武蔵中学校 入試対策
2017年度「武蔵中学校の国語」
攻略のための学習方法
[出題傾向]
長文読解一題と漢字・ことばの知識という出題がほぼ定型となっている。設問は記述のみで字数指定が無いのも特徴である。
文章ジャンルは、このところ文学的文章が続いているが、過去には説明的文章が出された年度もあった。
文学的文章は、登場人物を受験生と同年代に設定したものが多く、読みやすい。説明的文章では文化を題材にした文章がよく出題されている。どちらが出されても対応できるように、油断なく準備しておこう。
[長文読解]
近年は文学的文章の出題が続いている。来年度も同様の傾向が続くとすると、文学的文章の読解に焦点を当てた対策が必要となる。
記述問題であっても、訊かれることは選択式問題と変わりがあるわけではない。小説や随筆の読解力が求められることに変わりはないのである。
まずは読解の技術を確かなものにしよう。
文学的文章であれば登場人物の整理。2017年度にも、まさにこの点が問題で出されている。時間・場所・人物の出入りによる場面分け。そして設問で最も多く訊かれる人物の心情。言動や情景から気持ちを読み取る訓練を積もう。最後に、全体を通して描かれているテーマを読み取る。
説明文であれば、形式段落と意味段落の整理。段落ごとの要点と細部の区別。全体の要旨と要約。設問ではやはり要点を訊かれることが多いだろう。
説明的文章が出題される可能性もゼロではないので、文学的文章を中心に、説明的文章でも対策を怠らないようにしよう。
[記述対策]
記述問題はすべて字数指定が無い。
設問の内容や解答欄の大きさから考えて、1問60~70字程度でまとめることを想定しているようである。年度によるが、全体として500~600字程度の記述量が必要となりそうである。
設問によって、記述内容の条件が指定されているものと、そうでないものがある。
字数指定が無いからといって、むやみに書き過ぎるのも良くない。来年度も出題が予想される文学的文章を多く読み、設問の中心となるであろう人物の気持ちを60~70字程度でまとめる練習をよくしておこう。そして、設問で求められている事柄を的確に、無理の無い字数でまとめられるようにこつをつかんでおきたい。
[素材文]
素材文の文量は、6000字~8000字程度と年度により差がある。
物語文は、登場人物が受験生と同世代で、友人や家族との関わりを描いたものが多いが、恋愛がテーマの話も出題されている。小六男子には実感のともなわない分野かもしれないので、このようなストーリーも多少は読んでおきたい。
まれに説明文が出題される年度もあるので注意。油断せずに準備しておくこと。
[漢字]
漢字は毎年出題がある。極端な難問は見られないので、標準~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておこう。
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2017年度「武蔵中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は8700字ほどの物語文の読解1題と漢字・慣用句という構成であった。文章も受験生の年齢に合わせた読みやすいもので、問題量もさほど多くはない。読むスピードがあれば時間は足りるだろう。すべて記述で答えるので、書くスピードは必要である。難関校の試験としては、取り組みやすくなっている。
【大問1】物語文の読解・漢字・ことばの知識
- 難度:やや難
- 時間配分:50分
- ★必答問題
主人公の目から見たおかあさんや千夏おばさんの様子を中心に、おばあちゃんの介護を通して親子や姉妹のつながりを考える姿が描かれている。
問一 「肩をすくめる」は恥ずかしさをごまかす時や、とぼける時、どうしようもなくお手上げの状態を示す時などの動作。ここは、もう意識のないおばあちゃんに、昔から反感を持っていた自分が話かけることなどない、という千夏の気持ちであろう。「手がすく」は忙しさが一段落して暇ができたということ。
問二 小説では登場人物の整理が大切である。それぞれの関係次第で、同じ表情・動作でも意味が違う場合がある。場面を分ける手がかりにもなる。人数と相関関係をしっかり把握しよう。
問三 主人公は現在ケンカ中の両親に仲直りして欲しいと思っている。おばあちゃんの介護で泊まりに行くところにおとうさんも来れば、仲直りの良い機会になるのではと期待しているのである。
問四 ここは直前のふたりの会話が描かれていないので難しい。ふたりの会話から手がかりを見つける。「あんた(おかあさん)は疑り深い。田中さん(おとうさん)が聞いたら怒る。健斗くん(主人公)に口どめしておけ。」という言葉から、おかあさんがおとうさんのことを何かで疑っていて、そのことを主人公も知っていて、おとうさんに知られないようにしろ、という会話になっていることを理解する。
これは、少し前でおばあちゃんの家に行くと言っていたおとうさんが、土壇場でやはり来られないと言い出すのではないかとおかあさんが疑っていた場面のことを指す。千夏は夫を信じようとしない妹を諌めているわけである。
問五 あわてているのは妹に本心を見透かされて恥ずかしかったからである。本心は、やはりおばあちゃんに意識を回復してお茶を点てて欲しいと思っているのだが、若い頃からおばあちゃんに反感を持っていたことは皆に知られているので、今更恥ずかしかったということであろう。
問六 姉妹だからやっぱり似ている部分があった、という意味であろう。おかあさんはおばあちゃんの付き添いで毎日病院に泊まり込み、甲斐甲斐しく世話していた様子が書かれている。一方、千夏おばさんは若い頃はおばあちゃんに可愛がられなかったのでおばあちゃんを好きではなかったという事実がある。
にもかかわらず、今ではおばあちゃんと一緒に住んで一番厚くおばあちゃんの面倒をみているのである。おばあちゃんに良くなって欲しいという思いは、姉妹で同じだったわけである。
問七 最難関校としては、漢字は難しくない。当然、全問正解を目指したい。
攻略のポイント
字数指定の無い記述は、ともすれば書き過ぎてまとまりがなくなる恐れがある。だいたいは60~70字程度が想定されているようなので、そのくらいの字数でまとめる練習を積んでおこう。
来年度も文学的文章が予想されるが、過去には説明文が出された年度もあった。どちらが出ても訊かれたことを的確に、一定の字数で書けるように、過去問や類似問題で感覚をつかんでおきたい。
無理に大人向けの文章を読む必要はないので、普段の読書習慣において小・中学生向けの物語や随筆・説明文や論説文を多く読んでおこう。
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