大宮開成中学校 入試対策
2019年度「大宮開成中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問3つに、漢字や文法・論説文の読解・小説の読解が割り当てられる形が続いている。
素材文は計7000~9000字ほど。総解答数は40~50問程度。
設問は字数指定の穴埋め書き抜きと選択肢が多い。
記述問題は例年では字数制限が無かったが、2019年度は字数指定ありとなった。「本文中のことばを用いて」「指定された言葉を必ず使って」「説明しなさい」という形で1~2問出題される。2~3行ほど、50~80字程度が想定されている。
また、2019年度ではグラフから読み取れることを説明する論述タイプの記述問題も出題されており、今後の傾向に注意が必要である。
[漢字・文法など]
漢字は書き取りと同音異字で10問、文法は5問で助詞・助動詞や係り受けなどが出されている。この部分で20点の配点があるので、疎かにはできない。
漢字は初級~中級、文法は品詞を中心に言葉のきまりをひと通り頭に入れておく必要がある。また、慣用句も読解問題と合わせて訊かれている。手を抜かなければ得点できる部分なので、ここで点を稼ぎたい。
[論説文の読解]
ここ数年は社会科学分野からの出題が多い。科学的な話題なので理科を好きな人には読みやすいだろう。論説文の読解の技を磨いておこう。
まずは段落の整理。形式段落と意味段落をまとめて、各段落のつながりを見ておく。意味段落の内容を小見出しのように書いておくとわかりやすい。
字数指定の書き抜きが多い点からも、要点と細部の区別は重要である。求められる答えが要点の部分にあるのか細部の部分にあるのか、探す際の手掛かりになる。
選択肢問題は本文との一致・不一致を見分けるものが多いので、要旨・要約で筆者の意見を正確に理解しておくことが役に立つ。
論説文の読解は答えを文中から探す問題が多いので、傍線などで重要点を目立つようにしておくと解答がスムーズである。
[小説の読解]
登場人物を中学生・高校生に設定した話が多く、舞台も馴染みのある場面が多いので理解しやすい。文量は6000字程度になる場合があるので読むスピードはつけておこう。
文学的文章の読解の基本を身につけよう。
登場人物の名前・人数・性格・他との関係などをチェックする。人数を訊かれるような問題もあるので、重複しないように初登場時にしるしをつけてしまうと良い。
次に場面分け。時間・場所・人物の入出などで場面の切り変わりを見る。誰の何を描こうとした場面なのかを考えておく。
そして最重要の心情の把握。人物の言動・表情や情景などにも注意して気持ちを想像する。同じ気持ちでも性格が違えば行動は真逆であったりする。
最後に全体を見渡して物語のテーマを読み取る。主人公の悩み・葛藤や心の成長が描かれる話が多いだろう。
人間の心理に詳しいほうが有利であるのは確かなので、様々な小説を読み、文学だけでなく映画などでも多くの人物の生き方・考え方に触れることで精神的に大人になっておくことが、国語の試験に大きく資するところがある点は指摘しておきたい。
[書き抜き問題・記述問題]
穴埋め書き抜きは字数が指定されるものが多い。ピンポイントで答えを探さなくてはいけないので、時間がかかる場合がある。問題の多くは、ある意味段落やある場面の内容からまとめたものなので、おなじ意味段落・場面から探せばよいということになる。探すのに手間取らないように過去問でよく慣れておこう。
2019年度は記述問題にも字数制限がつくようになった。また、例年と同じタイプの記述問題に加えて、論述タイプの記述問題も出題されている。今後は論述タイプも出題される可能性があるので、自分なりの考えを自分の言葉でまとめるといった練習をしておこう。文字数は40~50字程度で、従来と変わりはない。
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2019年度「大宮開成中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は計6900字ほどで総解答数は52問。書き抜き問題は字数が指定されるので、適切な語句を見つけるのに時間がかかる恐れがある。要点などを見つけやすくする工夫をして時間をロスしないようにしたい。
選択肢問題を素早く解き、書き抜き・記述問題にあてる時間を確保しよう。
