大妻中学校 入試対策
2019年度「大妻中学校の国語」
攻略のための学習方法
読解問題
文学的文章・説明的文章・韻文+鑑賞文という形の三題の出題がほぼ定形となっている。鑑賞文も字数の内である点がなかなかに厄介である。素材文の長さは、合計で8000字~10000字ほどにもなり、読むスピードが必要となる。
設問は、抜き出し・空欄補充・選択肢・並び替えなどと共に30字ほどの記述問題も数問あり、全体としてバランスの取れたオーソドックスな試験となっている。
素材文や選択肢の内容も特別に難しいものではなく、適正な実力があれば答えられる。
文学的文章・説明的文章、それぞれ長文読解の基本に沿って経験を積んでおきたい。
物語であれば場面分け・心情把握・主題の理解、論説文であれば段落分け・要点・要旨と要約といった読解の技術に関して、多くの問題をこなして基本力を高めた上で、文量の多さも考慮してスピードをつける練習も意識して行おう。
問題形式
選択式問題が多い点は意識しておかれたい。四択・五択・正解をいくつか選ぶなどパターンも多彩で、設問の指示を見落とさないように注意が必要である。
内容としては、紛らわしいものや意地悪な選択肢は少ないので、読解力があればさほど迷わず正解を選べるはずである。ともあれ、類似問題で十分慣れておくこと。
記述問題も短いものが数問出されている。本文の手がかりをうまく利用してまとめられるものが多いので、こちらも読解力があれば苦労はしないだろう。類似問題で30字前後にまとめる感覚をつかんでおこう。
韻文
韻文+鑑賞文の形で詩・短歌・俳句などの問題が例年、出題されている点が本校の特色とも言える。小学校では十分に学習しない場合も多いので、意識して練習する必要がある。
鑑賞文の中に手がかりを探せる場合も多いが、韻文読解そのものの実力が問われていることは論を待たない。やはり場数を踏むことが実力をつける近道なので、専用のテキストや問題集をしっかりこなしておきたい。短い言葉から、含まれているイメージを的確に捉えられるように、想像力を養っておくことが重要である。
知識
漢字や言葉の知識関連の問題も、必ず出題されている。
基本レベルの学習で良いので、手を抜かずしっかり覚えておくこと。本校のような高得点の試験では、漢字や言語事項での失点はそのまま合否を分けるので、億劫がらずに日頃の地道な漢字・語句学習を欠かさないようにお願いしたい。語彙の豊富さは、長文の読解だけでなく韻文の鑑賞にも多大なアドバンテージとなることは、国語の学習において常に心に留めておいて欲しい事柄である。
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2019年度「大妻中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
読解問題の三題構成。文章ジャンルは、①物語文・②説明文・③俳句・短歌と解説文など、である。総解答数は39問。言語事項は、読解問題の中に含まれる。
設問は全体的に、基本的なものが中心。各文章ジャンルの基本的な読解方法をおさえることで、十分に合格点がねらえる。ただし、素材文の総字数はおよそ9600字にもなる。スピードを意識した訓練を。
【大問1】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
夏休みに四国の四万十川に来た主人公は、東京ではできない経験を通して考えを深めていく。
問1 「弾く」という表現から、川面が日光を強く反射して輝いているさまが感じられるので「きらきら」のロが良い。
問2 少し先まで読むと、主人公にとっては今回が初めての柴漬づけ漁でその準備も手伝っていたことが書かれている。期待と緊張を感じているだろう。
問3 観光船に乗った場面の直後で柴づけ漁の説明がされているので、字数にまとめる。
問4 四万十川は高知県を流れる日本最後の清流とも称されるきれいな川である。
問5 D. 「クリップが弾かれるような」であるから、「ぴん」や「ぱちん」などが合う。
問7 魚は季節により食べているもので味が違うという事実を知り、都会のスーパーで手に入る魚とは違う、「その季節・その場所でついさっきまで生きていた」魚を実感したのである。
