明治大学付属八王子中学校 入試対策
2024年度「明治大学付属八王子中学校の算数」
攻略のための学習方法
明大付属八王子中学、満点は算数・国語が100点、理科・社会が50点で、算数と国語の比重が高くなっている。合格者平均は例年7割程度。学校名は変更になったが、算数の出題傾向は昨年までと全く変化がなかった。
標準的な問題が多く、計算問題と小問の比重が高くなっている。試験時間50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
整数、小数、分数の計算が４題程度出題される。工夫が必要なものも含まれ、□を求める問題も例年出題される。計算問題への対策としては、毎日１０題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。また、工夫を必要とするような計算問題の練習も行って頂きたい。
文章題
今年度は小問で平均算・売買損益算などが、大問で旅人算が出題された。ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ、和と差の文章題、濃さや売買損益などの割合と比の文章題が出題されている。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。中でも速さ、濃さの出題頻度は高い。速さに関する問題は旅人算、流水算、通過算、ダイヤグラムなどから複数題出題される年もある。旅人算とグラフに関しては昨年から2年続けて出題されており、今後も出題される可能性が非常に高い。
今回は出題されなかったが、濃さに関する問題では、面積図やてんびん図を用いて解く問題も含めて練習すること。
数に関する問題
今年度は小問で数の性質に関する問題が出題された。ここ何年かを見ると、約数の個数、数列、場合の数、割り算のあまりに関する問題、暦、四捨五入に関する問題などが出題されている。この領域においても極端な難問は見られないので、基本～ややレベルの高い問題まで幅広く問題演習を行って欲しい。
平面図形
本年度は小問で3題出題され、ややレベルの高い問題も含まれていた。面積や角度を求める問題は毎年出題さている。様々な工夫を必要とする問題が頻繁に出題されている。また、相似や高さの等しい三角形など比を利用する問題も多く出題されている。図形の移動について出題された年もあった。ここでも際立った難問は見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて１回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は小問で水の深さと体積について、大問で直方体の切断に関して出題された。
大問での出題は2年続けてとなった。立体図形は苦手だという方も多いと思うが、本校では毎年出題されている分野であるので、頑張って学習して頂きたい。過去には、回転体の求積が頻出である。水の深さと体積・切断・回転体など近年出題されている内容を中心に演習を十分に行うこと。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2024年度「明治大学付属八王子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問11題、大問が2題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。すべての小問数は19で多くはない。あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。
計算問題と小問占める割合が高く、ここでの得点が合否を分ける大きなポイントになる。
【大問１】 計算問題
- 難度：易
- 時間配分：8分
- ★必答問題
（１）分数・小数の四則演算
（２）分数・小数の四則演算
（３）工夫を必要とする小数の計算
（４）□を求める問題
（３）での工夫を必要とする問題は例年出題されている。日頃から、計算に対する工夫を意識して欲しい。また0.25、0.125などの頻繁に出る小数の分数変換は覚えること。
【大問２】 小問集合
- 難度：標準
- 時間配分：12分
- ★必答問題
（１） 1㎥＝10000dL 1dL=100㎤ より、与式＝450dL－270dL＋70dL＝250dLとなる。
（２） 工夫を必要とする過不足算
ノートの冊数を3倍にしてボールペンの本数に合わせると、5ずつ配ると20あまり、6ずつ配ると90不足となる。人数は（90＋20）÷（6－5）より110人。
（３） 仕事算
1人が1日にする仕事を1とすると、全体の仕事は126。10人4日で40の仕事ができるので、残りは86。この仕事を6日で行えばよいので、86÷6＝14あまり2より15人必要なので、5人増やせばよい。
（４） 売買損益算
