鷗友学園女子中学校 入試対策
2020年度「鷗友学園女子中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
例年、大問3つに、地理・歴史・政治がそれぞれ割り当てられるという形式で出題されている。
満点が100点となっているのは女子校としては珍しく、理科・社会にも算数・国語と同等の重きをおくという、本校の校風が現れている。
テスト時間は2020年度から45分となった。総解答数は30問ほどだが、そのうち8~9問が字数制限のない記述問題であり、本校独特の問題構成となっている。
記号選択問題も多少は出されるが、その他多くは用語記入問題で、記述問題と相まって書き込む分量が大変多い。
女子校の社会の試験としては、かなりハードなものとなっている。
地理分野
あるテーマに沿って、関連する地形や産業・貿易など、広い範囲から出題される。地図やグラフ・統計も多く用いられ、特に地形図の読み取りの問題は非常によく出されている。
記号選択や用語記入は基本的事項を問うものが多く、ここは落とさずに得点源としたい。
グラフや統計を読み取る問題は、これまで一度も見たことが無いというような珍しいデータを示されるわけではないが、やはり資料集などをよく見ておき、データの意味を考えるような訓練をしておかないと、テストでいきなり答えるのは無理というものである。
基本的事項をしっかり覚えた上で、地図や白地図、資料集などで各事項の場所や具体的な数値・順位などまで含めて覚えてしまいたい。
歴史分野
歴史上の女性にスポットを当てたり法律を題材にしたりと、ある話題について関係のある歴史的事柄が訊かれている。内容は各時代・各項目から幅広く訊かれている。
この分野では少し深い知識を問われる問題が多い。例えば、2013年度・1次の記述問題などは、当時の法律について法律名をただ知っていればよい、という問題ではない。法律名を漢字で答え、その規定する内容と施行した結果どうなったかまで、詳しくわかっていないと答えられないような問題になっている。
基本事項を知っているのは当然として、その背景やその後の影響など、関連事項まですぐ引き出せるようにしておかなければならない。時代順の並べ替え問題も毎年のように出題されているし、選択問題でも時代順がわからないと答えられないものが見られるので、年表を活用して各年代・各事項のつながりをしっかりとらえておきたい。
政治分野
毎回、様々なテーマに沿って、憲法や政治のしくみ、社会的な問題などについて出題される。
基本的事項を問う設問もあるが、記述問題のなかには教科書では詳しく触れられない話題について考えさせられるようなものもある。
日本国憲法・三権のしくみや選挙制度などの基本的事項をおさえ、ニュースや新聞で多くの社会的な出来事を知り、自分なりの意見を持てるようによく考える習慣をつけることが大事である。
記述
以上に見てきたように、本校の試験は、用語記入と記述問題を合わせるとかなりな分量の答えを記述しなければならない、書き応えのある試験となっている。
特に記述問題は、問題本文と資料の情報を使ってあとは自分で考える・・・という思考力が必要なものも出されていてなかなか手強い。通常の受験勉強はもちろん、普段からどれだけ社会の出来事に興味を持ち、積極的にニュースに触れて調べたり考えたりしてきたか・・・本校の記述問題を見ていると、そのようなことを学校側は訊きたいのだろうと思えてくる。
しかし、記述以外の問題は、細かい部分まで正確に覚える必要はあるものの、基本事項・重要事項をマスターしていれば答えられるものがほとんどである。
まずはテキスト・地図・白地図や資料集で基本的事項を漏れの無いよう丁寧に学習する。
その上で、環境・人口・地域紛争など、現代社会を取り巻く様々な問題に興味を持ち、教科書を超えて学ぼうとする意欲が必要となろう。
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2020年度「鷗友学園女子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数と構成はほぼ例年通りだが、時間は45分となった。
28問中、地理分野が8問・歴史分野が12問・政治経済分野8と歴史の比重が少し大きくなっている。長短合わせて8問の記述問題が含まれ、考えを述べたり資料から推察したりする問題もあるのでやや難しい。その他は知識を問う問題が多いので、45分という時間を考えると、記述問題に当てる時間は確保できるだろう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
高知県を話題の中心として、産業や災害対策などについて訊かれている。
問1 愛媛県は今治タオルなどのブランドを持ち、繊維工業が盛んである。
問2 ウ. 港町2の付近には到達時間30分以内の地域があり、本町3付近の60分以内よりも早く津波が到達することが予想される。