問8 「まるで~のように」と「例え」であることを明示しているので、「直喩」である。
問9 直前で主人公が、洪水で高い所に引っ掛かった泥やゴミに驚いている。洪水のそのような「洗い流す力」で、川がきれいになっているのである。
問10 演出家は父とは別の人のようなので、「演出」関係と答えてはいけない。
問12 選択肢ニで書かれているようなそこまでの「成長」は描かれていない。都会と異なる自然の中での経験で、それまで考えなかったことにも思いが及んでいるようなので、ホが選べる。
【大問2】説明文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
石ころ探しの楽しさや川の仕組みなどを解説している。
問1 大なり小なり――多かれ少なかれ・程度の差に関わらず。
問2 「ガイドブック」に載っているものとは違い、「緊張・○○・運動能力などを要する」のであるから、その時々の自身の「判断」を要するのである。
問3 「川は……ある程度決まった流れ方をします」と述べられているので、ニは合わない。
問4 【D】 川の流れの作用をまとめた段落なので「つまり」。
【E】 日本の川の石ころ探しの楽しさの理由が直前に書かれているので「だからこそ(理由・強調)」。
問5 「ピカイチ」はトップクラスに優れているということ。高瀬川のことを言っている。六字と二字なので、「高瀬川の河原」と「最高・絶好・格好」などとすればよい。
問6 石が多く集まって歩きやすい場所と考えると、流れの穏やかな平瀬ということになる。
問8 「石ころ探し」が主目的なので、じっくり石探しに集中できるということであろう。
問9 心して――十分な心構えを持って。
問10 この場面で石ころ探しについては触れていない。「自然に一歩近づいた心持ち」とあるので、イが良さそうである。
問11 無防備。どの打消し語が付くか、間違えないように覚えよう。
問12 (2) 同じ段落内で説明されている。洪水によって石ころがひっくり返り新しいものが運ばれてくるのである。
問13 凍った石ころに足を滑らせ転倒した経験のことを言っている。二十二字だと「日陰の河原~ていること」が選べる。
【大問3】短歌の鑑賞
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
オノマトペを使った短歌の鑑賞。
問1 常套――きまりきった・ありふれた。
問2 「特有」なので、その作家しか持っていない特別なものということである。
問3 短歌は五・七・五・七・七の計三十一音で構成されるので「三十一文字(みそひともじ)」とも呼ばれる。
問5 青い鳥(メーテルリンク)・老人と海(アーネスト・ヘミングウェイ)・若草物語(ルイザ・メイ・オルコット)・風と共に去りぬ(マーガレット・ミッチェル)。
問6 「それ」とは、「(ジャン・バルジャンという)主人公の名前を、日本人が耳にしたときの連想」を指している。音の響きが日本人にはオノマトペに聞こえるのである。
問7 談笑――楽しく語り合う。
失笑――思わず笑ってしまうこと。「笑いも出ないほど呆れる」という意味に勘違いしている人が多いようなので注意。
問8 上の句だけ見るとよく意味がよくわからないが、最後の七音で鼓笛隊の音だったと「種明かし」している。
問9 例に挙げられた4つの短歌は擬音が強く耳に残るものが多い(ハ→イ)。しかし、そうでない短歌もある(ニ→ロ)、という流れで、この後でそのような短歌を挙げるのであろう。
攻略のポイント
例年、合格者平均点が高めであることを考えても、問題の難易度自体はそれほど高くない。大問3つでかなりの文量になる。スピード重視の練習を積んでおこう。
そして本文を何度も読まずに済むように、設問に先に目を通して解答を探しながら読むといった策も必要となろう。
必ず出される韻文への対策も抜かりなく。短い言葉から的確なイメージを浮かべられるように十分に慣れておきたい。
言語事項の出題も見られるので、標準レベルの知識は得ておこう。
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