定価を1とすると、0.7にあたる金額が5600×1.2の6720円になる。従って、定価は6720÷0.7より、9600円。
（５） 平面図形
三角形ABCの面積は24㎠なので、BCを底辺としたときの高さは、24×2÷10より4.8㎝。従って、台形ABCDの面積は、（10＋7.5）×4.8÷2より、42㎠。
（６） 平面図形と比
長方形のたての長さと台形の高さが同じなので、8×2：15＋あ＝2：3となる。
15＋あ＝24より、あ＝9㎝。
単位計算・文章題・平面図形からの小問集合。（１）は単位の変換を覚えているかがポイント。（２）の過不足算は工夫が必要でやや難。（３）以降の文章題と平面図形の問題は、いずれも典型題。身につけた解法を使ってしっかり正答して欲しい。
【大問３】 小問集合
- 難度：標準
- 時間配分：12分
- ★必答問題
（１） 旅人算と比
AさんとBさんの速さの比は、456：384＝19：16。AさんとBさんが出会うまでに2人合わせて2940ｍ進む。出会うまでにAさんが進む道のりは、1596ｍ。従って、折り返し地点からの距離は1596－1470より、126ｍ。
（２） 比の文章題
A×5＝C×3より、A：C＝3：5。Aの重さを③、Cの重さを⑤とすると、A・B・Cの合計は47ｇなので、C＝47－⑧となる。③×2＋（47－⑧）×6＋6＝⑤×6
これより、A ＝12ｇ、B＝15ｇ、C＝20ｇとなる。
（３） 数の性質
2×5＝10より、2が1個と5が1個あると10ができあがる。5の数より2の数が圧倒的に多いので、5の個数を求めると2×5が何組できるかが求まる。80までの中に5の倍数は80÷5より16個。また、25＝5×5なので、25の倍数はさらに5がもう1個ある。25の倍数の個数を求めると、80÷25より3個。従って、16＋3より19個。
（４） 水の深さと体積
水槽に入っている水の体積は384×円周率。円柱のおもりを入れると、水の入る部分の底面積は48×円周率になるので、384÷48より、深さは8㎝となる。
（５） 平面図形
17度を含む直角三角形と28度を含む直角三角形の2つを正方形の1辺を背中合わせにしてくっつけると、17＋28＝45であることから、2つの直角三角形にはさまれた三角形と合同な三角形になる。これより、あ＝180－（90－28）×2より56度となる。
旅人算と比、数の性質、平面図形などの小問集合。（２）はやや難。（５）は発想が難しいが、同様の問題は過去に他校で出題され、問題集等で見かける。それ以外の問題は典型的な標準題が並んでいる。
【大問４】 旅人算
- 難度：標準
- 時間配分：10分
（１） 最初の5分間は花子だけが歩いているので、花子の分速は、328÷5より65.6ｍ。
次の9分間で2人の間の道のりが147.6縮まったので、2人の分速の差は147.6÷9より16.4ｍ。従って、太郎の分速は65.6＋16.4より、82ｍ。
（２） 14分からしばらくは花子1人だけが歩き、その間に196.8ｍ進むので、かかった時間は3分。再び太郎が歩き始め、2人の間の377.2ｍの差がなくなるのにかかる時間は、377.2÷16.4より、23分。結局、花子が歩いた時間は14＋3＋23より40分なので、家から学校までの距離は、65.6×40より2624ｍ。
旅人算の出題。2人の間の距離を表したグラフから（ダイヤグラム）のから「、グラフの折れ曲がった部分で何が起こったのか」を考えることが最大のポイント。
【大問５】 立体図形（切断）
- 難度：標準
- 時間配分：8分
（１）切断面を描き方は、①同じ面の2点を結ぶ。②向かい合う面には平行線を引く。の2点である。RからPQに平行な線を引くと、HS＝4㎝となる。
（２）底面積に平均の高さをかければよい。底面積は12㎠。高さの平均は（1＋5）÷2より3㎝。従って、12×3より36㎤。
立体図形（立体の切断）に関する出題。切断面の描き方、平均の高さを使った体積の求め方などが身についていれば難なく正答できるだろう。逆に、立体図形、特に立体の切断が苦手であると、やや難しい一題に感じるかも知れない。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が２題という昨年までと同様の問題構成になっている。小問集合の中にはややレベルの高い問題も含まれるが、ほぼ基本～標準的なレベルになっている。本校入試問題では、計算問題と小問の占める割合が大きく、ここでの出来が大きく明暗を分ける。計算問題と小問集合で８割近くの正答が欲しい。
大問2題は速さと立体図形で昨年と同じ単元からの出題であった。
本校受験者は、塾のテキストや問題集の例題や基本レベルの問題演習をしっかり行い、苦手単元を作らないことが攻略のポイントになる。
①正確な計算力を身につけることと、②すべての単元の基本をしっかり身につけること、この２点を考えて学習を行って頂きたい。
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