問3 Aは台湾・中国など日本に近い国が多いので、太平洋を漁場として獲れるマグロ・カジキ類と考えられる。Bはチリ・ノルウェーが含まれており、低い水温の海域で獲れるサケ・マスが当てはまる。Cの国々では養殖池でエビを育て、日本に多く輸出している。
問4 夏の南東からの季節風が四国山地に沿って上昇して雲を作り、高知市のある南側では降雨量が多くなる。高松市は中国山地と四国山地の間にあり、夏も冬も山地を越えて乾燥した空気が入ってくるため、年間を通して雨は少なくなる。
問6 (1) 夏期を除いて高知県からの入荷が多いことから、なすと考えられる。温暖な高知県では
ビニールハウスを使った促成栽培でなす・きゅうりなどの夏野菜を冬期を中心に多く出荷してる。
(2) 植物工場では主に水耕栽培が行われる。根が養分を含んだ水を吸収する仕組みで、土が使わ
れないため連作障害などを防ぐことができる。また、ハウス内で栽培されるので、天候の
影響を受けずに通年の出荷が可能となる。
問7 間伐材は十分に育った木ではなく通常の建築などの用途には適さないため、割りばしなどの材料にし、廃棄されることも多かった。製品として販売することができれば村の収入にもなり、新たな産業にもなる。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
- ★必答問題
元号を題材として、各時代について訊かれている。
問2 「推古15年」は元号ではなく、推古天皇の治める時代の15年目という意味である。日本としては、日本と隋が対等の関係で国交を開くことを意図して遣隋使を派遣した。日本独自の時代の表し方を用いたのも、そうした考えの表れであったと考えられる。
問3 6歳以上の男女に口分田を与えて収穫した稲を税として徴収することを定めた「班田収授(の)法」。
問4 足利尊氏が京都に北朝(光明天皇)を、後醍醐天皇が奈良・吉野に南朝を築いた時代を南北朝時代(1336~92年)といい、足利義満が南北朝を合一するまで朝廷が2つ存在していた。よって、②(1338年)と③(1368年)が当てはまる。
問5 (2) Bは老中・松平定信の寛政の改革で農業を再建しようとしたので、誤りである。
(3) アは米商人とその家族で、商人が米の買い占めや売り惜しみをして価格を釣り上げたとして、
イの主に貧困な市民が米屋を襲っている。
問6 Y. 一世一元は日本では明治時代からの決まりだが、明治・大正・昭和・平成・令和と現在は5
つめである。
問7 日中戦争の勃発が1937年で、日本は世界から非難された。また、国家総動員法の制定が1938年であり、戦時体制への移行が進みオリンピックの実施が困難になった。
問8 ウ. 元首とは、外国に対して国家を代表する資格を持つ機関を指す。天皇は象徴的存在とされているので、元首のような実権は持たない。
問9 (1) 消費税は3%・5%・8%・10%と引き上げられてきた。
(2) 平成時代は1989~2019年。アは1987年で昭和時代である。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
高齢社会や人手不足などを話題に、経済や法律について訊かれている。
問1 米中貿易摩擦について説明した文章である。アメリカが知的財産権侵害の制裁として中国からの輸入品に25%の追加関税をかけたことに対抗し、中国も同率の関税を課した。
問3 イ. 30日以内ではなく、60日以内である。
問5 イ. 内閣と国会が逆の説明になっている。
ウ. 文章はオンブズマン制度の説明になっている。
エ. 消費税は間接税である。
オ. 統一地方選は4年に一度である。また、無投票で決まるのは立候補者が一人だけという地方での選挙が多い。
問6 第99条は、政府の統治は憲法に基づいて行われるという理念・立憲主義を表している。政府の権限を制限し、国民の権利を守るためである。
問7 (2) AIは膨大なデータをもとに計算し判断する。データ化できない微妙な人の感性やデータが存在しない新たな事象について答えを出すのは得意ではないだろう。人間は未知の事態にも直感や想像力を働かせて対処しようとする。この点ではAIは人間に及ばないのではと考える人もいる。
攻略のポイント
記号選択や用語記入などは、基礎的な知識が問われる問題なのでここで大きくつまずくようだと心もとない。出来事の順番を訊くような問題もあるので、年代などは正確に記憶しておくこと。
記述問題については、出来事や用語の説明をさせるようなシンプルなものはしっかり書いておきたい。
後半に出される自分で考えるような記述問題は、やはり社会的な出来事への関心と考察の量がものを言うので、普段から新聞やニュースを見て、少し「大人な」視点で物事を考えるようにして、思考力を養うように意識したい。そして、自分の考えを100字程度で抜けやミスが無いようにまとめられるよう、練習しておくとよい。
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