鷗友学園女子中学校 入試対策
2018年度「鷗友学園女子中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
例年、大問3つに、地理・歴史・政治がそれぞれ割り当てられるという形式で出題されている。
満点が100点となっているのは女子校としては珍しく、理科・社会にも算数・国語と同等の重きをおくという、本校の校風が現れている。
テスト時間は50分で総解答数は30問ほどだが、そのうち8~9問が字数制限のない記述問題であり、本校独特の問題構成となっている。
記号選択問題も多少は出されるが、その他多くは用語記入問題で、記述問題と相まって書き込む分量が大変多い。
女子校の社会の試験としては、かなりハードなものとなっている。
地理分野
あるテーマに沿って、関連する地形や産業・貿易など、広い範囲から出題される。地図やグラフ・統計も多く用いられ、特に地形図の読み取りの問題は非常によく出されている。
記号選択や用語記入は基本的事項を問うものが多く、ここは落とさずに得点源としたい。
グラフや統計を読み取る問題は、これまで一度も見たことが無いというような珍しいデータを示されるわけではないが、やはり資料集などをよく見ておき、データの意味を考えるような訓練をしておかないと、テストでいきなり答えるのは無理というものである。
基本的事項をしっかり覚えた上で、地図や白地図、資料集などで各事項の場所や具体的な数値・順位などまで含めて覚えてしまいたい。
歴史分野
歴史上の女性にスポットを当てたり法律を題材にしたりと、ある話題について関係のある歴史的事柄が訊かれている。内容は各時代・各項目から幅広く訊かれている。
この分野では少し深い知識を問われる問題が多い。例えば、平成25年度・1次の記述問題などは、当時の法律について法律名をただ知っていればよい、という問題ではない。法律名を漢字で答え、その規定する内容と施行した結果どうなったかまで、詳しくわかっていないと答えられないような問題になっている。
基本事項を知っているのは当然として、その背景やその後の影響など、関連事項まですぐ引き出せるようにしておかなければならない。時代順の並べ替え問題も毎年のように出題されているし、選択問題でも時代順がわからないと答えられないものが見られるので、年表を活用して各年代・各事項のつながりをしっかりとらえておきたい。
政治分野
毎回、様々なテーマに沿って、憲法や政治のしくみ、社会的な問題などについて出題される。
基本的事項を問う設問もあるが、記述問題のなかには教科書では詳しく触れられない話題について考えさせられるようなものもある。
日本国憲法・三権のしくみや選挙制度などの基本的事項をおさえ、ニュースや新聞で多くの社会的な出来事を知り、自分なりの意見を持てるようによく考える習慣をつけることが大事である。
記述
以上に見てきたように、本校の試験は、用語記入と記述問題を合わせるとかなりな分量の答えを記述しなければならない、書き応えのある試験となっている。
特に記述問題は、問題本文と資料の情報を使ってあとは自分で考える・・・という思考力が必要なものも出されていてなかなか手強い。通常の受験勉強はもちろん、普段からどれだけ社会の出来事に興味を持ち、積極的にニュースに触れて調べたり考えたりしてきたか・・・本校の記述問題を見ていると、そのようなことを学校側は訊きたいのだろうと思えてくる。
しかし、記述以外の問題は、細かい部分まで正確に覚える必要はあるものの、基本事項・重要事項をマスターしていれば答えられるものがほとんどである。
まずはテキスト・地図・白地図や資料集で基本的事項を漏れの無いよう丁寧に学習する。
その上で、環境・人口・地域紛争など、現代社会を取り巻く様々な問題に興味を持ち、教科書を超えて学ぼうとする意欲が必要となろう。
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2018年度「鷗友学園女子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数と構成は例年通りで大きな変化は無い。
31問中、地理・政治経済分野が各9問、歴史分野が13問と歴史の比重が少し大きくなっている。
長短合わせて9問の記述問題が含まれ、そのうち5問は考えを述べたり、資料から推察したりする問題でやや難しい。
その他は知識を問う問題が多いので、50分という時間を考えると、記述問題に当てる時間は確保できるだろう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
