大妻中学校 入試対策
2022年度「大妻中学校の国語」
攻略のための学習方法
読解問題
文学的文章・説明的文章・韻文+鑑賞文という形の三題の出題がほぼ定形となっている。鑑賞文も字数の内である点がなかなかに厄介である。素材文の長さは、合計で8000字~10000字ほどにもなり、読むスピードが必要となる。
設問は、抜き出し・空欄補充・選択肢・並び替えなどと共に30字ほどの記述問題も数問あり、全体としてバランスの取れたオーソドックスな試験となっている。
素材文や選択肢の内容も特別に難しいものではなく、適正な実力があれば答えられる。
文学的文章・説明的文章、それぞれ長文読解の基本に沿って経験を積んでおきたい。
物語であれば場面分け・心情把握・主題の理解、論説文であれば段落分け・要点・要旨と要約といった読解の技術に関して、多くの問題をこなして基本力を高めた上で、文量の多さも考慮してスピードをつける練習も意識して行おう。
問題形式
選択式問題が多い点は意識しておかれたい。四択・五択・正解をいくつか選ぶなどパターンも多彩で、設問の指示を見落とさないように注意が必要である。
内容としては、紛らわしいものや意地悪な選択肢は少ないので、読解力があればさほど迷わず正解を選べるはずである。ともあれ、類似問題で十分慣れておくこと。
記述問題も短いものが数問出されている。本文の手がかりをうまく利用してまとめられるものが多いので、こちらも読解力があれば苦労はしないだろう。類似問題で30字前後にまとめる感覚をつかんでおこう。
韻文
韻文+鑑賞文の形で詩・短歌・俳句などの問題が例年、出題されている点が本校の特色とも言える。小学校では十分に学習しない場合も多いので、意識して練習する必要がある。
鑑賞文の中に手がかりを探せる場合も多いが、韻文読解そのものの実力が問われていることは論を待たない。やはり場数を踏むことが実力をつける近道なので、専用のテキストや問題集をしっかりこなしておきたい。短い言葉から、含まれているイメージを的確に捉えられるように、想像力を養っておくことが重要である。
知識
漢字や言葉の知識関連の問題も、必ず出題されている。
基本レベルの学習で良いので、手を抜かずしっかり覚えておくこと。本校のような高得点の試験では、漢字や言語事項での失点はそのまま合否を分けるので、億劫がらずに日頃の地道な漢字・語句学習を欠かさないようにお願いしたい。語彙の豊富さは、長文の読解だけでなく韻文の鑑賞にも多大なアドバンテージとなることは、国語の学習において常に心に留めておいて欲しい事柄である。
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2022年度「大妻中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
読解問題の三題構成。文章ジャンルは、①物語文・②説明文・③俳句・短歌を題材にした解説文など、である。総解答数は38問。言語事項は、読解問題の中に含まれる。設問は全体的に、基本的なものが中心。各文章ジャンルの基本的な読解方法をおさえることで、十分に合格点がねらえる。ただし、素材文の総字数はおよそ12000字にもなる。スピードを意識した訓練を。
【大問一】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
「らしさ」が求められる風潮に疑問を感じていた主人公だったが、幼馴染の瑛人がありのままの自分を認めてくれたことで、心が軽くなる。
問1 (話の)輪に加わる――仲間に加わる。
問2 作り方を教えてというくせに料理には興味がないというのだから、話が合わない→支離滅裂。
問3 こちらの矛盾を問い質すような「攻撃的」な話し方になっている。
問4 この後で、主人公の父親が現在無職で家にいて、主人公の弁当を作っているらしいことが独白されている。しかし主人公はそうした事実を皆に知られたくないと思って、周囲には弁当は自分で作っているというふりをしていたのである。
問5 「編むことよりも想像したものをつくり出すことが好き」とあり、手段は手芸でなくてもよかったのではないかと、自問している。
問6 子どもの頃に見たオタマジャクシからカエルへの変態が、とても不思議で神業とも思えるほど興味を引かれたことが述べられている。
問7 表向きはウサギを編んでオタマジャクシを編んでいることは皆に隠していた。相手は瑛人ではあったが、やはりとっさに隠してしまったのだろう。
問8 興味津々――非常に関心がある様子。
問9 無心――無邪気で、余分な意識が無いこと。
問10 瑛人がこの時反応しているのは「呪文が小鬼を追い払う」という話のことであるから、選択肢ロが合う。
