明治大学付属八王子中学校 入試対策
2019年度「明治大学付属八王子中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問1~3までがそれぞれ歴史分野・地理分野・政治経済分野に割り当てられる形式が通例となっている。歴史・地理分野が10~15問、政治経済分野が7~8問ほどで、計30問前後の出題数である。
選択肢と適語記入が多く、これまで記述問題は出されていなかったが、2019年度では説明記述が1問出された。
[歴史分野]
リード文や資料を見て下線部について答えていく形が多い。
中国・朝鮮との歴史上の関係(2019年度)や八王子周辺の史跡(2018年度)といった話題で、古代から現代までの幅広い歴史について訊かれている。政治・戦争・外交・文化など、内容もさまざまである。
毎年、時代順の並べ替えが数問出されている。1つの時代の中での出来事の順番をしっかり整理して覚えておこう。
全体としては基本事項の問題が多く、ここ数年は史料なども使われていないようである。まずはテキストを丁寧に学習して、さらに資料集で補強できれば安心である。
[地理分野]
あるテーマに沿ってやや詳しく訊かれる問題が多い。
日本を4つの範囲に分けて質問する問題(2019年度)や日本の気候区(2018年度)といった話題で、関連する場所について問う問題が出されている。
範囲が狭い分、知っていれば高得点を狙えるが苦手な分野が出された場合大きく失点する恐れがある。難易度としては標準レベルなので、苦手な項目をなくしてどこから出題されても困らないようにしておこう。テキストを全体的に偏りなく学習すること。
2017年度のように、世界地理だけ集中して訊かれた年度もある。主な国や最近話題になった国などには注意しておこう。
また、地図上での位置や形を訊かれる問題が出されているので、地図・白地図なども活用して頭にイメージが浮かぶようにしておきたい。
[政治経済分野]
ある話題をもとに、憲法・政治のしくみ・国際関係などについて訊かれている。
ここ数年ではオリンピックやラグビーのワールドカップといった話題で社会問題や経済についての問題が出されている。統計資料が使われた年度もある。
直近の数年で起きた出来事など、時事問題も含まれている。それほど細かい知識を問われるわけではないが、特にここ1~2年の国内・国外の重大ニュースについては、よく調べて詳しくなっておこう。
[選択肢問題]
選択肢問題が大きな比重を占めている。紛らわしくはないが、やはり一語一句に集中して目を通さないと見落とす恐れがある。「誤っているものを選ぶ」「正しいものを選ぶ」の両方の問題が入り混じっており、組み合わせて1つの正解となる問題もある。選択肢だから簡単、などと油断してはいけない。最後まで注意を切らさず、集中すること。
[記述問題]
例年は記述問題の出題は無かったが、2019年度では「与党とは何か」という1~2行程度の説明記述問題が1問出された。来年度以降も同様の出題があると考え、準備しておこう。
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2019年度「明治大学付属八王子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は29問。歴史11問・地理11問・政治経済7問、そのうち1問が記述問題となっている。地理分野・歴史分野がやや多かった。
リード文もあるが、下線部だけ読んでも答えることは可能である。読み取りに時間がかかる統計やグラフも出題されており記述問題もあるので、時間配分に注意しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
中国・朝鮮との歴史上の関係を話題とした問題。
問1 朝鮮の三・一独立運動と中国の五・四運動は、ともに発生した日が名称になっている。
問2 B. 説明は聖武天皇のことであるから、誤。
問3 (2) 少しわかりづらいが、60年ごとに同じ組み合わせの年が来るということである。672年が壬申ならば、その60年後・120年後……と60の倍数ごとに壬申の年になるわけである。1232年はそれに当たらないので、壬申ではない。
問4 イ. 建てたのは道長ではなく、頼通。
ウ. 書院造は室町時代のキーワードである。
エ. 紫式部が書いたのは『源氏物語』。
問6 承久の乱(1221年)→御成敗式目(1232年)→元寇(1274・1281年)の順である。
問7 エ. 後醍醐天皇による建武の新政は1333~1336年の出来事で、応仁の乱(1467~1477年)とは無関係である。
問8 島原・天草一揆(1637~1638年)→生類憐みの令(1685年)→享保の改革(1716~1745年)。
問9 第一次世界大戦の勃発は大正時代の出来事なので、ウが×。
問10 盧溝橋事件は1937年。国際連盟脱退が1933年、二・二六事件が1936年なのでBとDが選べる。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
日本を大きく4つに区切って、気候・産業などについて訊かれている。
問1 最も面積が小さい県は香川県なので、C。
問2 福島県のことなので、B。
問3 静岡県・焼津港はマグロ・カツオの漁獲高が第一位である。
問4 瀬戸内海気候について説明したエが合っている。アはA、イはD、ウはBの地域に当てはまる。
問5 九州南部には火山灰が積もってできたシラス台地がある。
【大問3】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
ヨーロッパやアフリカなど、世界の国々について。
問1 グレートブリテン島はイングランド・ウェールズ・スコットランドに大別される。
問2 ワインやスパークリングワインの生産で有名な国々である。
問3 ちなみに黒海の右側にある大きな湖が、塩分の濃さで有名なカスピ海で世界最大の湖である。
問4 鉄鉱石・石炭の輸入相手先第一位はともにオーストラリア。
問5 ネルソン・マンデラは反アパルトヘイト運動の先頭に立ち政治犯として投獄された。後にマンデラを釈放した大統領デクラークと共同でノーベル平和賞を受け、自らも大統領に就任した。
問6 ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの頭文字をとって、BRICSと呼ばれる。
【大問4】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
経済成長率のグラフを題材に、各時期の出来事などについて訊かれている。
問1 エ. 朝鮮戦争は1950に始まり1953年に停戦協定が結ばれた。
問2 1986年頃に落ち込んでいる。これはプラザ合意(1985年)により円高が進み景気が落ち込んだためである。
問3 (あ) 消費税は収入の多少に関係なく等しく払う税であるので、低収入の人たちには負担が重くなる。食品など、生活必需品には消費税をかけていない国もある。
問4 ウ. ニューヨークの同時多発テロは2001年のことである。
問5 与党とは、政党政治において政権を担当する政党。または、政権を支持している政党。現在は自民党と公明党が連立政権を組んでいる与党ということになる。
攻略のポイント
基本事項の問題が多いので、テキストをしっかり覚えるのが第一である。
選択肢問題がポイントになる点を意識して、文の細かい部分まで注意深く読むクセをつけよう。
地理分野はあるテーマについて詳しく訊く問題があるので、その分野で穴が開いていると大量失点の恐れがある。テキスト全体にムラが無いよう取り組んで、苦手な項目をつくらないようにしたい。
政治経済分野は直近の新しい話題も取り上げられているので、重大ニュース集などで最新の情報に触れておこう。
今年度から記述問題が出されているので、今後も出題があるという前提で対策を立てよう。
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