鷗友学園女子中学校 入試対策
2016年度「鷗友学園女子中学校の理科」
攻略のための学習方法
鴎友学園女子中学校理科の満点は100点、合格者平均点は例年6割~7割である。幅広い知識を必要とする問題が多く、高い思考力を求められる問題も含まれる。問題の形式としては、実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も含まれる。
合格に向けての学習法としては、まずは各分野の基本知識をまんべんなく身につけることが必須である。その上で、過去問や同レベルの難易度の問題演習をしっかり行うことが求められる。
本校の理科の入試問題では、ここ何年かはカラーの写真や図が用いられている。過去問演習を行う際には、実際の(カラー版の)問題を入手して(鴎友学園のホームページからもプリントアウトできます)演習を行って欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は池に住む生物に関する出題であった。ここ数年では、動物を中心に人のからだの働き、植物に関する出題も見られた。植物や動物の写真がカラーで提示されることも想定される。その対策として、植物や動物の学習を行う上では、花の色・動物や昆虫の姿をカラー写真で確認して欲しい。そのためには、図鑑や資料集などを有効に活用して頂きたい。
地学分野 本年度は天体に関する出題であった。ここ数年では、やはり天体に関する出題頻度が高く、気象・岩石や地層に関する出題も見られる。この分野を学習する上では、月・太陽・星の動きを「なぜそのように動いて見えるのか?」の理屈を理解した上で覚えて頂きたい。星や月の動きに関する計算問題も十分に練習しておきたい。地層や岩石の学習では、資料集などで各岩石の色等の違いも確認して欲しい。
物理分野 本年は密度と浮力に関する出題であった。ここ数年では力のつり合いを中心に音・光・電気に関する出題も見られる。この分野の学習としてまずは、最も出題される可能性の高いてこのつり合い、滑車・輪軸・浮力・ばねなどの基本的な計算をしっかり練習して欲しい。電気・光などについても基本的性質を理解した上で問題演習を行って頂きたい。単なる頭の中だけでの丸覚えだけでなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。
化学分野 本年度は塩酸と大理石の化学変化に関する出題であった。この分野の学習としては、気体や水溶液の性質など知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。溶解度、水溶液と金属の反応、中和、燃焼などに関して塾のテキストや問題集を使ってしっかり練習して頂きたい。
秋以降に実施される模試は、合格可能性の判定だけに注目するのではなく、苦手単元を見極めるチャンスとして考えて頂きたい。特に間違えの多かった単元においては、その問題だけの解きなおしではなく、これまで使ってきたテキストや問題集を活用して「基本」の洗い直しをすることも必要である。模試の結果の分析やその後の対策については、家庭教師を有効に活用して頂きたい。
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2016年度「鷗友学園女子中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は40題程度で100点満点。試験時間は50分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題の他に、計算問題・記述問題・図を描く問題も含まれている。また、大きな特徴として問題の中の図や写真がカラー印刷されている。時間は50分あるが、計算問題や思考力を必要とする問題も多いので、できる問題から素早く処理することも必要である。算数・国語同様に100点満点なので、理科の出来が合否を大きく左右する。合格に向けてしっかり準備して欲しい。
【大問Ⅰ】生物分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
水中に住む生物に関する問題
問1 写真を見て生物名を答える問題。テキストや図鑑などの写真をしっかり見ているかが問われる。
問2 植物プランクトンが光合成を行う。ミドリムシはべん毛を使って動くが、光合成を行う。
問3 ゲンゴロウおよびトンボの幼虫であるヤゴが昆虫である。
問4 ブラックバスとアメリカザリガニが外来生物である。ブラックバスを知らない生徒は多かったかも知れない。
問5 チョウ・バッタ・アメリカザリガニに共通なのは複眼で、ものの色や形を見分ける働きがある。
問6 2倍に拡大すると6目盛りに見えるので、4倍に拡大すると12目盛りに見える。