【大問1】漢字・熟語・文法
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問一 ③競合――競い合うこと。
④竹馬の友――幼いころ竹馬で遊んだころからの友達。
問二 ①領空 ア.優良 イ.大統領 ウ.大漁旗 エ.料金
②進言 ア.原稿 イ.水源 ウ.厳格 エ.言動
③容認 ア.黄葉 イ.様式 ウ.美容院 エ.要人
④門戸 ア.戸外 イ.強固 ウ.故障 エ.点呼
問三 ①ようやく――たどりついたのに
②たぶん――なるだろう
問四 「割合」のグラフなので、割合の変化に言及した方が良い。%がどう変わったかを具体的に数字を挙げて例示すればよいだろう。ただ、「読み取れること」を書けという指示なので、「以前より運動部にはいる人の割合が多くなった」といった書き方でも間違いではない。
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
働くことの原理について論じている。
問一 (ⅰ) 第四段落で「いのちを保つこと」と「財を貯えること」の二つが働くことの原形だと述べている。
これと同じ意味の字数に合う箇所を探すと、「いのちの確保→ウ」と「よく生きたい→エ」と入れられる。
ア・イには、「いのちの確保」は「自然かつ必然」で「よく生きたい」は「自然だが必然ではない」と述べているので、「自然→ア」「必然→イ」と入れられる。
(ⅱ) 働くことの派生形・間接的な労働→貨幣・金を稼ぐ必要→しかし稼ぎと仕事との違いがある……と話が進んで第十段落へと至る。働くことは稼ぐばかりでなく「自己実現」でもあり、「社会に貢献していることを認められること(19字)」が「最大の動機であり、報酬である」とまとめている。
問二 生きるための直接的な「食料や道具」の生産だけでなく、よりよく生きるための「間接的」な交換をするようになるという点が、動物にはない性質なのである。
問三 弱者と強者のどちらも例として挙げられているので、ウとエは合わない。
問五 ウ「稼ぎ」について「不満は出ないが、喜びもない」とは述べられていないので×。
問六 幼児の例・天才的な芸術家やスポーツマンの例の両方についてあてはまる選択肢なので、エが良い。
問七 すべて十四段落から探せる。
問八 「しかり」の内容を説明すればよい。「真剣に責任感をもって」「何がよいか考えながら」「意味を見出す」という「姿勢」がよい仕事・よい人生を作り出してくれるのである。
【大問3】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
やる気がないと思われていた合唱部の男子だったが、エリの病欠をひとつのきっかけとしてサトルを中心にまとまりつつあることにナズナは気づく。
問一 a.業を煮やす――腹を立てる。
b.筋金入り――身体や考えが強固なこと。
問二 エリが来ないことにがっかりしているので、エリの合唱部をまとめる能力を期待しているということである。
問四 傍線の次の段落にサトルの考えた内容が書いてあり、その最後に「そのような感慨を彼(ケイスケ)も抱いていたのだろうか」とある。
問五 「音のうず→ア」はとてもあたたかく「孤独→イ」を忘れるが「長くは続かない→エ」と入れられる。
問七 おもいちがいの内容は空欄⑤の段落に書いてある。サトルだけ合唱にまじめで、いい加減な他の男子からいじめられようとしているのではないかと心配している。実際は、サトルが中心となって歌の練習をしているのだということが、最後の場面で判明する。
問八 ウ. 「たまに男子がぼんやりしている校庭のソテツ」とある。ナズナからはそう見えていたのである。
オ. 「○○をとる」で合う言葉を探す。男子たちが歌の練習をする場面で「統率のとれた男子の声」と書かれている部分が使える。
攻略のポイント
漢字・文法・慣用句などの言語事項もしっかり出される。地味と言えば地味な分野だが、国語力の基礎になる部分でもあるので、地道に覚えていこう。
字数指定の穴埋め書き抜き問題は本校の特色ともいえるので、できるだけ多くの過去問をこなして十分に慣れておきたい。
最新年度では記述問題にも字数制限がついている。論述タイプの記述問題も出された。今後の傾向に注意が必要である。
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