大妻中学校 入試対策
2024年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
2019年度では問題数が大きく減ったが、2020年度以降は以前の傾向にもどった。全体としての難易度は上がってきており、今後の傾向に注意しておかれたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。
記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度以降では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数はまた増えているが、考えさせる問題を増やすという傾向はみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想される。その点を考慮した訓練が必要になりそうである。
地理分野
総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく。
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある。
地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい。
歴史分野
ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。
政治分野
憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい。
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい。
まとめとして
まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。
ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない。
2020年度以降ではまた問題数が増えたが、思考力を要する問題も出されている。記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい。
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2024年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問だった。問題数の増減については年度による変化に注意をしておかれたい。適語記入と記号選択が多いので、全体として時間は足りるだろう。
基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
人口問題を題材に、産業や人口構成などについて訊かれている。
問1 (1) Aは大都市以外の人口がすくない地域なのでウ、Bは大都市が多いので人口密度、Cは名古屋など製造業が盛んな地域が多いのでイとなる。
問2 まず面積で言えば人口は大きな都市の狭い範囲に集まっており、過疎地の方が広大な山間部に広がっているので面積が大きい(ア)。DとEでは、過疎地では人口密度が低くなるはずであるから、Eが人口である。
問3 駅の近くなど人の多い便利なところに集まっているのがドラッグストア、人口に応じて一定の分布を示しているのが小学校である。
問4 (1) 観光・プール・海の産業などから、水族館とわかる。
(2) 四万十(川)
問5 (1) 生産・加工・販売まで、1次~3次までの産業を足して第6次産業と呼ばれる。
(2) インターネット
(3) サツマイモは鹿児島県、イチゴは栃木県が第1位である。
問6 2010年以降、経済が発展した中国などからの訪日客が増え、円安も追い風になりインバウンドによる爆買いなども話題になった。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
各時代の特徴を時代順に並べ、人物や出来事などについて訊かれている。
問1 (あ) 大海人(皇子) (い) 行基 (う) 坂上田村麻呂 (え) 二毛作
(お) 能 (か) 25
問2 竪穴住居
問3 どちらも正しい。
問4 仏教はウの位置の百済から伝わった。
問5 イ. 聖徳太子が派遣したのは遣隋使である。
問6 壬申の乱
問7 織田信長は征夷大将軍にはなっていない。
問8 エ. 義満は北山に金閣を建てた。
問9 『見返り美人』が元禄文化の時代で、他の3つは化政文化の頃である。
問10 小村寿太郎
問11 [Ⅰ] 賃金の上昇が少なかった [Ⅱ] ウ
問12 治安維持法
問13 それまでソ連の反対により実現しなかったが、日ソ共同宣言により国交が回復したため、日本の国連加盟が認められた。
問14 新橋――横浜間の鉄道開通は1872年なので、KとLの間である。
【大問3】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
少子高齢化を題材とした問題。
問1 厚生労働省は、健康・医療・福祉・介護・年金などを所管する行政機関である。
問2 誰にとっても同じ税がかかるため、所得の少ない人にとっては生活必需品などの税額が収入に比して大きくなってしまう。
問3 1999年、男女共同参画社会基本法が制定された。
問4 高齢者に向けた政策が優先されるようになることをシルバー民主主義といい、選挙に行かない若者層を無視した政策との批判もある。
問5 エ. 内閣は条約を結べるが、国会の承認を得なければ効力を持たない。
問6 地方公共団体の首長の解職は有権者の3分の1以上の署名が必要なので、エが合っている。
問7 (1) 有権者の投じた1票の重さに差があることは「法の下の平等」に違反していると考えられる。
(2) ア. 参議院は任期6年で3年ごとに半数を改選する。衆議院は任期4年だが、解散があるのでそれより短くなることも多い。
問8 イ. 合計特殊出生率が低いのに普通出生率は高いということは、東京都のように結婚・出産年齢が多い地域でその年に生まれた子供が多いことを示している。
攻略のポイント
以前の傾向に戻り、年度により変化が見られる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。
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