鷗友学園女子中学校 入試対策
2023年度「鷗友学園女子中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
例年、大問3つに、地理・歴史・政治がそれぞれ割り当てられるという形式で出題されている。
満点が100点となっているのは女子校としては珍しく、理科・社会にも算数・国語と同等に重きをおくという本校の校風が現れている。
テスト時間は2020年度から45分となった。総解答数は30問ほどだが、そのうち8~9問が字数制限のない記述問題であり、本校独特の問題構成となっている。
記号選択問題も多少は出されるが、その他多くは用語記入問題で、記述問題と相まって書き込む分量が大変多い。
女子校の社会の試験としては、かなりハードなものとなっている。
地理分野
あるテーマに沿って、関連する地形や産業・貿易など、広い範囲から出題される。地図やグラフ・統計も多く用いられ、特に地形図の読み取りの問題は非常によく出されている。
記号選択や用語記入は基本的事項を問うものが多く、ここは落とさずに得点源としたい。
グラフや統計を読み取る問題は、これまで一度も見たことが無いというような珍しいデータを示されるわけではないが、やはり資料集などをよく見ておき、データの意味を考えるような訓練をしておかないと、テストでいきなり答えるのは無理というものである。
基本的事項をしっかり覚えた上で、地図や白地図、資料集などで各事項の場所や具体的な数値・順位などまで含めて覚えてしまいたい。
歴史分野
歴史上の女性にスポットを当てたり法律を題材にしたりと、ある話題について関係のある歴史的事柄が訊かれている。内容は各時代・各項目から幅広く訊かれている。
この分野では少し深い知識を問われる問題が多い。以前に出た法律に関する記述問題などは、ただ法律名を知っていればよいという問題ではなく、法律名を漢字で答えその規定する
内容と施行した結果どうなったかまで、詳しくわかっていないと答えられないような問題となっていた。
基本事項を知っているのは当然として、その背景やその後の影響など、関連事項まですぐ引き出せるようにしておかなければならない。時代順の並べ替え問題も毎年のように出題されているし、選択問題でも時代順がわからないと答えられないものが見られるので、年表を活用して各年代・各事項のつながりをしっかりとらえておきたい。
政治分野
毎回、様々なテーマに沿って、憲法や政治のしくみ、社会的な問題などについて出題される。
基本的事項を問う設問もあるが、記述問題のなかには教科書では詳しく触れられない話題について考えさせられるようなものもある。
日本国憲法・三権のしくみや選挙制度などの基本的事項をおさえ、ニュースや新聞で多くの社会的な出来事を知り、自分なりの意見を持てるようによく考える習慣をつけることが大事である。
記述
以上に見てきたように、本校の試験は、用語記入と記述問題を合わせるとかなりな分量の答えを記述しなければならない、書き応えのある試験となっている。
特に記述問題は、問題本文と資料の情報を使ってあとは自分で考える・・・という思考力が必要なものも出されていてなかなか手強い。通常の受験勉強はもちろん、普段からどれだけ社会の出来事に興味を持ち、積極的にニュースに触れて調べたり考えたりしてきたか・・・本校の記述問題を見ていると、そのようなことを学校側は訊きたいのだろうと思えてくる。
しかし、記述以外の問題は、細かい部分まで正確に覚える必要はあるものの、基本事項・重要事項をマスターしていれば答えられるものがほとんどである。
まずはテキスト・地図・白地図や資料集で基本的事項を漏れの無いよう丁寧に学習する。
その上で、環境・人口・地域紛争など、現代社会を取り巻く様々な問題に興味を持ち、教科書を超えて学ぼうとする意欲が必要となろう。
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2023年度「鷗友学園女子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数と構成はほぼ例年通りだが、時間は45分となっている。
30問中、地理分野が9問・歴史分野が12問・政治経済分野9問と歴史の比重が少し大きくなっている。
長短合わせて6問の記述問題が含まれ、考えを述べたり資料から推察したりする問題もあるのでやや難しい。
