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大妻中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「大妻中学校の理科」
攻略のための学習方法

大妻中理科の満点は60点、合格者平均点は例年6割程度である。知識だけで答えらえる問題もあるが、実験や観察に関する説明を読んだ上で答える問題も出題される。

<分野毎の学習法>

生物分野 

年はじん臓の働きについての出題であった。
ここ何年かの問題を見ると、植物の働き(光合成・呼吸・蒸散作用など)、食物連鎖などが出題されている。動物、人のからだの働き、植物についての基本知識を身につけるとともに、植物の働きについては、それを確認するための実験の進め方等についてもしっかり学習して欲しい。

地学分野 

本年度は飽和水蒸気量と湿度に関する出題であった。
過去の出題を見ると天体に関する出題が多く見られる。来年度以降は天体・気象・地層や岩石・地震など、どれも出題される可能性があるが、天体については単なる丸暗記ではなく、星や月の動きに関してしっかり理屈(なぜそのように動いて見えるのか)を理解して欲しい。気象に関しては、四季の天気の特徴、雲のでき方、台風についてなどに重点をおいて学習して欲しい。岩石や地層については、岩石の名称などの基本を固めるとともに、地震や火山についても知識を深めておきたい。

物理分野 

本年はてこのつり合いに関する出題であった。
過去の傾向では、力のつり合いと電気の出題頻度がやや高い。力のつり合いの学習では、てこや滑車のつり合い・浮力・ばね・物体の運動などについて、計算練習を十分に行って欲しい。

光や音についても怠ることなく学習して欲しい。

化学分野 

本年度は水溶液の性質に関する出題で、計算を必要とする問題は全く出題されなかった。
過去の傾向では、水溶液や気体の性質、中和反応などの化学変化に関する出題が多くなっている。この分野で特に力を入れて学習して頂きたいのは、中和や水溶液と金属の反応、金属等の燃焼に関する計算問題。中でも「比」を使って解くタイプの問題は十分に時間をかけて練習して頂きたい。

できる限り早い段階で基本を固め、秋以降は模試や過去問などの実戦的な総合演習、というのが理想であるが、あせりも禁物である。特に苦手と思われる単元については家庭教師のアドバイスなども受けながら多少時間をかけてでもしっかり対策を行って欲しい。

また、模試や過去問で間違えた問題については、やり直しを行うことはもちろん、間違えの多かった分野については、基本からしっかり復習して頂きたい。

過去問を行う際の注意点として、時間配分を考慮することがあげられる。大妻中の理科のテスト時間は30分。むやみに急いで解く必要はないが、どうしてもわからない問題は後まわしにして、できる問題から確実に正答することが大切である。時間切れで手つかずの問題がある、ということは避けるように、日頃から時間配分には気をかけて頂きたい。

時事問題に関しては、秋以降に出版される時事問題対策問題集を活用して頂きたい。

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2018年度「大妻中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4題、小問数は30題程度で60点満点。試験時間は30分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題が中心で、簡単な記述問題も見られた。
30分ですべての問題をしっかり考え、答えるにはある程度のスピードも要求される。

塾のテキストや参考書の内容が理解できていれば解ける問題が多く、合格者平均は例年6割程度(35点程度)である。

【大問1】 化学分野 水溶液の性質

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

実験を通して水溶液を分類していくという、テキストや問題集でおなじみの形式の出題。

問1 操作1は塩酸と炭酸水を見分ける実験になる。石灰水を加えて、白く濁った方が炭酸水である。

問2 操作2は砂糖水と食塩水を見分ける実験になる。食塩水は電気を通すが、砂糖水は通さない。

問3 Cは気体を溶かした水溶液であり、BTB液が黄色にはならないことから、アルカリ性のアンモニア水であ  
   る。

問4 Eは固体を溶かした水溶液、アルカリ性、二酸化炭素を通しても白くならないことから、水酸化ナトリウ
   ム水溶液である。

問5 鉄が溶けて水素を発生させるのは塩酸である。

問6 食酢は液体を溶かした水溶液である。

問7 各実験の結果を表にまとめる問題。

水溶液の性質に関する標準的な出題。確実に正答したい。ここで得点できなかった場合は、テキストや参考書を使ってもう一度水溶液の性質についてしっかり復習して頂きたい。

【大問2】生物分野 じん臓の働き

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

問1 じん臓があるのが背中側になる。

問2 非常に大きく重い臓器であることから肝臓と考えられる。

問3 血液から二酸化炭素を取り除く働きを行う器官はじん臓ではなく肺。また、有毒なアンモニアを無毒の尿
   素に変える働きを行うのは肝臓である。

問4 ブタの解剖の説明だが、人と同様に考えればよい。血液がついた管のうち、壁が厚い方が動脈になる。ま
   た、血液がついていない管は輸尿管で、ぼうこうにつながっている。

