大宮開成中学校 入試対策
2023年度「大宮開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
受験テキストにおいて標準的とされる問題を解けるようにすることに心血を注ぐことが最重要だろう。それが達成されれば合格点に届くと思われるが、さらに上の得点を目指したければ、発展的とされる問題に着手すると良い。テキスト学習時は、「物理、化学、生物、地学」の4分野をまんべんなく学習して欲しいが、計算問題、実験結果から考察させる思考型問題が多く出題されるので、これらの対策の時間を長めに設けるのが良い。
以下、分野別に学習法を述べる。
【物理・化学】
計算問題をなるべく多く経験しておきたい。物理ではつり合いの法則や電流についての法則など、法則の知識が必要な問題が出題されるので、これらを使う練習を積みたい。化学では表やグラフの数値から比例関係を見抜く練習を積みたい。これらの分野は苦手意識を強く持っていた人でも、法則やグラフの読み取り方を知ればすんなり納得できる場合があるから諦める前に解決の道を探って欲しい。丁寧に図解されている参考書を読んだり、先生に図解してもらったりして解決すると良い。難易度としては標準的な問題で確実に正解できることを目指せば合格点に手が届くが、やや難易度の高いものも出題されるため、標準的な問題が安定的に得点できるようになった人は、難易度を上げて学習すると良い。
【生物・地学】
生物・地学分野においては思考型の問題が出題されるため、図・表の見方を理解することや文章を正しく読解することが重要である。この部分においても、自分一人では納得できない場合、丁寧な図解がある参考書を読んだり、先生に教えてもらったりして早期解決しておきたい。
暗記が必要な分野については、一通りインプット(読む、聞く)を行ったのであれば、アウトプット(話す、書く)に重きを置いて学習すると良い。お家の人や先生にクイズ形式で出題してもらったり、テストをして実力を試したりするとよい。その際、受験テキストの一問一答形式の問題や基礎を確認するような問題、語句の穴埋め問題などを活用すると良い。なお、内容的には、マニアックな知識は不要で、各分野の基本とされるものを正しく覚えられている状態になれれば良い。
上記のポイントを意識しながら、一通りテキスト学習を終えたのであれば、過去問演習をメインとした学習に切り替え、実戦経験を積むと良い。ミスをした問題については受験テキストに戻って、知識確認をしたり、過去問で出てきた計算問題と類似した問題の反復練習をしたりすると効率が良い。また、過去問演習を通じて問題を解く順序や一つの大問にかける時間の感覚を身につけておきたい。
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2023年度「大宮開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1が小問集合、大問2~5がそれぞれ生物、物理、地学、化学という構成で、全体では計34問の出題だった。その内訳は、数値記入が10問、他24問は全て記号選択だった。制限時間は30分であるから、1題あたりに使える時間は平均6分である。分量を考えるとスピーディに解き進める必要がある。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:6分
生物、物理、地学、化学から1~3問ずつの計8問の出題。半分が知識を問うもの、半分は知識を使って思考するものという印象。難易度は高く無いが、問題文を丁寧に読み、問われているものを正確に把握しながら解く必要はある。
問2 定番の蒸散量についての計算問題。部位毎の蒸散量を整理しながら解くと良い。
問4 プロジェクターとスクリーンの間の距離と映し出される画面の面積についての問い。算数で学習する相似の応用であることに気づけると良い。
問5 地球上の地点と夏至の日の昼夜の長さについての問い。夏至の日の地球と太陽を図示し、昼夜の長さについて説明できると良い。
問7 中和についての問い。塩酸の濃度が2倍になった場合、元の濃度の塩酸が2倍用意されているものと捉えられる。
問8 ペットボトルを用いた圧力についての実験に関する問題。下の容器の水と空気の境目付近の、水圧と大気圧の関係が図示できると良い。
【大問2】動物の行動/生物
- 難度:標準
- 時間配分:5分
動物の群れにおける順位制および群れの大きさについての資料を読み解く問題。与えられている表やグラフを適切に解釈する必要がある。
問3,4 順位制についての表を元に考える問題。ある個体との関係において、つつく側だがつつかれる側ではない場合、その個体よりも上位であると解釈するのが基本だ。
問5~7 行動時間と群れの大きさについてのグラフを題材とした問題。グラフに描かれている各曲線が何を意味し、群れの大きさとはどのような関係にあるか、ということを整理しながら解きたい。
【大問3】ばねの性質、浮力/物理
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
ある程度の経験値を要する内容。ばねの基本情報の整理は勿論、設問毎にばねやおもりにかかる力の大きさや種類について整理できる必要がある。
問1,2 ばねの基本情報についての問い。この2問は基本的な内容のため失点は許されない。
問3~6 おもりをはさみ2種類のばねを直列につないだ実験に関する問題。ばねばかりの数値はばねAにはたらく力の大きさを意味し、ばねAにはおもりの重さとばねBが引っ張る力の和がかかり、ばねBにはばねAにはたらく力とおもりの重さの差がかかる、と考えると良い。
問7 問3~6の実験に浮力が追加される内容。おもりにはたらく力について整理してみると良い。
【大問4】マグマ、火山、火成岩/地学
- 難度:標準
- 時間配分:5分
主に知識を問う問題。定番の内容と言える。
問1~3 マグマの粘り気および、火山についての問い。いずれも定番の知識問題だろう。
問4~6 火成岩についての問い。問6では、結晶になる温度すなわち融点が高いものほど先に結晶になる、と考えると良い。
【大問5】酸化銅の還元/化学
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
酸化銅を炭素と共に加熱し、銅に戻す還元という反応を題材とした問題。今回のテーマに関する問題文の説明をよく読み、表の数値から過不足なく反応する際の質量について整理できることが重要だ。
攻略のポイント
合格点を取るために最も重要なことは、標準的な問題で失点しないことだろう。知識が無いと答えられない問題や解法が全く思い浮かばない問題は後回しにしておき、確実に解けそうな問題や少し考えれば答えが得られそうな問題から優先的に取り組むというのが基本姿勢としてふさわしい。大半を占める、資料を元に思考させる問題で得点するためには、文をよく読み、データから言えることを適切に整理することだ。初見の内容が出題される可能性も十分あるが、そのような場合こそ、文やデータにヒントが隠されていると思って丁寧に解き進めて欲しい。
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