鷗友学園女子中学校 入試対策
2018年度「鷗友学園女子中学校の理科」
攻略のための学習方法
鴎友学園女子中学校理科の満点は100点、合格者平均点は例年5割~6割である。
幅広い知識を必要とする問題が多く、高い思考力を求められる問題も含まれる。
問題の形式としては、実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題が中心であり、計算問題や記述問題も含まれる。
合格に向けての学習法としては、まずは各分野の基本知識をまんべんなく身につけることが必須である。その上で、過去問や同レベルの難易度の問題演習をしっかり行うことが求められる。
本校の理科の入試問題では、ここ何年かはカラーの写真や図が用いられている。過去問演習を行う際には、実際の(カラー版の)問題を入手して(鴎友学園のホームページからもプリントアウトできます)演習を行って欲しい。
分野毎の学習法
生物分野
本年度は生物の誕生に関する出題であった。ここ数年では、光合成、池に住む生物、人のからだの働きなどに関する出題も見られた。植物や動物の写真がカラーで提示されることも想定される。その対策として、植物や動物の学習を行う上では、花の色・動物や昆虫の姿をカラー写真で確認して欲しい。そのためには、図鑑や資料集などを有効に活用して頂きたい。
地学分野
本年度は地震に関する出題であった。ここ数年では、天体に関する出題頻度が高く、気象・岩石や地層に関する出題も見られる。この分野を学習する上では、月・太陽・星の動きを「なぜそのように動いて見えるのか?」の理屈を理解した上で覚えて頂きたい。星や月の動きに関する計算問題も十分に練習しておきたい。
地層や岩石の学習では、資料集などで各岩石の色等の違いも確認して欲しい。地層のボーリング調査に関する問題の演習もしっかり行って欲しい。
物理分野
本年は浮力に関する出題であった。ここ数年では力のつり合いを中心に音・光・電気に関する出題も見られる。この分野の学習としてまずは、最も出題される可能性の高いてこのつり合い、滑車・輪軸・浮力・ばねなどの基本的な計算をしっかり練習して欲しい。
電気・光などについても基本的性質を理解した上で問題演習を行って頂きたい。単なる頭の中だけでの丸覚えだけでなく、実際の演習をしっかり行うことが大切である。
化学分野
本年度は熱量および二酸化炭素排出量に関する出題であった。ここ数年では水溶液の性質、化学変化などに関する出題が多い。この分野の学習としては、気体や水溶液の性質など知識事項を覚えることはもちろんのこと、計算を含む問題演習を数多く行うことが大切である。
溶解度、水溶液と金属の反応、中和、燃焼などに関しては、塾のテキストや問題集を使ってしっかり練習して頂きたい。
秋以降に実施される模試は、合格可能性の判定だけに注目するのではなく、苦手単元を見極めるチャンスとして考えて頂きたい。特に間違えの多かった単元においては、その問題だけの解きなおしではなく、これまで使ってきたテキストや問題集を活用して「基本」の洗い直しをすることも必要である。模試の結果の分析やその後の対策については、家庭教師を有効に活用して頂きたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2018年度「鷗友学園女子中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で100点満点。試験時間は50分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題の他に、計算問題・記述問題・グラフを描く問題も含まれている。作図用の定規は配布される。また、大きな特徴として問題の中の図や写真がカラー印刷されている。
時間は50分あるが、計算問題や思考力を必要とする問題も多いので、できる問題から素早く処理することも必要である。
算数・国語同様に100点満点なので、理科の出来が合否を大きく左右する。合格に向けてしっかり準備して欲しい。
【大問1】生物 生物の誕生
- 難度:標準
- 時間配分:10分
問1 卵子が作られるのは卵巣、受精が起こるのは卵管、胎児が成長するのは子宮。
問2 胎児の成長過程に関する出題。
問3 受精する場所、生まれる場所、生まれた子の様子に関する出題。ヒキガエルのみ体外受精で、生まれる場所は水中になる。
問4 人の子は親の体内にいるとき、胎盤を通して親から栄養を与えられるが、ワニは卵の中の卵黄を栄養としている。
問5 図の中の数字をそのまま読み取ればよい。
問6・問7 温度によって合計の匹数が異なるので、その温度におけるオスの割合をたて軸にしてグラフを描けばよい。
問8 31℃から33℃のグラフを見ると、温度が上がるにつれてオスの割合が高くなっている。
前半は人や動物の誕生に関する知識問題。後半はワニの誕生がテーマだが、図をしっかり読み取れば容易に解答できる。
【大問2】化学 熱量
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
