明治大学付属明治中学校 入試対策
2019年度「明治大学付属明治中学校の理科」
攻略のための学習方法
明治大学付属明治中の理科の得点は、例年75点満点。
基本的な問題が中心で、実験や観察の結果(グラフ・表など)をもとに考えるタイプの問題も多い。化学や物理の計算問題も例年出題されるが、難問はほぼ出題されない。実験器具の使い方、時事的な内容を含む問題も出題されることがある。
明大明治入試攻略のためには、まずは基本知識の定着、そして秋以降には、計算問題練習、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行って頂きたい。
演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
時事問題対策としては、日頃からニュースや天気予報に関心を持つことが最も大切である。入試直前には、時事問題対策の問題集なども利用して頂きたい。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は「植物のつくり」「動物の分類」について出題された。
今後も、植物のはたらき、植物や動物の分類、昆虫について、食物連鎖について、人のからだの働きについてなどの基本知識に関する出題が多いと予想される。
これらの分野も、単なる丸暗記ではなく、実験や観察を通して考えさせる問題の演習もしっかり行って欲しい。例えば、植物の光合成や蒸散作用に関する実験なども出題される可能性があるので、しっかり学習して頂きたい。
地学分野
本年度は「星と星座」に関する出題であった。
過去の出題を見ると、この分野ではやはり天体に関しての出題が多い。
この分野の学習についても、まずは知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・季節の星座や星の動き・太陽の動きに関しては、今後も出題されることが十分予想される。天体の動きに関しては、単なる丸暗記ではなく、どうしてそう動いて見えるのかという理屈もしっかり理解して欲しい。また、気象(台風について、フェーン現象についてなど)、地震や火山噴火について、岩石や地層についての出題も十分考えられる。
どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行って頂きたい。
物理分野
本年は「音の速さ」「ふりこの運動」についての出題であった。
過去の出題傾向を見ると、「力のつりあい」「電気」の出題頻度が高くなっている。
この分野の学習としては、てこのつり合いや浮力など力のつりあいについての計算問題をしっかり練習して頂きたい。また電気については、豆電球の明るさだけでなく、電熱線の発熱などについてもしっかり学習して欲しい。
化学分野
本年度は「二酸化炭素の発生」「気体の性質と実験器具」に関する出題であった。
過去の出題傾向を見ても、水溶液の性質・気体の性質に関する出題頻度が高い。今後も中和反応・水溶液と金属の反応・金属の燃焼・溶解度等に関する計算問題出題されることが予想される。
この分野の対策として、まずは水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を確実に固めて頂きたい。その上で、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習もしっかり行うことが必要である。
各分野の共通事項として、実験や観察の進め方、実験器具の使い方についてしっかり学習して頂きたい。また、時事問題対策としては、入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、活用して欲しい。
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2019年度「明治大学付属明治中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は7題、小問数は35題程度で75点満点。(算数、国語は100点満点)試験時間は40分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、記述問題はなかった。
塾のテキストなどで見られる標準的な問題が中心で、際立った難問は見られない。基本知識を問う問題、実験に関する説明や結果についての出題が多い。
問題数はやや多いが、時間内で十分に処理できる内容なので、落ち着いて取り組んで頂きたい。
【大問1】化学 二酸化炭素の発生
- 難度:標準
- 時間配分:6分
(1) 塩酸と炭酸カルシウム(石灰石)を混ぜることにより発生する気体は二酸化炭素。
(2) グラフの折れ曲がり箇所を読み取ること。
(3) 5gの炭酸カルシウムと15㎤の塩酸が反応して2.20gの気体が発生するので、実験2で残った2gの炭酸カルシウムと反応する塩酸は6㎤で、発生する気体は0.88g。
(4) 30㎤の塩酸と反応する炭酸カルシウムは10g、発生する気体は4.40g。
二酸化炭素発生に関する基本知識、グラフの読み取り、計算問題で、いずれも基本的なもの。
確実に正答したい。
【大問2】化学 気体の性質と実験器具
