明治大学付属明治中学校 入試対策
2022年度「明治大学付属明治中学校の理科」
攻略のための学習方法
明治大学付属明治中の理科の得点は、例年75点満点。基本的な問題が中心で、実験や観察の結果(グラフ・表など)をもとに考えるタイプの問題も多い。化学や物理の計算問題も例年出題されるが、難問・奇問はほぼ出題されない。実験器具の使い方、時事的な内容を含む問題も出題されることが多いことも特徴。明大明治入試攻略のためには、まずは基本知識の定着、そして秋以降には、計算問題練習、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行って頂きたい。演習に使う問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
時事問題対策としては、日頃からニュースや天気予報に関心を持つことが最も大切である。入試直前には、時事問題対策の問題集なども利用して頂きたい。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は「世界自然遺産」および「人のからだの働き」について出題された。世界自然遺産は過去に登録された場所など、時事的内容を含む。人のからだの働きについては、ここ数年を見ても出題頻度が高い。今後は、人のからだの働き、植物、動物の分類、昆虫、食物連鎖など幅広く出題されることを想定して欲しい。学習方法としては、これら各単元の基本知識を固めるとともに、実験や観察を通して考えさせる問題の演習もしっかり行って欲しい。例えば、植物の光合成・だ液の働きに関する実験なども出題される可能性があるので、しっかり学習して頂きたい。
地学分野
本年度は「星」に関する出題であった。過去の出題を見ても、天体に関しての出題が多い。この分野の学習についても、まずは知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・季節の星座や星の動き・太陽の動きに関して出題されることが十分予想される。天体の動きに関しては、単なる丸暗記ではなく、どうしてそう動いて見えるのかという理屈もしっかり理解して欲しい。また、気象、地層・岩石、地震や火山噴火についての出題も十分考えられる。どれが出題されても大丈夫なように、基本の確認・問題の演習を十分行って頂きたい。
物理分野
本年は「ばね」「LED・電気回路」についての出題であった。過去の出題傾向を見ても、「力のつりあい」「電気」の出題頻度が高くなっている。この分野の学習としては、てこのつり合いや浮力など力のつりあいについての計算問題をしっかり練習して頂きたい。また電気については、豆電球の明るさだけでなく、電熱線の発熱などについてもしっかり学習して欲しい。光、音についての学習についても怠りないように。
化学分野
本年度は「水溶液の性質」および「酸素の性質」に関する出題であった。今回この分野における計算問題は見られなかった。過去の出題傾向を見ると、中和反応・水溶液の性質・気体の性質に関する出題頻度が高い。今後も中和反応・水溶液と金属の反応・金属の燃焼・溶解度等に関する出題が予想され、今回なかった計算問題も想定される。この分野の対策として、まずは水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を確実に固めて頂きたい。その上で、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習もしっかり行うことが必要である。
各分野の共通事項として、実験や観察の進め方、実験器具の使い方についてしっかり学習して頂きたい。また、時事問題対策としては、入試直前期には時事問題対策の本が各塾や出版社から出されるので、活用して欲しい。
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2022年度「明治大学付属明治中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は7題、小問数は30で75点満点(算数、国語は100点満点)。試験時間は40分で例年通りであった。合格者平均は56.4点で、例年60点前後のレベルを保っている。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、記述問題は見られなかった。塾のテキストなどで見られる標準的な問題が中心で、際立った難問は見られない。基本知識を問う問題、実験や観察に関しての出題が多い。問題数が多いので、できる問題からてきぱきと埋めていきたい。
【大問1】化学分野 水溶液の性質
- 難度:易
- 時間配分:4分
- ★必答問題
A:アルカリ性で刺激臭がある⇒アンモニア水⇒エ
B:酸性で刺激臭がある⇒うすい塩酸⇒ア
C:うすい塩酸以外の酸性⇒炭酸水⇒オ
E:アルカリ性で息を吹き込むと白くにごる⇒石灰水⇒カ
D:アンモニア水・石灰水以外のアルカリ性の水溶液⇒水酸化ナトリウム水溶液⇒イ
中性の水溶液⇒食塩水⇒ウ
実験結果から水溶液を識別する問題。リトマス紙の色の変化・においなど基本的な知識あ
れば簡単に識別可能な易問。間違えた場合は知識不足なので、「水溶液の性質」について知
識の整理を行うこと。
【大問2】酸素の性質
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)酸素の発生に必要な液体は「過酸化水素水」、固体は「二酸化マンガン」。
