武蔵中学校 入試対策
2024年度「武蔵中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
2000字ほどのリード文を読み、数問の選択式問題と記述問題に答えていく形式。資料や統計がよく用いられている。リード文のテーマは年度によりさまざまで、政治経済中心の年もあれば大部分が地理の年度もある。問題もリード文の分野に従って出されるので、まんべんなく出題されるわけではない点、注意が必要である。
記述問題は1行のものから50字程度のもの、300~400字ほど書けるものと数パターン出題されている。いずれも字数の指定はない。特に最後の論説型の記述は、かなりの経験を積んでおかないとうまくまとめられずに時間を失うことにもなりかねない。
記述問題
記述に特化した試験なので書く分量は多くなる。しかし、特別に高度なテクニックやテキストに出てこない難解な知識が求められているわけではない。記述問題といえども、書く土台となるのは基本的な社会科の実力である。まずはテキストをマスターし、補助教材で知識にしっかりと厚みを持たせよう。
その上で、類似の記述問題を多くこなし、設問で求められていることに適度な字数で的確に答えられるように練習を積む。訊かれるのは単なる知識や用語の説明ではなく、多くは事件・出来事の背景や理由である。勉強の際には、なぜそのような出来事が起こったのか、当事者の考え・意図はどうだったのかなど、考えながら覚えていこう。統計や資料の数値から、それまでの経緯や今後の動向などを類推する練習をしよう。記述問題が多いのは、社会的な物事についてよく考える習慣がついているかどうかを見たいのであろう。
それが最もよく表れているのが、論説型の大型記述である。与えられたテーマについて見たことも聞いたこともない状態では書くのにも困ってしまうので、知識量も必要とされる。社会を取り巻くいろいろな問題について考えた経験がないと、十分な字数も埋まらないであろう。深く考えられる生徒が求められている。
ただし、リード文には考える手がかりとなりそうなキーワードが示されている場合が多い。2017年度を例に取れば、「里海」や「エコパーク」などの語である。出題者の想定した解答の方向性がなんとなくわかるであろう。このような文中の手がかりもうまく使って、設問で訊かれているポイントから外れずに、文章に破綻がないようにまとめられるよう、過去問や傾向の似た学校の試験でこつをつかんでおこう。
統計・資料
毎年、統計や図版などの資料が必ず用いられている。数字の持つ意味や、画像の特徴などに気づけるように、統計資料や資料集など最新のものに目を通し、見方に慣れておくことが重要である。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2024年度「武蔵中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2024年度は労働の変化や現代における問題を取り上げ、その対策など考えさせるという問題が出された。
2024年度でも選択肢問題は出題されなかった。本文を参考に出来る問題から手際よくまとめ、自分で考える大型記述に時間を多く回したい。過去問でそうした時間配分のこつをつかんでおこう。
【大問】総合問題
- 難度:やや難
- 時間配分:40分
- ★必答問題
働くということを題材に、労働における性差や働き方への意識の変化・現代における問題などについて訊かれている。
問1 (あ) 矢じり
(い) 縄文土器には浅い皿型や深いつぼ型などさまざまな形状があり、食べ物を砕く・焼く・煮るなど調理に用いたり、食物の保存や盛り付けなどに使ったりとさまざまな用途で使用された。資料の深鉢型は主としてものを煮るために使われ、そのままでは食べられない木の実のあく抜きをしたり、素材を煮炊きしたりするのに使われた。
問2 百姓
問3 高度経済成長期には白黒テレビ・電気冷蔵庫・電気洗濯機などの「三種の神器」やカラーテレビ・自動車・クーラーなどの「新三種の神器(3C)」などの耐久消費財が広く普及した。労働形態の変化に伴い農村から都市部への人口の大移動が起こり、核家族化が進行する中で、こうした製品が家事の負担を軽減し生活を豊かにするのに資したのである。たとえば洗濯機などは、たらいと洗濯板で1枚1枚洗っていた労力を、ボタン一つで肩代わりしてくれたわけである。
問4 (あ) 明治時代に工業が発達し始めたころには、製糸や紡績などのせんい産業で多くの女性が働くようになった。
(い) 群馬県富岡製糸場はフランスの技術を取り入れた大規模な官営工場で、多くの製糸工場のモデルとなった。
問5 図3から読み取れるのは、24歳までは男女に差がないのにそれ以降は人口比率・正規雇用率ともに女性が大きく率を落としていることである。25歳を過ぎると女性は結婚・妊娠・出産などで離職する人が多く、子育てを終えて復職しようとしても正規では雇用されにくいという実態がうかがわれる。
問6 (あ) 男性がほとんどの時間を労働に振り分けているのに対し、女性は仕事と家事・育児等の時間が半々で、「支払われない労働」の多くを女性が担っている現状が見て取れる。
(い) 育児や介護が必要になったときに一定期間休業できる制度が法律で定められている(育児・介護休業法)。特に大企業においては率先してこのような制度を設けているが、男性の利用率はまだ低いのが現状である。
問7 仕事と生活のバランスを取ろうというのが基本の考えであり、仕事における生産性・労働の充実感や、生活における家族と過ごす時間や趣味などプライべートの充実・健康・精神の豊かさなどの両立を目指す取り組みである。労働に時間を取られるあまり健康面で不安が生じたり、子育ての余裕がなかったりなど、バランスの偏りが社会に影響を与える場面は多い。これらが積み重なると社会保障費の増大や少子化の加速など大きな問題へと発展してゆくのである。
攻略のポイント
記述問題が大半を占める試験ではあるが、背景として必要とされるのは基本的な社会科の実力である。そこにプラスして、新聞やニュースなどで社会のできごとについてよく考え、そうして培った社会に対する考察力といったものが答案を書く推進力になる。
勉強に限らず、身の回りで起きた事件や世界の情勢など、様々な出来事の原因や結果・その後の影響などをよく考え、考察力を養おう。
海城中学など、傾向の似た試験も利用して、十分な経験を積んでおかれたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
武蔵中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。