明治大学付属八王子中学校 入試対策
2022年度「明治大学付属八王子中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問1~3までがそれぞれ歴史分野・地理分野・政治経済分野に割り当てられる形式が通例となっている。歴史・地理分野が10~15問、政治経済分野が7~8問ほどで、計30問前後の出題数である。
選択肢と適語記入が多く、これまで記述問題は出されていなかったが、2019年度以降は短文の説明記述が1問出されている。
[歴史分野]
リード文や資料を見て下線部について答えていく形が多い。
歴史上の人物の評価(2022年度)や感染症の流行(2021年度)といった話題で、古代から現代までの幅広い歴史について訊かれている。政治・戦争・外交・文化など、内容もさまざまである。
毎年、時代順の並べ替えが数問出されている。1つの時代の中での出来事の順番をしっかり整理して覚えておこう。
全体としては基本事項の問題が多く、ここ数年は史料なども使われていないようである。まずはテキストを丁寧に学習して、さらに資料集で補強できれば安心である。
[地理分野]
あるテーマに沿ってやや詳しく訊かれる問題が多い。
日本の国土(2022年度)や伝統工芸や各地の特徴(2021年度)といった話題で、関連する場所について問う問題が出されている。
範囲が狭い分、知っていれば高得点を狙えるが、苦手な分野が出された場合大きく失点する恐れがある。難易度としては標準レベルなので、苦手な項目をなくして、どこから出題されても困らないようにしておこう。テキストを全体的に偏りなく学習すること。
2017年度のように、世界地理だけ集中して訊かれた年度もある。主な国や最近話題になった国などには注意しておこう。
また、地図上での位置や形を訊かれる問題が出されているので、地図・白地図なども活用して頭にイメージが浮かぶようにしておきたい。
[政治経済分野]
ある話題をもとに、憲法・政治のしくみ・国際関係などについて訊かれている。
ここ数年ではSDGs(持続可能な開発目標)やラグビーのワールドカップといった話題で、社会問題や経済についての問題が出されている。統計資料が使われた年度もある。
直近の数年で起きた出来事など、時事問題も含まれている。それほど細かい知識を問われるわけではないが、特にここ1~2年の国内・国外の重大ニュースについては、よく調べて詳しくなっておこう。
[選択肢問題]
選択肢問題が大きな比重を占めている。紛らわしくはないが、やはり一語一句に集中して目を通さないと見落とす恐れがある。「誤っているものを選ぶ」「正しいものを選ぶ」の両方の問題が入り混じっており、組み合わせて1つの正解となる問題もある。選択肢だから簡単、などと油断してはいけない。最後まで注意を切らさず、集中すること。
[記述問題]
例年は記述問題の出題は無かったが、2019年度以降では1~2行程度の説明記述問題が1問出されている。来年度以降も同様の出題があると考え、準備しておこう。
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2022年度「明治大学付属八王子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は28問。歴史10問・地理13問・政治経済5問、そのうち1問が記述問題となっている。2022年度は地理分野の問題数がやや多かった。
リード文もあるが、下線部だけ読んでも答えることは可能である。読み取りに時間がかかる統計やグラフも出題されており記述問題もあるので、時間配分に注意しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
評価が変わった歴史上の人物という話題で、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 悪法と言われる生類憐みの令だが、それまで殺伐としていた武士の世で命の大切さを訴えることには価値があった。綱吉は朱子学など学問も推奨し、武力一辺倒による支配を改めて江戸時代の安定を築いたとも言えるので、選択肢イが合う。
問2 家治の時代に老中として政治を行ったのは田沼意次。株仲間の推奨などの経済対策を行った。
問3 問1参照。
問4 ウ. 徳川吉宗の享保の改革の一つとして正しい。 参勤交代の期間を短縮する代わりに米を納めさせる制度である。
問5 金を使わないと物が売れず、経済が活発にならないのである
問6 イ. 出島の設置は徳川家光のときである。
ウ. 伊能忠敬による日本地図の作製は、第11代将軍徳川家斉のときである。
エ. 慶長金銀は徳川家康の命令により鋳造され、江戸時代初期から流通していた。
問7 大阪貿易会社(1882年)→日露戦争(1904年)→普通選挙法(1925年)→五・一五事件(1932年)の順。
問8 足利尊氏は後醍醐天皇と協力し鎌倉幕府を倒したが、のちに公家中心の政治を行う後醍醐天皇に敵対した。
問9 平将門の乱のことである。
問10 ア. 積極的に仏教を広めたのは蘇我馬子である。
ウ. 応仁の乱の原因となった人物は第8代将軍足利義政である。
エ. 米騒動の責任を取って辞職したのは寺内正毅で、その後任が原敬である。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
日本の国土についての問題。
問1 本州・北海道・九州・四国の順で大きい。
問2 最東端は南鳥島。最南端は沖ノ鳥島である。
問3 北海道とカムチャッカ半島の間に連なるのは千島列島。
問4 東日本大震災の発生は3月11日。
問5 本州の東側には日本海溝がある。
問6 中国山地と四国山地に挟まれて夏と冬の季節風がさえぎられ、年間を通じて湿度が低く雨が少ない瀬戸内地方の気候である。
問7 夏至は一年で最も昼の時間が長い日であるから、[ア]が選べる。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
各県の特徴についての問題。
問1 ① 兵庫県 ② 群馬県
問2 いずれも世界遺産に登録されている地域・建物である。
問3 Aは北海道の二風谷(にぶたに)イタという木彫りの盆、Bは岩手県盛岡市周辺の南部鉄器、Cは鹿児島県奄美群島の大島紬。
【大問4】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:2分
主要農産物の総産出額について訊かれている。
問1 正式な名称は「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」で、一般には「(新)食糧法」と呼ばれている。
問2 食生活の変化にともない米の生産量は減って、近年では肉類(畜産)・野菜・米・果実の順になっている。
【大問5】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
持続可能な開発目標について主に訊かれている。
問1 国連本部はアメリカのニューヨークにある。
問2 英語表記の頭文字をとって、SDGsと略される。大文字と小文字に注意。
問3 13のアイコンに「CLIMATE (気候) ACTION(行動)」という英語による表記がある。
問4 ア. 日本は国際連合を脱退したことはない。
イ. 常任理事国はアメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシアだけである。
ウ. 総会での評決は多数決である。
問5 生存権について、憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」という条文がよく出題されるので、暗記してしまおう。
攻略のポイント
基本事項の問題が多いので、テキストをしっかり覚えるのが第一である。
選択肢問題がポイントになる点を意識して、文の細かい部分まで注意深く読むクセをつけよう。
地理分野はあるテーマについて詳しく訊く問題があるので、その分野で穴が開いていると大量失点の恐れがある。テキスト全体にムラが無いよう取り組んで、苦手な項目をつくらないようにしたい。
政治経済分野は直近の新しい話題も取り上げられているので、重大ニュース集などで最新の情報に触れておこう。
今年度から記述問題が出されているので、今後も出題があるという前提で対策を立てよう。
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