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明治大学付属明治中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「明治大学付属明治中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は4つで長文読解1題と漢字・ことばの知識で3題という形がここ数年続いている。
長文読解については、素材文は年度により説明的文章の場合と文学的文章の場合がある。説明的文章は4000字ほど、文学的文章は7000字ほどの文量で出されている。総解答数は40問を超えるくらいである。設問はことばで答える問題が多く、書き抜きや文中の言葉を用いて答える問題と選択肢問題とは2対1ほどの割合である。
漢字を含めたことばの知識がしっかり出題されるのが本校の特徴と言える。配点で4割ほどもあるので、けっしておろそかにはできない。

[長文読解問題]

説明的文章・文学的文章ともに難解な文章は使われていないので読みやすい。文章量も多すぎることはないので、平均的なスピードがあれば読み切れるだろう。
ことばで答える問題が多いが、「文中の言葉を用いて」という指定がつくので、文中から適切な部分を見つけて組み合わせることで答えられる場合が多い。いわゆる「論説的」な記述問題は出されていない。選択肢問題も無理に迷わせるような意地悪な選択肢にはなっていない。読解力があれば正確に答えられる。

長文読解の基本をしっかりマスターしよう。

【論説的文章】
   段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
           に書いてしまうとわかりやすい。

   要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。
          説明や言い換えなどは細部にあることが多い。

   要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。
          つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
 
【文学的文章】
   人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。
          性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
   
   場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。
          場面の変わり目を訊かれる問題もある。

   心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。
          多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

   主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、
          よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、
          テーマをとらえる力もより付くことだろう。

[ことばの知識]

熟語の組み立て・四字熟語・慣用句・係り受けなど、文法も含めたことばの知識がしっかり
と出題されている。面倒に感じる人もいるだろうが、読解力の基礎となる部分でもある。語
彙が多いこと・文章を正確に理解できることは、読解力の根本ともいえる重要な能力である。
読書量の多い人は意識しなくてもこの部分が鍛えられている場合が多いだろうが、そうで
あっても、教材で体系的に学んでおくことは大事である。
配点も高い部分なので、専用の教材で丁寧に学習しておくべきである。

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2024年度「明治大学付属明治中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

素材文の文量は約10000字。読解問題23問・漢字10問の計33問で時間は50分。100字の記述2問を含めて、長短9問の記述問題が出されている。記号選択問題が少なく、書く問題が多いので、読むスピードとともに記述の的確なまとめ方などの練習が必要である。配点の大きい問題なので、空欄は避けて部分点は確保したい。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:47分
  • ★必答問題

あいまいな言葉が多い社会で言葉の意味を正しく理解するためには、いろいろな経験にぶつかり、それを偏見無しに見つめてどういう表現をしたらいいか、十分に考えてみることが必要であると述べている。

問一 犬種・種類など。

問二 2. (例)馬を中心として円のように動いている(十七字)

3. (例)馬の全体の姿を一周して見ていない(十六字)

問三 論理として正しいのは選択肢アである。

問四 主に二点挙げている。一つは、すべてのものに違った名前を付けてすべての人間がそれを使う、というのは無理であること。もう一つは、ものの感じ方や気分についてはそれぞれの国の伝統や社会の在り方に深いつながりがあり、共通の基準など決められないということ。この二点をまとめればよい。

問五 ② 「これ」は「ほかの国」の場合を指している。英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語では、自分を表す語が一つしかないこと。

 「これ」は「まちがい」であるから、直前の「わたしたちが使う語のさすものが、じっさいの世界の中にもあるのだと考える」のことである。

 みんなが求めているのは、「あいまいな議論をやめて、もっとはっきりした問題をつかまえて、一歩一歩すすんでいくべき」ことである。

問六 色めがね――先入観にとらわれた見方・偏った見方を表す。

問七 5. 白い円  6. 黒い円  7. 黒い三角  8.丸い図形  9. 黒い図形

問八 チルチル・ミチルは『青い鳥』と言う童話の登場人物で、幸せの青い鳥を探しにいくという話になっている。

問九 求めるものを遠くに探してしまうということであろうから、本文に沿えば「真理や美や善が自分の外にあるように思ってしまうこと」などとまとめればよい。

問十 2行あとで「やりたいことが……はっきりしてくる」とあるので、先生の質問は「入学して何をやりたいか・どんな勉強をしたいか」といった内容だったと考えられる。

問十一 直前の「語の意味をはっきりさせることも必要です」を受けて、Dがつながる。Dの内容を「別の言葉で言いかえ」ているのがCである。Cの内容を「こうして」と短く説明しているのがAであり、C・Aを「このように」とまとめたのがBとなるので、D→C→A→Bと並ぶ。

問十二 12. 抽象的  13. 比喩的  14. 気分的

問十三 「いままで言ったことからかならず、ひとりでにつぎのようなことが言われる」は「順接の接続詞」の働きであると考えられるので、ふたりのことばに共通して使われている「だから」が抜き出せる。

問十四 最後の四段落にまとめられている。あいまいな言葉が多い社会においては「理くつを言うという気持ちがたいせつ」で、ことばの意味を正しく理解するためには「いろいろな多くの経験にぶつかり、それを偏見なしにみつめて、どういうことばでそれらを表現したらいいか、ということを十分に考えてみることが必要」であると書かれているのが筆者の意見の概要である。

【大問二】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • 1.  視野  2. 郵便  3. 陸橋  4. 創設  5. 権利  6. 臨海

    7. 投票  8. 建造  9. 暖(かな)  10. 管

攻略のポイント

●特徴である「簡潔な設問文」、「少ない情報」の中でいかに「設問内容」を的確に把握できるかが「攻略ポイント」。受験生自らが「必要な要素」を補足して捉え、「何が問われているのか」「何をどのように答えればいいのか」を適切に判断しなくてはいけない。それによって「失点」を防ぎたい。「合格ライン」は6割弱(過去11年間平均の「合格者平均得点率」は61.3%、本年度は上がって66.3%)、当然ながら「無意味な失点」が合否を左右すると心得よ。

●出題数の多い「説明記述対策」も怠ってはならない(本年度は全10問)。正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法をマスターすること。それぞれの「要素」を「20~30字程度」でまとめられるように徹底的に練習することが必要だ。「字数指定」がないものが多いので、様々なパターンに対応できるようにしておくこと。尚、「記述問題中の誤字・脱字にも十分気をつけて下さい。句点のないものも減点対象」(本校HP)とあるので要注意。

●本年度は大問として独立した「総合的知識問題」も侮れない。今後はさらに、「高度な語彙力」だけではなく、「文法」も含めた「あらゆる知識」が問われることになる。本校を志したその瞬間から、独自に「幅広い知識」を常に習得していくこと。塾での学習だけでは全く不十分なので、「独習」は欠かせない。

●試験時間は50分。近年の問題文のボリュームは10000字超のこともある(本年度も約10200字)。いかに速く読み取れるかが勝負だ。本校HPでも「長文問題では速読速解の力が求められていますので,文章に読み慣れておく必要があります」と指摘されている。分速800字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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