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武蔵中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「武蔵中学校の国語」
攻略のための学習方法

出題傾向

長文読解一題と漢字・ことばの知識という出題がほぼ定型となっている。設問は記述のみで字数指定が無いのも特徴である。年度により書き抜き問題が出される場合もある。

文章ジャンルは、このところ文学的文章が続いているが、過去には説明的文章が出された年度もあった。文学的文章は、登場人物を受験生と同年代に設定したものが多く、読みやすい。説明的文章では文化を題材にした文章がよく出題されている。どちらが出されても対応できるように、油断なく準備しておこう。

長文読解

近年は文学的文章の出題が続いている。来年度も同様の傾向が続くとすると、文学的文章の読解に焦点を当てた対策が必要となる。

記述問題であっても、訊かれることは選択式問題と変わりがあるわけではない。小説や随筆の読解力が求められることに変わりはないのである。まずは読解の技術を確かなものにしよう。

文学的文章であれば登場人物の整理。2017年度にも、まさにこの点が問題で出されている。時間・場所・人物の出入りによる場面分け。そして設問で最も多く訊かれる人物の心情。言動や情景から気持ちを読み取る訓練を積もう。最後に、全体を通して描かれているテーマを読み取る。

説明文であれば、形式段落と意味段落の整理。段落ごとの要点と細部の区別。全体の要旨と要約。設問ではやはり要点を訊かれることが多いだろう。説明的文章が出題される可能性もゼロではないので、文学的文章を中心に、説明的文章でも対策を怠らないようにしよう。

記述対策

記述問題はすべて字数指定が無い。

設問の内容や解答欄の大きさから考えて、1問50~120字程度でまとめることを想定しているようである。年度によるが、全体として500~600字程度の記述量が必要となりそうである。設問によって、記述内容の条件が指定されているものと、そうでないものがある。

字数指定が無いからといって、むやみに書き過ぎるのも良くない。来年度も出題が予想される文学的文章を多く読み、設問の中心となるであろう人物の気持ちを70~100字程度でまとめる練習をよくしておこう。そして、設問で求められている事柄を的確に、無理の無い字数でまとめられるようにこつをつかんでおきたい。

素材文

素材文の文量は、6000字~8000字程度と年度により差がある。

物語文は、登場人物が受験生と同世代で、友人や家族との関わりを描いたものが多いが、恋愛がテーマの話も出題されている。小六男子には実感のともなわない分野かもしれないので、このようなストーリーも多少は読んでおきたい。まれに説明文が出題される年度もあるので注意。油断せずに準備しておくこと。

漢字

漢字は毎年出題がある。極端な難問は見られないので、標準~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておこう

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2023年度「武蔵中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

今年度は8700字ほどの論説文読解1題と漢字という構成であった。昨年度に続き説明的文章が出題されたが、受験生の年齢に合わせた読みやすいもので問題量もさほど多くはない。読むスピードがあれば時間は足りるだろう。すべて記述で答えるので、書くスピードは必要である。難関校の試験としては、取り組みやすくなっている。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:47分
  • ★必答問題

「利他」と「利己」の複雑な関係を考察し、それが時に「支配」や「統御」という「毒」を含んでいることや、「利他的行為」は相手に受け入れられて初めて「利他」となることなどが示されている。

問一 利己的な目的で利他的な行為を行った場合、それは「利他」なのか「利己」なのかと

いう考察である。行為自体は「利他的」()だが動機づけが「利己的」()だった場合、

おそらくその行為は「利己的」()とみなされる。一見すると「利他的」()なことを

行っているが、下心が見え隠れしてやはり「利己的な人」()と見なされてしまうだろう、話の流れである。

問二 直前三段落の内容をまとめればよい。企業などがSDGsを意識した活動をしても、結局は企業のイメージアップのためでどこかうさん臭いなと思ってしまうのではないか、筆者も「そう」である、と言っているのである。

問三 「利他」から転じた「利己」によって、食べられないものを薦められることは、病気を持っている頭木さんにとっては命にかかわる大事であり、強い恐怖を感じざるを得ないわけである。

問四 贈り物をもらった時に最初は単純に喜びを感じても、やがてそれがお返しをしなければならないという圧力に代わり、返せない場合は負債を負ったように感じてしまう。送った側と送られた側に「優劣」が生じ、それが相手を支配し統御する道具となってしまう、そのことを「毒」と表現しているのである。

問五 通常は認知症患者に「何もしないこと」を強要してしまいがち(統御)であるが、市川さんの取組みではそれぞれの人の能力を引き出し主体性を喚起することを目指している。認知症の人が仕事をし店を支えているという誇り・矜持を持てるように、その人の特質やあり方に「沿う」ことを実践しているのである。

問六 与えた側が「利他的行為」のつもりでも、受け手にとってネガティブな行為であればそれは「利他」とはならない。その行為が「利他」か「利己」かは、それが「受け取られるのか受け取られないのか」によって事後的に決定されるのである。

【大問二】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分

 順延

 風紀――日常の風俗・風習についての決まり。

 辞(さない)――○○を恐れたり、避けたりしない。

 拝(む)

 郵送

 乳歯

 息災――けがや病気をせず、元気なこと。

 宝庫

攻略のポイント

字数指定の無い記述は、ともすれば書き過ぎてまとまりがなくなる恐れがある。だいたいは50~120字程度が想定されているようなので、そのくらいの字数でまとめる練習を積んでおこう。

最近は文学的文章が多かったが、ここ2年ほどは論説文が出された。どちらが出ても訊かれたことを的確に、一定の字数で書けるように、過去問や類似問題で感覚をつかんでおきたい。

無理に大人向けの文章を読む必要はないので、普段の読書習慣において小・中学生向けの物語や随筆・説明文や論説文を多く読んでおこう

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