明治大学付属中野中学校 入試対策
2021年度「明治大学付属中野中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4つで長文読解1題と漢字・ことばの知識で3題という形がここ数年続いている。
長文読解については、素材文は年度により説明的文章の場合と文学的文章の場合がある。説明的文章は4000字ほど、文学的文章は7000字ほどの文量で出されている。総解答数は40問を超えるくらいである。設問はことばで答える問題が多く、書き抜きや文中の言葉を用いて答える問題と選択肢問題とは2対1ほどの割合である。
漢字を含めたことばの知識がしっかり出題されるのが本校の特徴と言える。配点で4割ほどもあるので、けっしておろそかにはできない。
[長文読解問題]
説明的文章・文学的文章ともに難解な文章は使われていないので読みやすい。文章量も多すぎることはないので、平均的なスピードがあれば読み切れるだろう。
ことばで答える問題が多いが、「文中の言葉を用いて」という指定がつくので、文中から適切な部分を見つけて組み合わせることで答えられる場合が多い。いわゆる「論説的」な記述問題は出されていない。選択肢問題も無理に迷わせるような意地悪な選択肢にはなっていない。読解力があれば正確に答えられる。
長文読解の基本をしっかりマスターしよう。
【論説的文章】
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
に書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。
説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。
つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
【文学的文章】
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。
性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。
場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。
多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、
よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、
テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[ことばの知識]
熟語の組み立て・四字熟語・慣用句・係り受けなど、文法も含めたことばの知識がしっかり
と出題されている。面倒に感じる人もいるだろうが、読解力の基礎となる部分でもある。語
彙が多いこと・文章を正確に理解できることは、読解力の根本ともいえる重要な能力である。
読書量の多い人は意識しなくてもこの部分が鍛えられている場合が多いだろうが、そうで
あっても、教材で体系的に学んでおくことは大事である。
配点も高い部分なので、専用の教材で丁寧に学習しておくべきである。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2021年度「明治大学付属中野中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は論説文が用いられた。文量は5500字ほどで、総解答数は41問。ことばで答える問題が多いが、選択肢問題は文量も少なく簡潔であるので取り組みやすい。後半の知識問題はしっかり覚えてあればテンポよく解ける部分なので、ここでうまく時間と点を稼ぎたい。
【大問一】論説文の読一
- 難度:やや難
- 時間配分:40
- ★必答問題
生物の「強さ」とは何なのかを考察している。
問一 「弱いことが成功の条件であるかのように見える、そんなバカな(ことがあるだろうか・ありえない)」の( )内を省略している。
問二 雑草は「競争に弱い」ことが指摘されているので、選択肢エが合う。選択肢ウは「環境の変化が激しい」が合わない。
問三 雑草が強く見える例として野菜畑を挙げている。そこでは雑草は「抜いても抜いても生えてくる」ため、野菜よりは強いかもしれないと述べている。
問四 「その」は、直前の「そこに考えるヒントがありそう」の「そこ」と同じものを指していると考えられるので、段落冒頭の一文をまとめればよい。
問五 植物が光を受けないと枯れてしまうのは光合成ができないからなので、光合成についてかいてある一文を探せばよい。
問六 植物が光を求めて競い合い負けたものは枯れてしまうという、植物界の「生存競争」において雑草は弱いのだと説明されている。
問七 太刀打ち――まともに張り合って競争すること。「太刀打ちできない」などと否定の語をともなって使われることが多い。
問八 前文の内容を指している。「そこ」と場所を訊かれているので、「森の中の雑草が生えているところ」のようにまとめればよい。
問九 「植物が成功するための三つの強さ」のうち、三番目の「変化を乗り越える力」において雑草は優れていると書かれている。
問十 a. 成長が早くて大きくなる植物が光を独占する。「もし」その陰になれば十分な光を浴びることは出来ない。
b. 光の争奪に勝つことはとても大切である。「しかし」この競争に強いものが勝ち抜くとは限らない。
c. 環境に耐える強さ、「たとえば」サボテンは……。
問十一 文章の最初の方に「強い者が生き残るとは限らないのが、自然界の実に面白いところなのです」とあり、空欄Aの文とほぼ同じ形になっている。
問十二 まず植物の強さにもいろいろあることが述べられ、動物へと話が移る。「競争や戦いに強いものが勝つとは限らない」として、まず体の大小について述べ、「他にも例はある」としてスピードの速い遅いの例を挙げている。どちらも「競争や戦いに強いものが勝つとは限らない」ことの例である。
問十三 「とても~できない」の形で打消しを強めている。
問十四 ジグザグに走ることでチーターの「最高スピード」という強みを消しているのである。
問十五 祖先・先祖――子孫
問十六 身体能力で他の生物に劣る人間は、知能の発達により生き延びてきたのである。
問十七 前後の文脈から「協力」といった意味の言葉が考えられるので、似た意味の言葉を探し「助け合う」を見つける。
問十八 「大きくて、がっしりした体」「優れた知能の発達」の二点が示されている文がある。
問十九 空欄Ⅱの直後から話題が人間に移っている。
問二十 第一の部分――「自然界では強い者が生き残るとは限らない」というテーマの紹介。
第二の部分――テーマを雑草で検証→「雑草は強い」から。
第三の部分――テーマを人間も含めた動物で検証→「自然界は弱肉強食の世界です」から。
問二十一 「強さにもいろいろある」ということが要旨であるから、選択肢イがよい。
【大問二】ことわざ
- 難度:標準
- 時間配分:3分
① 仏作って魂入れず――知らぬが仏
② 良薬は口に苦し――口はわざわいの元
③ たで食う虫も好き好き――飛んで火にいる夏の虫
④ 石の上にも三年――焼け石に水
⑤ 枯れ木も山のにぎわい――船頭多くして船山にのぼる
【大問三】同音異字
- 難度:標準
- 時間配分:3分
① 勢い――大勢・制圧・成果・誠実
② 志――思考・士気・試作・意志
③ 異なる――移動・異常・委任・意表
④ 治める――治安・収集・修理・納税
⑤ 関する――感動・完成・関心・観賞
【大問四】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:4分
① 念頭 ② 測量 ③ 博識 ④ 細工 ⑤ 相次(ぐ) ⑥ 利器 ⑦ 大挙
⑧ しょさ ⑨ うわぜい ⑩ こと
攻略のポイント
説明的文章・文学的文章のどちらが出されるかは、学校側の考え次第である。どちらが使われても実力を出せるように、苦手な方の力を底上げしておこう。
ことばで答える問題が多い分は手間がかかる。誤字・脱字などは減点される恐れもあるので、慎重に書く意識を持とう。漢字とことばの知識は全問正解を目指すくらいの気持ちで、得点源としよう。地味な努力になるが、読解力の基礎になる部分である。その日の調子に関係なく得点できる分野でもある。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
明治大学付属中野中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。