問7 対物レンズの倍率を変えても、接眼ミクロメーターの目盛りの見え方は変わらない。
問8 ものの見え方が4倍になるので、接眼ミクロメーターの1目盛りが示す実際の長さは1/4倍になる。
問9 写真によって倍率が違っているので、すべてを100倍に換算して、何目盛りに見えるかで大きさを比較すればよい。
日頃から生物に興味を持ち、写真などを見ているかが問われている。単に動物の分類を言葉だけで覚えるのではなく、図や写真をみる習慣を身につけて欲しい。顕微鏡の使い方では「接眼ミクロメーター」を知らずに戸惑った生徒も多かったと思われる。
【大問Ⅱ】化学分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
化学変化に関する問題
問1 表の数値からグラフを作成する問題。正確に処理して欲しい。
問2 問1で作成したグラフの折れ曲がっている部分を読み取ればよい。
問3 問1で作成したグラフの縦軸との交点(大理石0g)を読み取ればよい。
問4 大理石が1.25g増えても溶液全体の重さが0.7gしか増えないのは、その差の0.55gが気体として逃げていくからである。
問5 食酢が蒸発し、その分軽くなる。
問6 13.8gの減少分のうち、10.9gは食酢の蒸発分と考えられるので、発生した気体は2.9g。大理石が1g溶けると気体が0.44g発生することより、卵のからの重さが求まる。
問7 難問。卵の一部は食酢の上に出ている。食酢につかっている部分でのみ、からが溶けるのでアンバランスが生じ、卵が回転すると考えられる。
問1で正確にグラフを作成し、前半は確実に処理して欲しい。問7は難問だが空欄にすることは避けたい。
【大問Ⅲ】地学分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
天体に関する問題
問1 BとCの動きから、東の空から上り南の方向に移動している写真と考えられる。
問2 金星が東の空に見えることを「明けの明星」とよび、選択肢の中では午前5時半が該当する。
問3 地球から最も遠い木星の動きはほとんどわからず、金星が最も大きく動く。
問4 365日で360度回転するので、1日では約1度動くことになる。
問5 木星は4344日で360度回転するので、1日の回転角は非常に小さい。
問6 毎日同じ時刻に月を観測すると、1日に約12度ずつ東の方向に動いて見える。
問7 下弦の月で東の方向に少し傾いて見える。
問8 下弦の月なので、月の左側から太陽の光が当たっている。
問9 下弦の月から6日後、左側がわずかに光って見える。東の地平線近くなので、月の傾きにも注意すること。
問10 太陽の光が金星の左側から当たっているので、左半分が光って見える。傾きにも注意すること。
月・惑星の見え方に関する出題で基本的な問題が中心だが、観測した時間による傾きの違いなど注意する点も多い。
【大問Ⅳ】物理分野
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
密度・浮力に関する問題
問1 体積は重さ÷密度で求められる。
問2 金と銀の重さの比より、金が560g、銀が140g。問1同様に体積を求める。
問3 問1と問2で求めた体積の差が水に沈んでいる部分の体積の差になる。これを水槽の底面積で割れば、水面の高さの差が求まる。
問4 水につかっていない時と比べた時の重さの減少分が浮力と考える。水の密度は1㎤で1gなので、浮力の大きさは水につかっている部分の物体の体積と等しい。
問5 ①Aが80g、Bが60gなのでA側が下がる
②重さ−浮力を計算すると、Aが20g、Bが30gなのでB側が下がる
問6 同じ重さであっても、密度が異なる違う物質であれば水中で働く浮力が異なる。
密度と浮力に関する出題。誘導に従って考えていけば解きやすく作られている。
攻略のポイント
際立った難問はないが、基本をかなりしっかり身につけていないと対応できない出題が多い。例えば、3の天体に関する大問では、月・惑星の位置関係・動きをしっかり理解していないと間違えやすい。単なる丸覚えではなく、なぜそのように動いて見えるかを理解しておく必要がある。
すべての大問が実験や観察に関する文章・図・グラフ・写真を題材として作られている。学習を進める上では、用語の丸覚えではなく、テキストの図・写真などにもしっかり注意を払って欲しい。本校の理科はカラー印刷された問題なので、学習する際もカラーの資料集や図鑑を手元に置いて、例えば植物・動物・岩石などはその色なども確認しながら進めて頂きたい。
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