問11 編んでいるオタマジャクシを馬鹿にしたりしないで普通に受け止めてくれる瑛人の態度に、ありのままの自分でいてよいのだと認められた気がしている。
問12 Ⅾ. 髪が「ふわりと」揺れる。
E. 「ちゃんと」仕事ができるならよい。
F. 「うっかり」膝から落とした。
G. 「まっすぐ」伸びた糸。
【大問二】説明文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
物をつかめる尻尾を持つサルが中南米に生息するごく少数の種に限られることやその理由が述べられている。
問1 「思い違い」は「サルの尻尾は巻きつくのが普通」という多くの人の反応のことである。しかし実際は、筆者が大人になって知った通り「ほとんどのサルは、尻尾で物をつかむことができない」のである。
問2 自分が思い違いをしていた原因が昔読んだ絵本にあると思っているが、その絵本を探しても見つからないので、だれか知っている人がいるなら「教えていただきたい」のである。
問3 直後に「バランスを取るために使っている」とあるので、空欄Aには「何のためか」という疑問が提示されているはずである。
問4 今よりは分裂してからの時間が短いので、大陸間の距離はもっと近かったと考えら
れる。
問5 少し前に南米で進化したのは新世界ザル(広鼻類)であったと書かれている。つまりアフリカから南米に渡ったのは広鼻類で他にサルがいなかったので繁殖し、アフリカに残った広鼻類は狭鼻類に負けて滅んでしまったということである。
問6 約3500万年前に、アフリカから漂流した木とともに南米に流れ着いたと書かれているので、イ・ロ・ハは合わない。
問7 「捕食者」とは「その生き物を捕まえて食べる者」という意味で、自らの命を脅かす存在という意味の「天敵」が近い。
問8 直接には直前の「生存するのに適した場所」を指している。そして南米に渡った新世界ザルにとっては「競争相手がいない原生林」がそうした場所だったわけである。
問9 巨木が並ぶ原生林ではてっぺん付近以外では木と木の間隔が離れているため、体が大きいほうが隣の木に渡りやすいのだと考えられる。
問10 F. てっぺん付近なら隣と間隔が狭いので移動できるかもしれない、「しかし」落ちたら死んでしまう危険もある。
G. 「もし」そんな危険な場所を移動するとしたら…。
H. 落下を防ぐことができる、「さらに」食べ物を採る時も支えに使える。
問11 落下を防ぐために人間も「命綱」を使う。
問12 木の高さが一定である→枝の距離が近い(イ)→(ホ)なので→(ニ)。
問13 直前の一文に書かれている「東南アジアで進化した滑空という移動方法が、南米では全く見られない」を指している。
問14 イ. 狭鼻類だけに当てはまることではない。
ロ. 尻尾でぶら下がるサルもいるので、合わない。
ニ. 南米に移動したのは偶然であったと考えられている。
【大問三】随筆文と俳句の鑑賞
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
桜を話題とした随筆と松尾芭蕉の俳句を読んで答える問題。
問1 桜が開花する時期を等高線のように結んだ線を桜前線と呼ぶ。温かい地域から北に向かって進む形になる。
問2 直前の文の「日本における桜前線の連日の報道」のことを指している。
問3 日本で桜の時期に合わせて花の宴(花見)が催される(という風習)
問4 イは正岡子規、ハは与謝蕪村、ホは小林一茶、ヘは山口素堂の読んだ句である。
問5 (1) 俳句で「花」は桜を指す春の季語であり、選択肢の中では芹が春の七草として数えられる。
(2) 桜が満開に咲いている様子を雲に見立てている。
(3) A. 鐘の「音」を聞いている。
B. いらか(甍)は屋根のことで、それを「みやりつ(見やりながら)」であるから、視覚を用いている。
問6 「かつて――(名所が)あり」と、「ある」の文節にかかっている。
【大問四】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:1分
① 招待状 ② 奮発 ③ 訪ねる
攻略のポイント
例年、合格者平均点が高めであることを考えても、問題の難易度自体はそれほど高くない。大問3つでかなりの文量になる。スピード重視の練習を積んでおこう。そして本文を何度も読まずに済むように、設問に先に目を通して解答を探しながら読むといった策も必要となろう。
必ず出される韻文への対策も抜かりなく。短い言葉から的確なイメージを浮かべられるように十分に慣れておきたい。
言語事項の出題も見られるので、標準レベルの知識は得ておこう。
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