(2)酸素は水に溶けにくいので、水上置換法で集めることが適している。
(3)酸素は空気より若干重く、水に溶けにくい。
(4)空気中の約78%が窒素、約21%が酸素。
酸素の性質に関する知識問題。間違えた場合は、酸素および他の気体について、性質や集め方について知識の整理を行うこと。
【大問3】生物分野 世界自然遺産
- 難度:標準
- 時間配分:5分
(1)ひらがな指定の知識問題。2021年に世界自然遺産に登録されたのは「あまみ大島、徳之島、沖縄県北部、いりおもて島」。1993年に登録されたのは「白神山地とやく島」、2011年に登録されたのは「おがさわら諸島」。
(2)スギは胚珠がむきだしの裸子植物、風媒花で、雌花と雄花があるので完全花ではない。
(3)鳥類は脊椎動物であり、陸上にからのある卵を産む。
(4)固有種に対して、他の地域から持ち込まれた生物は「外来種」である。
世界自然遺産をテーマにした出題。(1)の世界自然遺産に登録された地域についての問題は、完全に正答できればその知識力は素晴らしい。逆に(2)以降は易問であり、確実に正答したい。
【大問4】生物分野 人のからだの働き
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) タンパク質は胃液に含まれる「ペプシン」という消化酵素で消化されて「ペプトン」になり、さらに膵液や腸液に含まれる消化酵素で消化され「アミノ酸」になる。
(2)消化酵素についての選択肢問題。
(3)小腸と肝臓を結ぶ血管は門脈(肝門脈)。
(4)酸素を使って棟を分解しエネルギーを得る働きは「呼吸」。
(5)血液と酸素に関する選択肢問題。
消化・呼吸・血液循環など人のからだの働きに関する出題。(1)には消化酵素の名前などやや細かい知識を必要とする問題が含まれている。正確な知識が身についているかが問われる内容になっている。
【大問5】地学分野 星
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 宵の明星・明けの明星についての説明なので、金星。
(2) 金星は惑星なので、太陽の光を反射して光っている。
(3) 金星は地球の内側の軌道を公転している。問題文より、位置は太陽の西側(図では右側)になる。
(4)(5)Bははくちょう座のデネブ、Cはこと座のベガ、Dはわし座のアルタイル。この三つは夏の大三角であり、0時に南中するのは7~8月ごろ。
(6)夏の星座であるさそり座のアンタレスを選択すること。
(7)調布市より札幌市の緯度が7度高いので、アルタイルの南中高度は7度低くなり、56度になる。太陽の南中高度同様、星の南中高度は北に行くほど低くなる。
金星と夏の大三角を中心とした星についての出題。金星の動きと見え方・夏の星座と動きなどについて、知識の蓄積が十分にあるかどうかで明暗が分かれるであろう内容になっている。
【大問6】物理分野 ばね
- 難度:標準
- 時間配分:7分
(1) 30gのおもりをつるしたので、点Pにはたらく力は30g。
(2) ばねAは10cm伸びて30cmになっている。10gで2cm伸びるので、ばねAがおもりを引く力は50g
(3) 200+60 より、260g。
(4) 10gのおもりをつるすと、Aは2cm、Bは8cm、合計10cm伸びる。合計15cm伸びているので、おもりの重さは15g。
(5) Aに25gのおもりをつるすとAは5cm伸び、AとBおよびおもりの長さの合計が55cmになる。図5ではそこからに5cm縮んでいる。縮む長さの比は1:4なので、Aは1cm縮んで24cmになる。
ばねに関する出題。「おもりの重さとばねの伸び(縮み)の長さは比例する」という基本さえ理解できていれば正答可能な問題が並んでいる。(5)のみやや難。
【大問7】物理分野 LED・電気回路
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
(1)(2)LEDは一方向にしか電気が流れないことがポイント。
(3)棒の両端が金属板Aに接していればよい。1周(360度)のうち120度分がその時間にあたるので、5分間(300秒)では、300÷3 より、100秒。
(4)光る時間と光る角度の比が同じになることがポイントとなる。電球と赤色LEDと緑色LEDが光る時間の比は、180:60:240より、3:1:4
LEDと電気回路についての出題。LEDの性質について理解不足の場合はしっかり学習して欲しい。(1)(2)は正答したい問題。(4)はやや難問。
攻略のポイント
基本的な知識を身につけていれば解答できる問題、実験結果など与えられたデータに従って考えていけば解答できる問題、基本的な計算問題が中心。大問7に難しい出題が見られたが、それ以外で確実に得点を伸ばしていきたい。
明大明治入試の対策としては、まずは基本知識を確実に固めることがあげられる。特定の分野に山をかけるのではなく、すべての分野の基本知識を確実に固めて欲しい。その上で、実験や観察の結果をもとに考えるようなタイプの問題演習をしっかり行って頂きたい。また、力のつり合いなど物理の計算問題および溶解度や中和反応など化学の計算問題の練習には時間をかけて欲しい。
また、時事問題が出題されることも特徴の一つ。今年度も世界自然遺産について出題された。日頃からニュース・天気予報などにも関心を持って欲しい。
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