明治大学付属中野中学校 入試対策
2018年度「明治大学付属中野中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4つで長文読解1題と漢字・ことばの知識で3題という形がここ数年続いている。
長文読解については、素材文は年度により説明的文章の場合と文学的文章の場合がある。説明的文章は4000字ほど、文学的文章は7000字ほどの文量で出されている。総解答数は40問を超えるくらいである。設問はことばで答える問題が多く、書き抜きや文中の言葉を用いて答える問題と選択肢問題とは2対1ほどの割合である。
漢字を含めたことばの知識がしっかり出題されるのが本校の特徴と言える。配点で4割ほどもあるので、けっしておろそかにはできない。
[長文読解問題]
説明的文章・文学的文章ともに難解な文章は使われていないので読みやすい。文章量も多すぎることはないので、平均的なスピードがあれば読み切れるだろう。
ことばで答える問題が多いが、「文中の言葉を用いて」という指定がつくので、文中から適切な部分を見つけて組み合わせることで答えられる場合が多い。いわゆる「論説的」な記述問題は出されていない。選択肢問題も無理に迷わせるような意地悪な選択肢にはなっていない。読解力があれば正確に答えられる。
長文読解の基本をしっかりマスターしよう。
【論説的文章】
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
に書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。
説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。
つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
【文学的文章】
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。
性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。
場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。
多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、
よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、
テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[ことばの知識]
熟語の組み立て・四字熟語・慣用句・係り受けなど、文法も含めたことばの知識がしっかり
と出題されている。面倒に感じる人もいるだろうが、読解力の基礎となる部分でもある。語
彙が多いこと・文章を正確に理解できることは、読解力の根本ともいえる重要な能力である。
読書量の多い人は意識しなくてもこの部分が鍛えられている場合が多いだろうが、そうで
あっても、教材で体系的に学んでおくことは大事である。
配点も高い部分なので、専用の教材で丁寧に学習しておくべきである。
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2018年度「明治大学付属中野中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は小説が用いられた。文量は6600字ほどで、総解答数は42問。
ことばで答える問題が多いが、選択肢問題は文量も少なく簡潔であるので取り組みやすい。
後半の知識問題はしっかり覚えてあればテンポよく解ける部分なので、ここでうまく時間と点を稼ぎたい。
【大問一】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:38分
- ★必答問題
認知症の症状が出ていた祖父だったが、亡くなった祖母との小さな約束を覚えていたことに主人公は心を動かされる。
問一 部屋の空気について直前でも同じような感想が述べられているので、そこを抜き出す。
問三 同じ文中には主語が無い。前の文と同じなので省略されている。
問四 介護スタッフの林さんから、介護に慣れていない主人公に向けてのアドバイスである。主人公を焦らせないように、必要なことはしっかり伝えるような言い方が良い。
問六 墓参りに慣れていて動きがスムーズである様子。
問七 祖父の墓参りに関する行動は認知症の影響を感じさせないしっかりした動きだったが、墓に備えたばかりのものを食べてしまった。その最後の一点を指していると思われる。
問八 この「奇行」は祖父が急に供え物の求肥を食べてしまったことである。羽化が近いセミを捕まえて入れるつもりだったからだが、一文で抜き出すなら「ケースを空にするためだった」の文で良いだろう。
問九 G.祖母がセミの羽化が見たいといった→(だから)佑、幼虫探しに行ったじゃない、とつながる。
問十一 セミの幼虫は祖母(まだ生きていると祖父は思っている)に見せるためと、最後に「花の部屋にも」と言っているので、施設の「キワ子さん」にも見せたいと思っている。
問十二 傍線直後で、理子に対して林さんからの受け売りだとして発している言葉がある。
問十三 後半に、祖父が求肥を食べたのは箱を空にしてセミの幼虫を入れるためだったと、主人公が気づく場面がある。祖父の行動には意味があったのだと考えている。
問十五 係り受けの問題は、できるだけ短くして正確に意味が取れる部分にかかると考えるとわかりやすい。「母の――声が(した)」という構造である。この「の」は「~の~」という形で連体修飾(名詞に係る)をつくる。
問十六 少し後で祖母に羽化を見せた時の記憶も書かれているが、答えるのは「幼虫探し」の記憶の部分だけでよい。
問十七 ここはセミの「重み」よりも、やかましいくらいの「鳴き声」で木が震えるイメージだろう。
問十八 ある部分を強調するために語句の順番を入れ替える「倒置法」。「おばあちゃんが、羽化するところ見たいんだって。」が通常。
問二十一 この「殻」は中身の無い抜け殻のことである。「抜け殻」→「中身が入っている」→「それが幼虫」という流れの文が、「幼虫探しの記憶」部分にある。
【大問二】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:5分
④晴耕雨読――天気が良ければ農作業をし、悪ければ家で読書をする。
⑤三寒四温――3日間寒い日が続くと4日間暖かい日になるという、7日周期の冬の天候を表している。日本では春が近いという意味で使われる。
【大問三】熟語の組み立て
- 難度:標準
- 時間配分:3分
① 似た意味の組み合わせ。
② 上の字が下の字を連体修飾。
③ 打消しの語(非・未・不・無)が上に付く。
④「○○を××する」の意味で下から読む。
【大問四】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
難問ではないので、8問以上の正解を狙いたい。
攻略のポイント
説明的文章・文学的文章のどちらが出されるかは、学校側の考え次第である。どちらが使われても実力を出せるように、苦手な方の力を底上げしておこう。
ことばで答える問題が多い分は手間がかかる。誤字・脱字などは減点される恐れもあるので、慎重に書く意識を持とう。
漢字とことばの知識は全問正解を目指すくらいの気持ちで、得点源としよう。地味な努力になるが、読解力の基礎になる部分である。その日の調子に関係なく得点できる分野でもある。
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