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)(2)実験器具に関する問題。この実験で、ろうと台は使用しない。
(3)実験結果から水溶液を判別する問題。
Aはアルカリ性で、固体が溶けたものではないのでアンモニア水
Eは中性で加熱した際に黒くこげたのでさとう水である。
(4)紫キャベツ液の色の変化に関する問題。
実験器具や水溶液の性質に関する基本問題。
ここでの失点が多かった場合は、主な実験器具の名前と使い方、主な水溶液の性質、指示薬の色の変化に関して復習して頂きたい。
【大問3】地学 星と星座
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 北斗七星、カシオペヤ座の位置から北の方角を見つけること。
(2) 夏の代表的な星座と星についての問題。西の空に見えるのは春の代表的な星座であるおとめ座のスピカであることに注意。
(3)火星は20時に東の空から少し高いところに見えていることから、0時頃には真南に見えると考えられる。金星は朝早く(明けの明星)、夜の早い時間(宵の明星)のいずれかで見ることができる。この場合は宵の明星で西の空に見える。
(4)金星は時計回りに自転することに注意。
季節の代表的な星と星座、および、惑星に関する出題。
ここで得点できなかった場合は、各季節の代表的な星座と星、星の日周運動と年周運動、金星の見え方、各惑星の特徴などこの単元の学習を幅広く行って頂きたい。
【大問4】生物 植物のつくり
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) ~(3)エンドウとトウモロコシの種子のつくりに関する出題。エンドウは無胚乳種子、トウモロコシは有胚乳種子。無胚乳種子であるエンドウは、子葉に養分を蓄える。
(4)トウモロコシの茎の模式図に関する出題。単子葉類であるトウモロコシの茎には、形成層がない。維管束の中の外側が師管、内側が道管。
(5)単子葉類であるトウモロコシの葉脈は平行脈、双子葉類であるエンドウの葉脈は網状脈である。
植物の種子、茎、葉のつくりに関する基本問題。ここは確実に正答したい。
ここでしっかり得点できなかった場合は、まずは、有胚乳種子と無胚乳種子のつくり、双子葉類と単子葉類の茎、葉、根のつくりの違いを整理し、理解して欲しい。
また、主な単子葉類の植物はこの機会で覚えて欲しい。
【大問5】生物 動物の分類
- 難度:易
- 時間配分:5分
(1) セキツイ動物か無セキツイ動物かの分類に関する問題。トンボだけ無セキツイ動物。
(2) 胎生か卵生かの分類に関する問題。イヌはほ乳類なので胎生。
(3) うろこでおおわれているのは、は虫類であるワニと魚類であるメダカ。
(4) 恒温動物であるのは、ほ乳類であるイヌと鳥類であるニワトリ。
(5) 「羽毛」を持つ恐竜が進化したと考えられるのは鳥類。
動物の分類に関する知識問題。これも確実に正答したい。
【大問6】物理 音の速さ
- 難度:標準
- 時間配分:6分
(1) 1020m先から秒速340mで音が伝わるので、1020÷340=3秒後
(2) 車は秒速15mで動くので、1020-15×10=870m
(3) 870÷340=2.558・・・ 四捨五入して2.6秒
(4) 10-3+2.6より9.6秒間
音の伝わる速さに関する問題。
(4)はやや迷う可能性があるが、全体的には算数で学習する速さの計算ができれば処理できる内容の出題になっている。
【大問7】物理 ふりこの運動
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 10回測りその平均値をとることで測定結果の精度を上げる。
(2) 実験結果の表より最下点にきたときの速さとおもりの重さは関係しない。
(3) ふれはばと10往復にかかる時間が関係していないことから、ふれはばが大きいほど最下点における速さは速いと考えられる。
(4) ふれはばとおもりの重さは10往復にかかる時間に影響しない。従って、実験3の結果より28秒。
(5) 左半分は100cmのふりことして、右半分は50cmのふりことして動く。
(6) ふりこをはなした同じ高さまで上がる。
ふりこの運動に関する標準的な出題。
(5)(6)のくぎを打った装置の問題は問題集やテキストでよく見かけるもの。間違えた場合は、同様の問題で練習しよう。
攻略のポイント
基本的な知識を身につけていれば解答できる問題、実験結果など与えられたデータに従って考えていけば解答できる問題、基本的な計算問題が中心。難問や奇問は一切含まれていない。
明大明治入試の対策としては、まずは基本知識を確実に固めることがあげられる。特定の分野に山をかけるのではなく、すべての分野の基本知識を確実に固めて欲しい。その上で、実験や観察の結果をもとに考えるようなタイプの問題演習をしっかり行って頂きたい。
また、力のつり合いなど物理の計算問題および溶解度や中和反応など化学の計算問題の練習には時間をかけて欲しい。各分野の実験や観察については、その進め方と実験器具の取り扱い方も確認しておきたい。
また、時事問題が出題される年度もあるので、日頃からニュース・天気予報などにも関心を持って欲しい。
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