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大宮開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「大宮開成中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問3つに、漢字や文法・論説文の読解・小説の読解が割り当てられる形が続いている。
素材文は計7000~9000字ほど。総解答数は40~50問程度
設問は字数指定の穴埋め書き抜きと選択肢が多い。記述問題は例年では字数制限が無かったが、2019年度から字数指定ありとなった。「本文中のことばを用いて」「指定された言葉を必ず使って」「説明しなさい」という形で1~2問出題される。2~3行ほど、50~80字程度が想定されている。また、2019年度からグラフから読み取れることを説明する論述タイプの記述問題も出題されており、今後の傾向に注意が必要である。

漢字・文法など

漢字は書き取りと同音異字で10問、文法は5問で助詞・助動詞や係り受けなどが出されている。この部分で20点の配点があるので、疎かにはできない。漢字は初級~中級、文法は品詞を中心に言葉のきまりをひと通り頭に入れておく必要がある。また、慣用句も読解問題と合わせて訊かれている。手を抜かなければ得点できる部分なので、ここで点を稼ぎたい。

論説文の読解

ここ数年は社会科学分野からの出題が多い。科学的な話題なので理科を好きな人には読みやすいだろう。論説文の読解の技を磨いておこう。
まずは段落の整理。形式段落と意味段落をまとめて、各段落のつながりを見ておく。意味段落の内容を小見出しのように書いておくとわかりやすい。
字数指定の書き抜きが多い点からも、要点と細部の区別は重要である。求められる答えが要点の部分にあるのか細部の部分にあるのか、探す際の手掛かりになる。選択肢問題は本文との一致・不一致を見分けるものが多いので、要旨・要約で筆者の意見を正確に理解しておくことが役に立つ。
論説文の読解は答えを文中から探す問題が多いので、傍線などで重要点を目立つようにしておくと解答がスムーズである。

小説の読解

登場人物を中学生・高校生に設定した話が多く、舞台も馴染みのある場面が多いので理解しやすい。文量は6000字程度になる場合があるので読むスピードはつけておこう。
文学的文章の読解の基本を身につけよう。
登場人物の名前・人数・性格・他との関係などをチェックする。人数を訊かれるような問題もあるので、重複しないように初登場時にしるしをつけてしまうと良い。
次に場面分け。時間・場所・人物の入出などで場面の切り変わりを見る。誰の何を描こうとした場面なのかを考えておく。そして最重要の心情の把握。人物の言動・表情や情景などにも注意して気持ちを想像する。同じ気持ちでも性格が違えば行動は真逆であったりする。最後に全体を見渡して物語のテーマを読み取る。主人公の悩み・葛藤や心の成長が描かれる話が多いだろう。
人間の心理に詳しいほうが有利であるのは確かなので、様々な小説を読み、文学だけでなく映画などでも多くの人物の生き方・考え方に触れることで精神的に大人になっておくことが、国語の試験に大きく資するところがある点は指摘しておきたい。

書き抜き問題・記述問題

穴埋め書き抜きは字数が指定されるものが多い。ピンポイントで答えを探さなくてはいけないので、時間がかかる場合がある。問題の多くは、ある意味段落やある場面の内容からまとめたものなので、おなじ意味段落・場面から探せばよいということになる。探すのに手間取らないように過去問でよく慣れておこう。
2019年度から記述問題にも字数制限がつくようになった。また、例年と同じタイプの記述問題に加えて、論述タイプの記述問題も出題されている。今後は論述タイプも出題される可能性があるので、自分なりの考えを自分の言葉でまとめるといった練習をしておこう。文字数は40~50字程度で、従来と変わりはない。

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2024年度「大宮開成中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

素材文は計9000字ほどで総解答数51問。書き抜き問題は字数が指定されるので、適切な語句を見つけるのに時間がかかる恐れがある。要点などを見つけやすくする工夫をして時間をロスしないようにしたい。選択肢問題を素早く解き、書き抜き・記述問題にあてる時間を確保しよう。

【大問一】言語事項・記述

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問一 ① 拾得物   便乗  ③ 復興   自転  ⑤ 予兆   博識   束(ねる)  熟(れた)

