武蔵中学校 入試対策
2017年度「武蔵中学校の理科」
攻略のための学習方法
男子御三家と呼ばれる中学の一つが、この武蔵中学だ。近年台頭する学校が増えたために以前ほどの合格難易度はないかもしれないが伝統的なアカデミックな校風は好感が持てるし、ユニークな出題として知られる入試問題は大人が解いても楽しいものになっている。もちろん、今でも十分に難関校であるが。
武蔵を受ける場合に限らず、男子進学校全般に言えることであるが、理数系の科目では難問への対応力が問われる。一問一答形式による知識の充実も必要であるが、やはり難しい問題へ立ち向かう学力、というよりパワーが欲しい。
そのためには、6年の前半まで、進学塾でいえば夏期講習くらいまでの時期は、思い切って難問に挑戦してほしい。武蔵の対策に欠くことができないのかどうかではなく、どんな問題が出てもまずは対応できるという土壌を養っておく必要があるからだ。
公開模試などで、武蔵中学の合格可能性ラインまでならば基本的な問題にくまなく答えていくだけでも到達できるだろう。基本的知識の暗記だけでもうれしくなるような合格可能性はもらえるかもしれないが、それでは6年後半の学校対策に入ったときに必ず壁にぶち当たる。
あまり要領は良くないかもしれないが、塾や家庭教師の先生と一緒に難問にトライしてもらいたい。正解できればそれに越したことはないが、できなくてもそういう挑戦したという体験が後になって生きてくる。
まずは挑戦体験と知識の十分な蓄え、これに時間を費やそう。
6年秋以降は本格的な学校対策となる。
はじめて過去問に触れた時には通常解いている問題との違いに驚くかもしれない。「こんなこと習ってない」とか「問題文が長くて読むのがつらい」とか「記述の問題がある…」などだ。しかし普段の学習と入試問題との開きというのはつねに存在する。スポーツでいえば練習と試合の違いだ。練習だけでは力が分からないやみくもに試合ばかりしても力はつかないし伸びない。
ここで夏までの難問挑戦を生かそう。
過去問に付き合っているうちにこの学校の求めているもの、その水準がおのずと見えてくるはずだ。ここまで考えればよいのか、ここまで書けばよいのか、といった具合に。
ここから先はむやみに難問挑戦はせず、武蔵中学の問題で合格点を取る勉強にシフトしていこう。誰も解けそうもない問題には触れることはないのだ。ただ、そこまで難解な設問はほとんどないと思うが。
そして武蔵を志望するならば、この学校の問題傾向を好きになり、問いていて楽しいと思えるレベルまで自分を変えていこう。そうすれば、武蔵合格はおのずからついてくるはずである。
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2017年度「武蔵中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間40分で大問は3,小問は15前後で60点満点。
本年度の場合、武蔵らしい問題は、【大問3】にとどまり、あとの大問は普段学習している問題のうち、どちらかといえば易しめの問題に属する程度の難易度だった。選択肢による設問も多く、時間は十分だったろう。
【大問1】水温の変化
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
簡単な実験について、図と表とグラフが与えられ、そこから設問にあたっていく形式で、どこでもよく見られるものである。特に計算しなくては解けない設問もなく、多少考えるとしたら問3くらいかな、と思われる基本的な内容。
問3では、与えられた熱が部屋の加温にも使われるまで気が及ばないと正解は導けないが、普段そのようには考えたことが少ないので難しいかもしれない。
また、問5では氷の量が2倍になることにより、0度の水の量も2倍に増えるので、一定になる水温も低くなるといった細かい注意力が必要だ。
その問3と問5での記述の出来が得点の差をつけたものと思われる。
せめて計算問題を出してもらいたかったところだが…
<時間配分目安-8分>
【大問2】地層
- 難度:易
- 時間配分:12分
- ★必答問題
ボーリング調査で得られた模式図をもとにして、十分なヒントがつめられた問題文から基本的な地層に関する設問を解く。
どの設問に対してもあまり誤った知識をもって受験生は少ない思うので、あとはその基本的知識をわかりやすく説明できるか、というところが差がつく点は【大問1】と同じ。問2、問4、問5、問6の記述には十分な時間をかけ、正しい説明を心がけたい。特に問5、問6は十分な記述量で正解をゲットしたい。
平易な設問で差をつけようとするテスト、別の意味では、難問と言ってもいいかもしれない。
<時間配分目安-12分>
【大問3】2つのネジの違い
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
武蔵と言えば「これ」と思われるような、伝統ある格式を誇る大問。
武蔵対策を受けてきた生徒にとっては、むしろ既視感あふれる問題なのではあるまいか。
2つのネジには大きな違いはなく、細かい相違点に目をつけて記述していかなくてはなるまい。 形状の違いだけではなくて用途の違いや、たとえば右側のネジ(六角穴付きボルト)のほうがせまい空間でも作業ができるなどの点まで触れられていれば、高得点が望めると思う。
<時間配分目安-15分>
攻略のポイント
テスト時間は40分で60点満点。
受験者平均点は34.2点、合格者平均は38.5点とほぼ差はなく(理社は例年そうで、算数のみ大きな開きがある),合格点は36・7点くらいだろう(約60%)。
本年度の大問は特に基本的な問いが目立ち、逆にこの理科で60%程度に得点しかできないのは知識不足と言われても仕方のないところだが、記述分を厳しく採点しているとみられるので、当たり前に知っている知識をきっちりと説明できることの難しさを示しているともいえる。
本年度の問題レベルであれば、適度な過去問対策と日常の基本的学習だけで充分に合格点が取れるが昨年までの内容を見ると本年度のレベルが一過性の可能性もある。
武蔵の理科というと、特別な傾向とその対策と考えてしまいがちだが、やはり合格点までは日常の学習内容で事足りるはずだ。典型題を身につけながら考察する問題への耐性を育てよう。
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