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武蔵中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「武蔵中学校の国語」
攻略のための学習方法

出題傾向

長文読解一題と漢字・ことばの知識という出題がほぼ定型となっている。設問は記述のみで字数指定が無いのも特徴である。年度により書き抜き問題が出される場合もある。

文章ジャンルは、このところ文学的文章が続いているが、過去には説明的文章が出された年度もあった。文学的文章は、登場人物を受験生と同年代に設定したものが多く、読みやすい。説明的文章では文化を題材にした文章がよく出題されている。どちらが出されても対応できるように、油断なく準備しておこう。

長文読解

近年は文学的文章の出題が続いている。来年度も同様の傾向が続くとすると、文学的文章の読解に焦点を当てた対策が必要となる。

記述問題であっても、訊かれることは選択式問題と変わりがあるわけではない。小説や随筆の読解力が求められることに変わりはないのである。まずは読解の技術を確かなものにしよう。

文学的文章であれば登場人物の整理。2017年度にも、まさにこの点が問題で出されている。時間・場所・人物の出入りによる場面分け。そして設問で最も多く訊かれる人物の心情。言動や情景から気持ちを読み取る訓練を積もう。最後に、全体を通して描かれているテーマを読み取る。

説明文であれば、形式段落と意味段落の整理。段落ごとの要点と細部の区別。全体の要旨と要約。設問ではやはり要点を訊かれることが多いだろう。説明的文章が出題される可能性もゼロではないので、文学的文章を中心に、説明的文章でも対策を怠らないようにしよう。

記述対策

記述問題はすべて字数指定が無い。

設問の内容や解答欄の大きさから考えて、1問50~120字程度でまとめることを想定しているようである。年度によるが、全体として500~600字程度の記述量が必要となりそうである。設問によって、記述内容の条件が指定されているものと、そうでないものがある。

字数指定が無いからといって、むやみに書き過ぎるのも良くない。来年度も出題が予想される文学的文章を多く読み、設問の中心となるであろう人物の気持ちを70~100字程度でまとめる練習をよくしておこう。そして、設問で求められている事柄を的確に、無理の無い字数でまとめられるようにこつをつかんでおきたい。

素材文

素材文の文量は、6000字~8000字程度と年度により差がある。

物語文は、登場人物が受験生と同世代で、友人や家族との関わりを描いたものが多いが、恋愛がテーマの話も出題されている。小六男子には実感のともなわない分野かもしれないので、このようなストーリーも多少は読んでおきたい。まれに説明文が出題される年度もあるので注意。油断せずに準備しておくこと。

漢字

漢字は毎年出題がある。極端な難問は見られないので、標準~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておこう

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2024年度「武蔵中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2024年度は8000字ほどの小説読解1題と漢字という構成であった。昨年度と異なり文学的文章が出題されたが、受験生の年齢に合わせた読みやすいもので問題量もさほど多くはない。読むスピードがあれば時間は足りるだろう。すべて記述で答えるので、書くスピードは必要である。難関校の試験としては、取り組みやすくなっている。

【大問一】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:47分
  • ★必答問題

裕福な家庭の子供が多い名門校に通う主人公は家庭が貧しかったが、自分以上に貧しい家庭の子供である転校生に学業でも芸術でも圧倒的な実力の差を見せつけられ、悔しいと思いながらもその実力を認め、打ち負かしたいが仲良くもなりたいと複雑な思いを抱く。

問一 続く4~5行で具体的に説明されている。
役人・学者・物持ちなど町の上層階級の子供が多く通うこと、中等学校への進学率が高いこと、学芸会も派手やかで展覧会にも代表として作品が多く出品されることなどが挙げられている。家庭が裕福で学問や芸術において優れた子が多く通う名門校なのである。

問二 直後の主人公の心情の吐露に注目。
「学校の子供たちは美しくて怜悧」「多くのことにおいて私は引け目を感じた」「勉強して勝つほかない」など、生まれ育ちで差がつけられている主人公は、学問などで実力を示して自尊心を満たし、学校での立場を確保するしかないと考えたようである。

問三 転校してきた桜田の外見から、彼女が自分以上に貧しい家庭の子供で、転入してきたのも学費が無料だからであろうと察しがついてしまった。自分の分身を見ているかのように自己が反映され、我がことのように恥ずかしさを感じてしまったのであろう。

問四 A. 兜を脱ぐ――負けを認める・降参する
   B. 顔色がない――圧倒されて手も足も出ない・恐れや驚きで顔色が青くなる
   C. 味噌をつける――失敗して恥をかく

問五 主人公は特に作文と図画に自信があり自分がクラスで一番だと自負していて、皆からもそう評価されていた。しかし、桜田の作文の実力を見せつけられ消沈していたところ、さらに絵において天才とも思える実力を示され、その圧倒的な力の差にそれまでの自分の地位が彼女にとって代わられたことを認めざるを得なかった。

問六 作文や図画のみならず、他のすべての教科においても人並み以上の成績を収める彼女の優秀さに、悔しいと思う気持ちもありながらその実力を素直に認めざるを得なかった。「彼女と仲良くなりたい、ならねばならぬ」「彼女を傷つけずに追い抜きたい」など、複雑な気持ちを抱えており、羨望と敵愾心とを感じながら同じ貧しいという境遇にある彼女に仲間のような感情も持っているという、相反するさまざまな心情を抱えた状態なのである。

【大問2】漢字の読み書き

  • 時間配分:3分

 郷里
 命脈――いのち・生命のつながり。
 縦横
 補給
 純真
 群(がって)
 調停
 老練

攻略のポイント

字数指定の無い記述は、ともすれば書き過ぎてまとまりがなくなる恐れがある。だいたいは50~120字程度が想定されているようなので、そのくらいの字数でまとめる練習を積んでおこう。
最近は文学的文章が多かったが、過去2年ほどは論説文が出された。どちらが出ても訊かれたことを的確に、一定の字数で書けるように、過去問や類似問題で感覚をつかんでおきたい。
無理に大人向けの文章を読む必要はないので、普段の読書習慣において小・中学生向けの物語や随筆・説明文や論説文を多く読んでおこう。

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