大妻中学校 入試対策
2017年度「大妻中学校の国語」
攻略のための学習方法
○読解問題
文学的文章・説明的文章・韻文+鑑賞文という形の三題の出題がほぼ定形となっている。鑑賞文も字数の内である点がなかなかに厄介である。素材文の長さは、合計で8000字~10000字ほどにもなり、読むスピードが必要となる。
設問は、抜き出し・空欄補充・選択肢・並び替えなどと共に30字ほどの記述問題も数問あり、全体としてバランスの取れたオーソドックスな試験となっている。
素材文や選択肢の内容も特別に難しいものではなく、適正な実力があれば答えられる。
文学的文章・説明的文章、それぞれ長文読解の基本に沿って経験を積んでおきたい。
物語であれば場面分け・心情把握・主題の理解、論説文であれば段落分け・要点・要旨と要約といった読解の技術に関して、多くの問題をこなして基本力を高めた上で、文量の多さも考慮してスピードをつける練習も意識して行おう。
○問題形式
選択式問題が多い点は意識しておかれたい。四択・五択・正解をいくつか選ぶなどパターンも多彩で、設問の指示を見落とさないように注意が必要である。
内容としては、紛らわしいものや意地悪な選択肢は少ないので、読解力があればさほど迷わず正解を選べるはずである。ともあれ、類似問題で十分慣れておくこと。
記述問題も短いものが数問出されている。本文の手がかりをうまく利用してまとめられるものが多いので、こちらも読解力があれば苦労はしないだろう。類似問題で30字前後にまとめる感覚をつかんでおこう。
○韻文
韻文+鑑賞文の形で詩・短歌・俳句などの問題が例年、出題されている点が本校の特色とも言える。小学校では十分に学習しない場合も多いので、意識して練習する必要がある。
鑑賞文の中に手がかりを探せる場合も多いが、韻文読解そのものの実力が問われていることは論を待たない。やはり場数を踏むことが実力をつける近道なので、専用のテキストや問題集をしっかりこなしておきたい。短い言葉から、含まれているイメージを的確に捉えられるように、想像力を養っておくことが重要である。
○知識
漢字や言葉の知識関連の問題も、必ず出題されている。
基本レベルの学習で良いので、手を抜かずしっかり覚えておくこと。本校のような高得点の試験では、漢字や言語事項での失点はそのまま合否を分けるので、億劫がらずに日頃の地道な漢字・語句学習を欠かさないようにお願いしたい。語彙の豊富さは、長文の読解だけでなく韻文の鑑賞にも多大なアドバンテージとなることは、国語の学習において常に心に留めておいて欲しい事柄である。
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2017年度「大妻中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
読解問題の三題構成。文章ジャンルは、物語文・説明文・俳句と解説文である。語句問題は、読解問題の中に含まれる。設問は全体的に、基本的なものが中心。各文章ジャンルの基本的な読解方法をおさえることで、十分に合格点がねらえる。ただし、素材文の総字数はおよそ10000字にもなる。スピードを意識した訓練を。
【大問1】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
孫娘とプールに遊びに来た主人公。自分の不注意で孫が見当たらなくなり、妻とともに必死で探し回る。
問一 幸子は主人公の妻で孫からみれば祖母にあたる。主人公の言葉で「母さん」・「ばぁば」と読んでいる。この問題などは、設問を先に見ておいて読みながら探すようにしたほうが時間の節約になるという典型である。
問三 主人公がだいぶ疲労している様子が描かれている。孫の相手を替わって欲しいと思っている。
問五 孫の安否が確定したわけではないので「絶望」はあたらない。まずは孫を探すことが先決なので、孫を見失った自分にたいする「怒り」も感じる余裕はないはずである。
問八 「静かに」の使いどころだが、岩場に打ち寄せた大波が引いてゆくところで使えば、間一髪であった緊張感が際立つので適切である。
問九 心配を顔に出しては孫が驚くかもしれず危険なので、穏やかな表情を見せている。屋根に登った子供を救出する場面などでよくみられる設定である。
問十一 大人たちの心配や波に呑まれたかもしれない危険など、気づいていない子供らしい呑気さである。
問十二 「後生」は「今生」に対する語で「死んだあとの世界」。「今生の借りは死んだあとに返す」という意味で強くお願いをするときにも用いる。
【大問2】説明文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
植物が実は激しい生存競争を繰り広げていて、繁殖するためには敵をも利用する狡猾な戦略を持っていることを解説している。
問一 指している箇所はすぐわかるだろうが、範囲に注意。「争いのない~うに思える」までとしても字数は合うのだが、主語を入れないのは正確性を欠くので、「植物たちは~らしている」までとするのがよい。
問二 「適者生存」は環境に適合したものが生き残るということ。この言葉に馴染みのない人もいたかもしれない。
問三 「結果どのようになったか」を訊かれているので、その部分をしっかり答える。森では光が得やすい上方に葉が集まり、土中では栄養を取ろうと根が広く深く張り巡らされるのである。字数が少ないのでコンパクトにまとめる。
問四 様々な植物が光を奪い合って、陽のあたる空間に隙間なく枝葉が広がっている様子。
問五 「自家中毒」というキーワードに沿って説明すればよい。ここも字数は多くないので簡潔に。
問六 昆虫が花粉を運んでくれ、動物が種子を運んでくれるという事例が文中で挙げられている。
問八 「あるとき」という冒頭の語や「その大量の花粉」という2行前からのつながりを考えてBが先頭に置ける。そこからのF→Cという流れが読めれば選択肢イが選べるだろう。
問十 当然、傍線⑨以降にまとめられているはずである。まず「たどり着いた境地」は、「助け合うという共存関係」に「たどりついた」とある。「そのために植物がしたこと」として「自分の利益より…」以降の部分が意味も合うし適切に当てはまる。
【大問3】俳句と鑑賞文
- 難度:やや難
- 時間配分:16分
夕立に題をとった俳句と鑑賞文。
問一 「(チェック)してもらっていい(でしょうか)」を謙譲語で言うとどうなるか。
問三「ままある」は「よく・時々・しばしば―ある」の意。
問四 夏の夕立の前の雲であるから、理科で習った積乱雲・入道雲の類であろう。
問五 「ござる」にはある・いる・行く来るなどの意味がある。ここは倒置法で「夕立が来る」ということ。
問七 水底にいるのは蛙だし、じじと鳴くのは蝉である。ここは選びやすかった。
問八 擬人法・祖母のような人物・体言止めは使われていない。
問九 「乾坤一擲」は天地をかけた大博打のサイコロの一投の意。俳句では「天地」に「一度に投げた」ような雨というイメージで使っている。
問十一 空の端から端まで届かずに途中で消えた流星という俳句。
問十三 「経験則」は経験から学んだ法則。選択肢イは日々の習慣である。
攻略のポイント
合格者平均点が75.3点と高いことを考えても、問題の難易度自体はそれほど高くない。文量と設問の多さへの対応が重要となる。大問3つでかなりの文量になる。スピード重視の練習を積んでおこう。そして本文を何度も読まずに済むように、設問に先に目を通して解答を探しながら読むといった策も必要となろう。
必ず出される韻文への対策も抜かりなく。短い言葉から的確なイメージを浮かべられるように十分に慣れておきたい。
言語事項の出題も見られるので、標準レベルの知識は得ておこう。
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