問二 ① 青天のへきれき   口火を切る

問三 ① 雨が――降ったので

海辺で――見つめた

この――問題が  

問四 二〇一九年から二〇二一年にかけて割合が二倍になっているが、二年間で割合の伸びは鈍化している……など、「変化」について読み取れることを書けばよい。

【大問二】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:19分

人間は「文化」を中間地点として周囲の環境変化から身を守り、体や性質を変化させずにきた例外的な生物であることが説明されている。

問一 2段落~4段落で説明されている。

ア. 中間地帯  イ. 文化  ウ. 自然環境の変化(異なる自然環境)

問二 「体や性質を少しずつ変化変形させて」適合する例なので、選択肢エは合わない。

問三 Ⅰ. 中間地帯を自然環境の変化に応じて変化変形させる、「つまり」変化をそれに吸収させる……。

Ⅱ. 環境の変化を直接受けずに生き延びていく、「だから」異なった環境でも体や性質はそれほど変化しない。

Ⅲ. 道具、衣服、「さらに」言語も重要な文化である。

Ⅳ. 文化の主要な部分を占める言語は重要な役割を果たすものである。「ただし」、~明快に説明することは現段階ではできない。

問四 文化という中間地帯の形状や性質は住む地域の条件に応じて変化しなければならないので、結果として「必然的に」世界に多種多様な異なる文化が存在することになる。

問五 イ. 人間が環境に合わせて「進化」していくとは書かれていない。

ウ. 「自然環境が厳しくなると」という条件で語られていない。

エ. 「精神」への影響は述べられていない。

問六 人間は他の生物と違い周囲の環境に合わせて自分の体や性質を変えず、種としての「同一性」を失わずに生きる例外的な生物なのである。

問七 周囲の環境に自らを合わせるという意味で選択肢ウが合う。

問八 イ

問九 文化についての説明は5段落以降に詳しく述べられている。「なかでも言語は」「環境からの刺激や情報を人間が感知した結果を処理し仲間に伝えることで、集団的に協力して様々な環境に対処することに役立っている」と言語の重要な役割が示されている。

問十 その環境で暮らす人々にとって大事な物事については語彙や種類が増え性質も細かく分類されるので、言語を見れば暮らしぶりが想像できるのである

問十一 ア. 異なる環境条件  イ. 和らげたり吸収したり  ウ. ほぼ同じ人間であり続ける  エ. 変化から守る 

【大問三】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:21分
  • ★必答問題

クラス委員をしている主人公は目標が見当たらず自信を持てずにいたが、合唱の練習を通しての皆とのつながりに「春」を感じ、未来への希望を得る。

問一 a. エ  b. イ  c. ウ

問二 マラソン大会で皆に応援歌を歌ってもらった御木元が流した涙とそこに感じられた「彼女を固めていた雪(が溶けかけている)」の比喩が、彼女がそれまで感じていた苦しさを表している。

問三 ア. 何者か  イ. 一所けん命 ウ. 勤勉         

問四 マラソン大会で皆で応援歌を歌ったときの御木元の涙に、クラスの皆が心を動かされたのである。

問五 御木元は皆にわかり易いように自ら手本を示しながら指示を出している。

問六 ⑤の「春」は季節のことで、の「春」は皆とひとつになって合唱の練習をしている充実した時間を例えている。

問七 ア. ふわふわ  イ. 進路  ウ. 何をどうすればいいのだろう  エ. 持って生まれた資質

問八 「春の先にあるのは夏なんだな」の言葉から、たとえ春が終わってもまだ先に輝かしい季節が訪れるという、先への希望が感じられる。

問九 ア. 冬  イ. 光のつぶ  ウ. ふた葉

問十 「春」「秋」などの季節を、その人の心情や置かれた状況の比喩として用いている。

攻略のポイント

漢字・文法・慣用句などの言語事項もしっかり出される。地味と言えば地味な分野だが、国語力の基礎になる部分でもあるので、地道に覚えていこう。字数指定の穴埋め書き抜き問題は本校の特色ともいえるので、できるだけ多くの過去問をこなして十分に慣れておきたい。最新年度では記述問題にも字数制限がついている。論述タイプの記述問題も出された。今後の傾向に注意が必要である。

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