問5 「じん臓に入る血液量×じん臓に入る血液中の尿素の濃度-じん臓から出る血液量×じん臓から出る血液
   中の尿素の濃度」によって尿の中に含まれる尿素の量が求まる。これを尿の量で割り、%に変換して
   四捨五入して求めればよい。

問5の計算問題はやや難しいが、それ以外は、血液循環の中でのじん臓の働きを理解しているかを問う知識問題になっている。じん臓と肝臓の働きの違いがポイントになる。

【大問3】地学分野 飽和水蒸気量と湿度

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

問1 髪の毛は湿度によって伸び縮みするので、湿度計に使用されることがある。

問2 空気中の水蒸気が水滴になり始める気温を露点という。

問3 露点になって水滴ができ始める時の湿度は100%である。

問4 水滴がつき始めた温度が14℃で、この温度が露点である。

問5 【参考資料】の表を利用する。部屋の温度26℃における飽和水蒸気量は24.4g、また、14℃が露点
   であったことから含まれていた水蒸気の量は1㎥あたり12.1g。よって12.1÷24.4×100 の結果を
   四捨五入して、50%になる。

問6 含まれている水蒸気量が1㎥あたり12.1gであることから、飽和水蒸気量が9.1gになると3gの水滴が
   できる。【参考資料】より、9℃と考えられる。

問7 表より、空気中に含まれる水蒸気の量がウィルス死滅の要因になっているのではないか、と推測できる。

飽和水蒸気量と湿度に関する知識と計算問題を中心とした出題。雲のできる理由など自然現象と結び付けて理解して欲しい。

【大問4】物理分野 てこのつり合い

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

問1(1)支点の左と右で回転力(支点からの距離×おもりの重さ)が等しいと棒はつり合う。

  (2)ばねばかりにかかる重さは、おもりの重さの合計+棒の重さになる。棒の重さを忘れないように。

  (3)同様に支点(ばねばかりの位置)の左右で回転力が等しい時に棒はつり合う。ただし、支点が棒の
               中央ではないので、回転力の計算に棒の重さも使うことが必要になる。はじめに、棒の中央(0の
               位置)に棒の重さの30gがつるされている絵を描くことがポイント。

      (4)「2の位置のばねばかりの値×支点からの距離」を反時計回りの回転力として計算する。

問2 問1同様に支点の左右で回転力が等しい時に棒はつり合う。

問3 小さな円板と大きな円板の半径の比は1:2なので、面積の比は1×1:2×2で1:4になる。従っ
        て、切り抜いた小さな円板と残った円板の重さの比は1:3になる。問2までと同様に回転力を使って
   残った板の重心の位置を求めると、15×1÷3よりOから5cmの位置とわかる。

 

問1問2はてこのつり合いの標準的な出題だが、棒の重さを考える必要があることに注意が必要。問3は円板のつり合いという見慣れない問題だが、問題文と問いの流れに従って答えれば難しい出題ではないはず。

ここで得点できなかった場合は、テキストや問題集を使って、てこのつり合いの計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。その際、棒の重さを考える問題の練習も行って欲しい。

攻略のポイント

ここ何年かの出題分野を見ると、生物(植物・動物など)・地学(天体・気象・岩石など)・物理(力学・電気・光など)・化学(水溶液・気体の性質など)、以上4分野から出題されている。まんべんなく各単元から出題されているので、何が出題されるか山をかけるような学習は危険である。何が出題されても大丈夫なような準備をしておきたい。やや難しい問題も何題か含まれているが、多くは塾のテキスト等をしっかり学習していれば解くことができる標準的な問題である。すべての単元の基本を確実に固めることが最も大切な攻略ポイントである。できる限り早く基本を固め、秋以降の模試や過去問演習で実戦力を身につけて欲しい。

また、過去の出題を見ると時事的な内容を含む出題も見られるので、時事問題対策も行って頂きたい。

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