポイントになる。苦手な方は、これを機会に練習しよう。
【大問5】速さとダイヤグラム
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
(1)妹は家から公園まで16分かかっているので、60×16 より、960m。
(2)2400÷60+10 より、妹と姉が公園に着いたのは妹が家を出てから50分後。姉は42分間で3360m歩いているので、姉の速さは3360÷42 より毎分80m。
(3)妹が家を出てから26分後、妹は家から960mの公園、姉は家から480m地点にいる。その後アの時刻までに妹が進んだ距離を③、姉が進んだ距離を④とすると、480+④:960+③=9:7となればよい。
(4)兄の進む様子をグラフに描き入れて考えること。兄が姉を追い越したとき、兄と妹は(200-60)×3 より、420m離れていたことになる。(3)より、26分後に姉と妹は480m離れていたので、(480-420)÷(80-60)+26より、兄が姉を追い越したのは、妹が家を出てから29分後。その地点は、80×9より、家から720m地点。兄が720m進むのに3.6分かかるので、29-3.6より、妹が家を出てから25.4分後とわかる。
速さとダイヤグラム(進行グラフ)に関する出題。ダイヤグラムについての出題は昨年に続いてであり、本校の入試では頻出。(1)(2)は解きやすい問題だが、(3)(4)はややレベルが高く思考力が求められる。
攻略のポイント
計算問題と独立小問が中心で、大問は1題のみの構成になっている。
小問集合では、食塩水の濃さ、過不足算、通過算、ニュートン算、平面図形の求積、立体図形の求積などが出題された。塾のテキストや問題集の例題などでみかける典型題が中心だが、ややレベルの高い問題も含まれていた。大問は昨年同様に速さとダイヤグラムについての出題であった。速さとダイヤグラム、水量変化とグラフなどグラフの読み取り問題は本校の入試では頻繁に取り上げられており、今後もその傾向は続くものと思われる。
本校算数の出題では、計算問題と小問の比重が非常に高くなっている。従って、本校攻略のポイントとして、計算問題と小問集合で確実に得点することがあげられる。そのためには、①毎日の計算練習を怠らず行い、正確な計算力を身につけること。②テキストの例題・類題・基本問題・標準問題を徹底的に解き、すべての単元の基本をしっかり身につけること。以上が大切なポイントになる。さらには、出題頻度の高いダイヤグラムや水量変化などのグラフの読み取り問題の練習に力を入れて欲しい。
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