その他は知識を問う問題が多いので、45分という時間を考えると、記述問題に当てる時間は確保できるだろう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
琵琶湖を話題として、各地の気候・地形や産業について訊かれている。
問1 ① 滋賀 ② 赤潮
問2 Aは県庁所在地が盆地にあることがわかるので山梨県、Bは北側が海であると考えられるので新潟県、Cが京都府である。
問3 アは雪日数の多さから日本海側の鳥取県、イは降水量の少なさから香川県、エは気温の高さと降水量の多さから沖縄県とわかり、残るウが大阪府となる。
問4 かつて1位だった京浜工業地帯は割合を下げ、現在は豊田市が含まれる中京工業地帯が伸びて1位となっていることから、Aが中京工業地帯、Bが阪神工業地帯、Cが京浜工業地帯と判別できる。
問5 養殖漁業は稚魚から成魚になるまでいけすなどの施設で育てるのに対し、栽培漁業は稚魚を放流し、成魚になるまで自然の中で育ててから獲る。
問6 (1) 船などで物を運搬する
(2) 発電所
(3) イ. それぞれ山側に水源があると考えられる。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
- ★必答問題
歴史上の新しい発見という話題で、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 ① 三内丸山 ② 佐藤栄作
問2 氏姓制度の時代は家柄や血筋で地位が決まっていたが、冠位十二階の制度では実力で人を選ぶようになった。
問3 ア. 平安時代なので平安京である。
イ. 奈良時代のことなので平城京である。
エ. 当時の都は飛鳥にあった。
問4 源頼朝が朝廷の許可を得て全国に守護・地頭を置いたのが1185年だったため、この年を実質的な幕府の成立年と考えることができるのである。
問5 ア. 中国人は唐人屋敷からでることは禁じられていたので、×。
問6 (1) 日本とイギリスが手を結んだことを示している=日英同盟。
(2) ロシアが食指を伸ばしていた韓国を日本に取りに行かせようとしている絵である。
問7 日中戦争
問8 長引くベトナム戦争にアメリカ国内でも厭戦ムードが高まった。
問9 非核三原則
問10 日本はアメリカと同盟を結び、実質的にアメリカの核抑止力に守られているため、アメリカと軌を一にする必要がある。一方で、日本は唯一の被爆国であり当事者として参加すべきであるという声もあがっている。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
人間の安全保障という考え方を話題に、憲法や国際関係について訊かれている。
問1 ア. 日中国交正常化は1972年のことなので、2022年は50周年である。
問2 先進国が多い北半球と発展途上国が多い南半球との経済格差が大きいという問題である。
問3 軍を指揮する人は文民(軍部出身ではない人)でなければならないという原則を、文民統制(シビリアン・コントロール)という。
問4 経済成長が進む過程では公害が増え、さらに豊かになると対策への意識や技術が高まり公害は減っていく。これをグラフに表すと山形になる。
問5 ① 平和 ② 生存
問6 (1) どちらも正しい。
(2) 衆議院議員選挙の比例代表制では拘束名簿式が採用されており、有権者は政党名だけを記入する。参議院議員選挙では政党名・個人名どちらを書いてもよい。
問7 いくら保護して助けても、現地の人々が病気の知識や対処法を知らなければ、いずれまた流行が始まりいたちごっこになる。人々がみずから適切な予防・対応ができるように、十分な知識や予防技術などを知ってもらうことが重要なのである。
攻略のポイント
記号選択や用語記入などは、基礎的な知識が問われる問題なのでここで大きくつまずくようだと心もとない。出来事の順番を訊くような問題もあるので、年代などは正確に記憶しておくこと。
記述問題については、出来事や用語の説明をさせるようなシンプルなものはしっかり書いておきたい。
後半に出される自分で考えるような記述問題は、やはり社会的な出来事への関心と考察の量がものを言うので、普段から新聞やニュースを見て、少し「大人な」視点で物事を考えるようにして、思考力を養うように意識したい。そして、自分の考えを100字程度で抜けやミスが無いようにまとめられるよう、練習しておくとよい。
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