ふるさと納税を話題に、各地の地形や産業、気候などについて訊かれている。
問1 (1)ア.イギリスの緯度は北海道より高い。
イ.豊川用水は愛知県にある用水。猪苗代湖から引かれたのは安積疎水。
エ.福島県の太平洋沿岸はなめらかな海岸線になっている。
(2)会津若松市周辺は会津盆地が広がり、内陸部特有の「夏暑く冬寒い」気候になっている。
(4)飛行機で短時間に運べたり冷蔵輸送の技術が進んだりなど、輸送技術が高くなった。
問2 (1)カントリーエベーター。小麦やトウモロコシなどを大量に貯蔵・調製できる。
問3 集約農業は人手や物資を多く投入して狭い土地でも多くの収穫を得られるようにする方法で、日本に適している。アは広大な土地で少ない人手で作物を作るアメリカなどの大農場のやり方である。
問4 需要の高い都市部への出荷を目的とするのが園芸農業。資料では東京への出荷が多い近郊農業が盛んな千葉県が抜けている。
問5 返礼品がその地域でだけ使える「商品券・金券」的なものなら、観光客の増加や経済の活性化が見込まれる。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:23分
- ★必答問題
仏教の歴史を題材に、各時代の政治や宗教、社会情勢などの問題が出されている。
問1 一向宗(浄土真宗)の総本山・石山本願寺は信長により取り潰され、跡地に秀吉が大阪城を建てた。
問2 説明は古墳時代にあたる。アは縄文時代、イは弥生時代、エは奈良時代の内容。
問3 この時代は聖徳太子の活躍したころである。憲法十七条でも仏教を敬うことが命じられており、また遣隋使として多くの僧が仏教を学んで帰国している影響もあった。
問4 イ 壬申の乱は飛鳥時代の出来事。
問5 院政→貴族社会での内紛を武士の力を借りて解決→平氏の隆盛という流れを覚えておくとよい。
問6 承久の乱の後、朝廷の監視や御家人の統率のために京都に置いた役所。
問7 踊りながら念仏を唱えて練り歩く「踊念仏」が広まった。札には念仏が書かれていた。
問8 室町時代には足利義満によって日明貿易がはじめられた。
問11 1937年から日中戦争の勃発で日本は戦時下となり、翌年には国家総動員法も制定され、人員や物資が軍需に集約されていった。木材や金属など、物資が強制的に徴収された。
問12 旗が折れている絵は日本軍の敗北を表している。フィリピン諸島が陥落し、沖縄も攻略されていることから、Bが後だとわかる。
問13 仏教を信じる人が少なくなっているのは確かだが、人工知能のせいではないのでウは不適切。檀家数の少ない寺は経営が成り立たず、跡継ぎの無い寺は統廃合で数が減っていく現状である。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
三権分立を話題に、憲法や国会、国際条約などについて訊かれている。
問1 日本国憲法でも学問の自由・職業選択の自由・身体の自由(拘束されない)などが認められている。専制政治の下では権力者の考えひとつで、人々の様々な「自由」が制限されてしまうのである。
問2 裁判所は、国会で作られる法律が憲法に反していないか判断する権利(違憲立法審査権)を有する。この力が司法から立法への抑止力となる。
問3 (2)勤労・納税・教育を受けさせる、のうち1つを書けばよい。
問4 (2)C.総排出量が最も多いのは中国で、人口が多いので1人当たりでは少なくなる。
A.第2位がアメリカで、1人当たりでは最も多い。
問5 (1)X 閣議で決まったことはあくまで行政のトップの意見であり、それが国会(立法)により否定されることもあるので×。
問6 憲法の規定にあるように、臨時国会は臨時に会を開いてでも話し合うべき重要な議題があることが前提である。それを、話し合わずに衆院を解散してしまうのでは、本来の開会意図から外れているのではないかと思われるのである。
攻略のポイント
記号選択や用語記入などは、基礎的な知識が問われる問題なのでここで大きくつまずくようだと心もとない。出来事の順番を訊くような問題もあるので、年代などは正確に記憶しておくこと。
記述問題については、出来事や用語の説明をさせるようなシンプルなものはしっかり書いておきたい。
後半に出される自分で考えるような記述問題は、やはり社会的な出来事への関心と考察の量がものを言うので、普段から新聞やニュースを見て、少し「大人な」視点で物事を考えるようにして、思考力を養うように意識したい。
そして、自分の考えを100字程度で抜けやミスが無いようにまとめられるよう、練習しておくとよい。
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