大宮開成中学校 入試対策
2018年度「大宮開成中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題の構成]
ここ数年、地理分野・歴史分野が各2問、政治経済・現代社会分野が計2問、記述問題が1問という大問7つの構成が続いている。総解答数は40問ほど。地理・歴史が各13~19問ほど、政治経済・現代社会が計9問ほどと、歴史>地理で政治経済・現代社会が少なめである。記号選択・適語記入が多く、並べ替えの問題も見られる。地図や統計、図版などの資料が用いられている。
記述問題は出来事を説明するものや、社会問題の解決策と問うものなどが出されている。
[地理分野]
盆地や大地について・平野と河川、あるいは北海道・中部地方についてなどあるテーマに沿って広い地域・狭い範囲の両方について訊かれている。地形・地名・産業や気候など広い分野から出題がある。ここ数年、雨温図を見分ける問題がよく出されている。日本の6つの気候区を区別できるようになっておこう。
全体としては、基本事項の問題が多い。テキストを丁寧に学習してあれば答えられる。範囲に偏りはないので、地理全般で苦手な範囲を作らないように心がけよう。
[歴史分野]
年表を用いて広い時代について訊く問題や、図版を用いた文化や建造物に関する問題などが出されている。各時代の出来事や人物、文化財など各範囲から訊かれている。時代順の並べ替えもよく出されている。建造物の名前など漢字で書くのが難しい問題もあり、地理分野よりやや難しい印象である。とはいえ、テキストや資料集でマスターできる基本事項の問題が多いので、基本を確実に身につけていれば十分得点できるはずである。
[政治経済・現代社会分野]
憲法・政治の仕組みや経済と、世界の出来事や社会問題などの問題が出されている。この分野では資料はほぼ使われず、知識を問う内容が多くなっている。前年など、直近の話題も取り上げられるので時事問題集・重大ニュース集などにも目を通しておこう。
[記述問題]
空き家の増加(2018年度)やイギリスのEU離脱(2017年度)などを題材に、50字の記述問題が出されている。2018年度では、空き家の増加でどのような問題が起こりどのような対策が考えられるかが問われた。社会問題の解決策を答える小論文型の記述になっている。単なる知識だけではなく、社会的な出来事の原因や対処法を考える思考力が必要となる。社会の様々な出来事に関心を持ち、50字程度で自分なりの意見をまとめてみる。完璧な答えを思いつかなくても、部分点を稼げれば得点を上積みできるのだから、一定の字数を書ける力を養おう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2018年度「大宮開成中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問7つで総解答数は42問。
基本事項の問題が多いので、記号選択や適語記入の問題は時間はかからない。リード文の文量も多くない。
わかる問題をどんどん解き進めて、最後の記述問題に少し多めに時間をまわそう。論述タイプの記述問題が出された場合は考える時間が必要になる。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
平野と河川についてひろく訊かれている。
問一 (1)濃尾平野一帯の下流の低地には居住地域を囲むように堤防が設けられている地域があり、輪中と呼ば
れる。少し高い場所に水屋という物置兼避難場所がつくられている。
(2)「はえぬき」の産地・山形県の最上川。
(3)第2位の流域面積・客土とあるので北海道・石狩川。下流には蛇行が洪水などで直行に変わった際に
取り残された三日月湖が多く形成される。
(4)筑後川下流に張り巡らされた水路をクリークという。
<時間配分目安:3分>
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
中部地方の地形や産業など。
問一 イ.部品ごとに多くの関連工場が生産をおこなっているので×。
ウ.何万点もの部品を手作業で組み立てるのは不可能なので×。
エ.鉄鉱石の輸入依存度は100%であるので×。
問二 焼津港はマグロ・カツオの水揚げ量が多い日本有数の漁港である。
問三 北(西)から順に、飛騨・木曽・赤石と覚えよう。
問四 雨温図の問題がよく出されている。中央高地は雨量が少なく、冬の気温が0度以下になるのが特徴であ
る。
問五 かつては養蚕が盛んで紡績工場があり、その人手を機械工場に転用できた。また、空気がきれいであるこ
とも精密機械の生産に向いている点である。
問六 すいかなら熊本県、ももなら福島県、りんごなら青森県がトップまたは上位に来るはずである。
問七 福井県・鯖江市はメガネフレームの生産のほぼ97%を占め、海外の有名ブランドの製品も手掛けてい
る。
<時間配分目安:5分>
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
戦や衝突を表した年表をもとに、各時代の人物や事件について答える問題。
問一 三内丸山遺跡は青森県、板付遺跡は福岡県、纏向遺跡は奈良県の遺跡である。
問二 憲法十七条(604年)・大化の改新(645年)・壬申の乱(672年)・大宝律令(701年)。
問四 瀬戸内海一帯に勢力を持つ藤原純友がおこした反乱。
問五 白川上皇の院政(1086~)。前九年の役(1051~1062)・保元の乱(1156年)・平治の乱(1159年)・源頼朝
の挙兵(1180年)。
問六 元軍の2度目の襲来に備えて、上陸を防ぐように築かれた。
問九 老中・水野忠邦による天保の改革。株仲間を解散するなどの政策を行った。
問十三 普通選挙法と治安維持法は同年なので覚えやすい。
<時間配分目安:8分>
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
資料の写真について文化財や宗教について答える問題。
問一 ア.高松塚古墳は藤原京時代に造られた古墳で、白虎・玄武などの四神や女子群像などが描かれている。
イ.五稜郭はあまり漢字で書いたことが無かったかもしれない。
<時間配分目安:3分>
【大問5】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
財政と税についての問題。
問二 社会の高齢化が進み、年金や医療費が増大している。
問三 税収の内訳は所得税・消費税・法人税の順で多い。
<時間配分目安:3分>
【大問6】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
日本の経済とアメリカの政策について。
問一 環太平洋経済連携協定(TPP)は当初参加予定であったアメリカが不参加となった。
問二 北米自由貿易協定(NAFTA)。
問四 日本銀行は「銀行の銀行」とも称され、民間企業には貸付は行わないのでイは×。
問五 石炭・石油は太古の植物が化石化・分解されてできるもので、化石燃料とも呼ばれる。
<時間配分目安:3分>
【大問7】記述問題
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
- ★必答問題
空き家は浮浪者が入り込んだり犯罪に利用されたりしやすい。空き家が増えると地域全体の治安が悪くなり、犯罪が増加する傾向がある。また、人が住んでいない建物は老朽化が激しく、周辺のイメージを損なう。取り壊すのにも所有者の許可が必要で簡単にはいかない。
長く空き家にしておかない対策が必要である。地域の居住者を増やすような施策を自治体が取ったり、アトリエや店舗など居住意外の目的で貸し出したりなど、人を増やす工夫が求められる。
<時間配分目安:5分>
攻略のポイント
記号選択や適語記入の問題は答えやすいものが多いので、ミスを減らし得点源とする。好んで出題される問題(雨温図や歴史年表・時代順の並べ替えなど)があるので、よく練習しておく。
記述問題は知識を問う説明タイプと思考力を問う論説タイプがあるので、過去問でどちらにも慣れておく必要がある。きれいな解答を目指さなくてよいので、部分点を着実に得るつもりで。ともあれ、記述以外での失点を押さえることが一番の近道である。基本を徹底しよう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
大宮開成中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。