問1 図2~図4いずれにおいても、金属球の温度変化÷水の温度変化=14になる。
実験の結果より、水は金属球に比べて温度が変化しにくいことがわかる。
問2 金属球の方が水よりも温度が変化しやすいので、水の中で金属球を暖めると、水の温度が80℃になったとほぼ同時に金属球の温度も80℃になると考えられる。
問3 水は100℃で沸騰してしまうので、水の中で金属球を暖めても、一定以上の温度にすることはできない。
問4・問5 実験2では温度の低い物質は金属球になる。温度差の45度を1:14に分けると、金属球は42℃温度が上昇して66℃になる。
問6 なべの水→缶→飲み物 と熱は伝わる。
問7 缶は金属でできているので暖まりやすいが、飲み物は缶に比べて暖まりにくい。
熱量に関する出題。難問ではないが、実験の結果を読み取る力と記述力が必要となる。
今回の入試では、合否を左右する大問の一つと思われる。ここで得点できなかった場合は、熱量をテーマにした問題演習をもう少し行って欲しい。水と水の混ぜ合わせ、水と金属の温度変化、氷の温度変化など、この機会にいろいろなパターンの問題を練習して頂きたい。
【大問3】化学 物理 浮力・二酸化炭素排出量
- 難度:難
- 時間配分:14分
問1 密度の小さい物質ほど、水(食塩水)に浮きやすい。
問2 100㎤の重さが107gの食塩水に浮き、104gの食塩水には沈んだことから、この物質の密度は1.04g/㎤と1.07g/㎤の間と考えられる。
問3 PEは水に浮き、PRTは水に沈むので、分離することが可能である。
問4 二酸化炭素は温室効果ガスと呼ばれ、地球温暖化の原因になる。
問5 原料として1kg、燃料として0.8kg、合計1.8kgの石油が必要である。
問6 石油1kgを燃やした時の二酸化炭素排出量が100であることから計算すればよい。
問7 工程Ⅰでは新たに必要な原料の石油は半分、二酸化炭素排出量も半分になるが、工程Ⅱでの二酸化炭素排出量は変わらないことに注意。
問8 図6で計算すると二酸化炭素排出量は180、図8で計算すると122で58の削減になる。58÷180より、約32%の削減になる。
前半は浮力に関する出題。浮力の細かい計算はないが、浮力に関する知識は必要。
後半は、プラスチックの再利用と二酸化炭素排出量に関する出題。特に後半は問題文・図・表の内容を理解、解釈した上で解答する力が必要となり、やや難問である。
【大問4】地学 地震(P波とS波の伝わり方)
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
問1 地震計では、おもりはゆれず、記録紙のみが動く。
問2・問3 記録紙の波の動きと地面のゆれる向きが逆になることに注意。
問4 初期微動継続時間と震源からの距離は比例の関係になる。図7より、震源からの距離(km)=8×初期微動継続時間(秒)となる。
問5 震源からの距離が40kmの地点と、64kmの地点を比べると、24km進むのにP波は3秒、S波は6秒かかっている。このことから秒速を求める。
問6 震源からの距離が40kmの地点までP波が進むのに5秒かかることを利用。
問7 震源から32km離れている地点でP波が観測されるのは、地震発生4秒後。それから緊急地震速報発信まで6秒かかるので、緊急地震速報発信は地震発生10秒後。震源から70km地点にS波が到達するまで17.5秒かかるので、緊急地震速報発信からS波到達まで7.5秒になる。
地震に関する出題。地震計に関する知識問題と、グラフを利用してP波とS波の速さを計算し、この速さをもとに解き進めていく問題。
やや難問ではあるが、P波・S波の速さの計算を正確にできるかどうかで大きく明暗が分かれる出題になっている。
ここで得点できなかった場合は、地震に関する知識をもう一度復習するとともに、P波とS波の伝わり方をテーマにした問題の演習を積み重ねて頂きたい。
攻略のポイント
どの大問も基本知識で解ける問題と、思考力・応用力が要求される問題に分かれる。
今年度の出題でも、生物や地震に関する知識も必要だが、思考力が必要な出題も多くなっている。
まず攻略のポイントとしては、基本知識で解ける問題を絶対に落とさないことがあげられる。
すべての大問が実験や観察に関する文章・図・グラフ・写真を題材として作られている。学習を進める上では、用語の丸覚えではなく、テキストの図・写真などにもしっかり注意を払って欲しい。本校の理科はカラー印刷された問題なので、学習する際もカラーの資料集や図鑑を手元に置いて、例えば植物・動物・岩石などはその色なども確認しながら進めて頂きたい。
直前期は過去問や思考力が必要な問題演習をしっかり行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師などに行って欲しい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
鷗友学園女子中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。